3分カルボナーラの作り方
null【材料】(2人分)
パスタ(スパゲッティーニ 1.7mm)・・・200g
ベーコン・・・100g
バター・・・15g
卵黄・・・4個
おろしにんにく(チューブ)・・・1cm
粉チーズ・・・60g
塩・・・2つまみ
粗挽き黒こしょう・・・2つまみ(卵黄用)、適量(仕上げ用)
※時短で作るため、おろしにんにくはチューブタイプのものを使用しています。生のにんにくをすりおろしてもOK。より一層香りが立ちますよ。
※今回は、風味がよく、おいしく仕上がるエキストラバージンオリーブオイルを使用していますが、ない場合はオリーブオイルでもOKです。
【作り方】
(1)保存容器にパスタを入れ、パスタがしっかり浸かるくらい水を多めに入れる。ふたをして冷蔵庫で一晩置く。
今回、小野さんが教えてくれた驚きのプロのワザは「パスタのつけおき」。その方法はとっても簡単。保存容器にパスタを入れて、パスタ全部がしっかり浸かるくらい水を入れます。水の量の目安は、パスタ+1cmくらいでOK。保存容器にふたをして、冷蔵庫で一晩置くと……乾麺が水分を吸って、なんと生麺のようになるんです!
「麺が水分を含み、生の状態に戻るので、ゆで時間を驚くほど短縮できます。今回使用する1.7mmのパスタなら通常約8分かかるゆで時間が、約30秒に。冷蔵庫で約3日保存できるので、前日に準備しておけば、調理時間をグンと時短できますよ」
実はこの方法は、東北出身の小野さんが、東日本大震災の被災地を訪れた時に現地で教えてもらったそうです。
「200人分のパスタを作ることになり、パスタはゆで時間がかかるので大変だと思っていたら、水に浸けたパスタを使っていたんです。水を吸って生麺のように軟らかい状態になったパスタが、湯に入れるとキュッと締まる。一瞬でゆであがるので、まるで立ち食いそば並みのスピードに驚きました。温かい食べ物を待っている人たちに、これならすぐにパスタを食べてもらえる。東北で教えてもらった生きる知恵なんです」
小野さんは現在、大忙しのランチタイムで、まさにこのテクを使っています。そのおかげで、お待たせしないで、すぐ熱々のおいしいパスタを提供することができ、お客様にも喜ばれているんですよ。
(2)ベーコンは短冊切りにする。
(3)熱したフライパンにバターを入れ、ベーコンを炒める。
この時、ベーコンに火が通るのを待っている間に、卵黄のソースの準備を始めましょう。
(4)ボウルに卵黄、にんにくを入れ、塩、こしょうを振り、半量の粉チーズを加える。
卵黄は加熱するとすぐに固まってしまいます。そのため、パスタを絡めた後に全体にムラなく味付けをするのは至難の技。そこで、卵液の時点でしっかり下味をつけておくのがポイントです!
先に、にんにく、塩、こしょう、粉チーズを卵黄に加えて、味付けしておきましょう。
(5)パスタを30秒ゆでる。
パスタは一晩水に浸けて生麺のような状態になっているので、ゆで時間はたった30秒でOK! パスタとは思えない、驚異のスピードですね!
(6)フライパンにゆで汁70ccを入れる。水少量を加えて冷まし、火を止める。
炒めたベーコンにゆで汁を加えます。熱いと卵黄が固まりやすいので、さらに水を少量足して温度を下げておきます。このひと手間がポイントですよ。
(7)卵黄を混ぜ、さらにベーコンを入れて混ぜる。パスタを加えてよく混ぜ、残りの粉チーズの半量を加える。盛り付けて、残りの粉チーズとこしょうを振ったら完成!
卵黄にベーコンとパスタを加えたら、ここからがスピード勝負。熱が入ると卵黄が固まりやすいので、一気に手早く混ぜ合わせてください。残りの粉チーズの半量を加えて味を整え、器に盛り付けます。そこへ残りの粉チーズ全部を加え、こしょうを振ったら完成です。
実際に小野さんが調理する様子をストップウォッチで計測したところ、ほぼジャスト3分! 惚れ惚れするスピードに、スタッフ一同、思わず拍手を贈ってしまったほど。小野さんのように手際よくいかなくても、私たちでも普段よりかなり時短で作れそうです。
いざ試食してみると、つけおきパスタは普通にゆでたものと全然変わらないおいしさ! 今回は手早く作るために材料の数も減らしているので、牛乳や生クリームは使用せず、卵黄がソースの要になっています。そのおかげで、まるで卵かけごはんのような卵本来のピュアな味が楽しめますよ。
疲れて何もしたくない時、これならササッと作ることができるので、忙しい女性にとって心強い味方。卵の味をしっかり味わえて、いつものカルボナーラとまたひと味違ったおいしさに出合えます。つけおきパスタは、冷蔵庫にストックしておくと、とっても便利。ぜひ、試してみてくださいね!
【取材協力】
小野宗隆・・・洋食屋『Bistro Coco 路地裏』のオーナーシェフ。イタリア料理、フランス料理を中心に料理長としてのキャリアを積み上げ、店舗立ち上げやメニュー開発などを多数経験。ソムリエの資格も持つ。
取材・文/岸綾香