さんまと秋なすのパスタの作り方
null【材料】(2人分)
パスタ(スパゲッティーニ 1.7mm)・・・200g
さんま(缶詰)・・・1缶(180g)
なす・・・2本
大葉・・・8枚
にんにく・・・1片
しょうが・・・1片
エキストラバージンオリーブオイル・・・大さじ3
しょうゆ・・・大さじ1
塩・・・少量
粗挽き黒こしょう・・・少量
粉チーズ・・・適量
※今回は、さんまの缶詰はしょうゆ煮を使用しました。缶詰は水煮でも、みそ煮でもOKです。缶詰によって、味が濃かったり薄かったりするので、必ず味見をして、しょうゆ、塩、こしょうなどの調味料で、好みの味に調整してください。
※今回は、風味がよく、おいしく仕上がるエキストラバージンオリーブオイルを使用していますが、ない場合はオリーブオイルでもOKです。
【作り方】
(1)なすはへたを取り、ピーラーで皮を3か所ほどむき、縦半分に切って、大きめの乱切りにする。にんにくはみじん切りにする。しょうがは皮ごとみじん切りにする。
なすは切り口の白い断面から火が通るので、ピーラーで数か所皮をむいておくと、皮目からも火が通り、中までしっかり水分や味が入ります。ゴロッと大きめの乱切りにして、食べ応えを出しましょう。
しょうがは「必ず皮ごと使うべき!」と小野さん。皮の間に栄養がたくさん詰まっているので、皮をむいて捨ててしまうのはもったいないそうです。みじん切りにしてしまえば、皮のざらつきなども気になりませんよ。
(2)フライパンを強火で熱し、オリーブオイルを入れる。なすを加え、最初はあまり触らず、焼き色が付いたらひっくり返す。きれいな焼き色が付いたら中火にする。
なすは強火で焼かないと色がきれいに付かないそう。なすをフライパンに入れて、すぐに動かしてしまうと、焼き色がきれいに付かないので、しばらくじっと我慢。こんがりと焼き色が付いてきたらひっくり返して、焦げないように中火にしてください。
また、なすは油と好相性で、スポンジのようにどんどん油を吸います。しかし、吸った分だけ、時間が経つと外に出てきてしまうので、油を入れすぎると食べる時にベチャベチャになってしまいます。足りないかな?と思うくらい、最小限の油で炒めるのがおいしく仕上げるコツ!
(3)にんにくとしょうがを加えて、軽く炒める。さんまの缶詰を汁ごと入れて、炒めながらさんまを軽くほぐす。しょうゆを加えたら、一度火を止める。
なすを強火で焼く時に、にんにくとしょうがを入れてしまうと焦げてしまうので、にんにくとしょうがは、なすに焼き色が付いてから入れます。
さんまは缶詰の汁も味付けに使いたいので、汁も捨てずに全部入れましょう。この時、缶詰がしょうゆ味なら和風に、水煮ならあっさりと、みそ煮なら甘めに仕上がります。缶詰の味付けによって、濃かったり薄かったりするので、必ず味見をして、しょうゆ、塩、こしょうなどで味を調整してくださいね。
さらに、甘かったり、しょっぱかったり、缶詰特有の味わいがあるので、しょうがや粗挽き黒こしょう、唐辛子など、スパイシーな調味料で味を引き締めると、おいしく仕上がるそうです。今回もしょうがのキリッとした風味が効いています。
(4)パスタは表示時間通りゆでる。
パスタにソースを十分に吸わせるため、パスタを表示時間より1分短めにゆでることが多い小野さんですが、今回は通常通りのゆで時間でOKとのこと。その理由は一体?
「今回はさんまの缶詰の汁も味付けに使っているので、ソースに味がしっかり付いています。ソースが濃厚なので、パスタにソースを吸わせる時間が短くても、パスタに味がよく絡みます。逆に、味が繊細なペペロンチーノやボンゴレなどは、パスタにソースをしっかり吸わせた方がおいしく仕上がりますよ!」(小野さん)
(5)ソースにゆで汁を適量加えて、火をつける。ゆであがったパスタを加え、よく絡める。味見をして、塩、こしょうで味を調える。
パスタをソースに加える直前に、ソースが乾いていたら様子を見てゆで汁を適量加えます。ゆであがったパスタをソースとよく絡めたら、必ず味見をして、味を調えてくださいね。
(6)皿に盛り付けて、千切りにした大葉をたっぷりのせ、粉チーズを振ったら完成!
皿に盛り付けたら、刻みたての大葉をたっぷりのせます。大葉は切りたてがいちばん香りが華やかに立つので、盛り付ける直前に切るのがおすすめ。葉をまとめてクルクル丸めてから切ると、簡単に細かい千切りにできます。粉チーズを振ったらできあがり!
早速試食してみると、ゴロゴロしたなすが、口の中でとろ〜っと溶ろけて……幸せ! 焼き加減ひとつで、なすの中までとろりと軟らかく仕上がるのは、まさにプロの技ですね。さんまとの相性も抜群で、しょうゆの香ばしい風味が、さらに秋らしい味わいを引き立てます。さらに、刻みたての大葉のさわやかな風味が香り、和風味の濃厚なソースとマッチしていいアクセントに。
今回はさんまの缶詰を使いましたが、さばやいわしなど、他の缶詰を使ってもOKです。選ぶ缶詰の味付けによっておいしさが変わるので、実は味のバリエーションも豊富。暑さがゆるいだ秋のはじめに、ぜひ試してみてはいかがでしょうか。
【取材協力】
小野宗隆・・・洋食屋『Bistro Coco 路地裏』のオーナーシェフ。イタリア料理、フランス料理を中心に料理長としてのキャリアを積み上げ、店舗立ち上げやメニュー開発などを多数経験。ソムリエの資格も持つ。
取材・文/岸綾香