子育て世代の「暮らしのくふう」を支えるWEBメディア

【作り置き】イタリアンのプロが教える「感動ミネストローネ」翌日はアレンジしてパスタに

東京都千駄ヶ谷にある隠れ家的イタリア料理店『Bistro Coco 路地裏』のオーナーシェフ・小野宗隆さんに、おうちで楽しむイタリア料理を教えてもらう連載企画【プロが教えるおうちイタリアン】。

17回目は、スープの定番「ミネストローネ」の作り方を教えてもらいました。大きめの鍋1杯分で、トマト缶をちょうど1缶使い切れる分量。多めに作り置きして、いろいろな食べ方を楽しんでみませんか?

たっぷり作って、翌日はパスタやリゾットに!

null

スープの定番であるミネストローネ。みなさん一度は作ったことがあるのではないでしょうか? でも、野菜を細かく切るのが大変な割に、自分で作るとなんだか味が薄くてもの足りなかったり、頑張ったわりにはイマイチだなぁと思うことも……。おいしく仕上げるプロの技、ぜひ知りたいですね。

「そもそもミネストローネは、“余った野菜を煮込む料理”。イタリアのマンマたちにとっては、家庭的な定番料理です。ポイントはいろいろな野菜を同じくらいの大きさに切り揃えて煮込むこと。

使う野菜に決まりはないので、何でも入れてOKです。その際に、玉ねぎ、にんじん、キャベツの3つを入れると、野菜の甘味が加わり、いいだしが出てスープのおいしさを底上げしてくれます。その際、玉ねぎとにんじんは先にしっかり炒めること。炒めると甘味と旨味が引き立って、グッと深みの増したスープになりますよ。

冬ならお好みで、れんこん、大根、ごぼうなどの根菜類を入れてもいいですね。スープにすると野菜をたっぷり食べられるので、旬の野菜のおいしさをぜひ味わってみてください」(以下「」内、小野さん)。

【材料】(4人分)

にんじん・・・1/2本

玉ねぎ・・・1個

ソーセージ・・・4本

キャベツ・・・1/6個

じゃがいも・・・1個

オリーブオイル・・・大さじ2、適量

塩・・・小さじ1、ふたつまみ

にんにく(すりおろし)・・・小さじ1

トマト缶(ダイスカット)・・・1缶(400g)

水・・・1L

ローリエ・・・1枚

コンソメ(顆粒)・・・大さじ2

粉チーズ・・・適量

イタリアンパセリ・・・適量

【作り方】

(1)材料を同じ大きさに揃えて切る

まずは材料を5cm角くらいの同じ大きさに揃えて切ります。このとき、先に炒める野菜から切って、そのまま鍋に入れていきましょう。

にんじん、玉ねぎは6〜8mmの角切りに、ソーセージは輪切りにします。にんじんは皮付きのままでOKです。この3つはすぐに炒めるので、直接鍋に入れておきます。

次に、後から煮る材料を切ります。キャベツは硬い芯は切り落とし、やわらかい芯のみ細かく刻みます。葉は重ねて、にんじんや玉ねぎと同じくらいの角切りにします。じゃがいもは皮をむいて、同様に角切りに。じゃがいもは先に入れてしまうとでんぷんが溶け出てしまうので、必ず後から入れてくださいね。

(2)玉ねぎ、にんじん、ソーセージを炒める

材料の入った鍋にオリーブオイルを入れ、強火で炒めます。玉ねぎを炒めるときは塩を少量振ると早くしんなりして、旨味を引き出せます。ジュージューと音がしてきたら、中火にしてください。

「玉ねぎが透き通ってしんなりするまで炒め、甘い香りがしてきたら炒め終わりのサイン。玉ねぎやにんじんは炒めてから煮た方が、野菜の旨味がしっかり引き立つんですよ」

(3)トマト缶と残りの材料を入れる

甘い香りがしてきたら、おろしにんにくを入れて軽く炒めます。トマト缶、水を入れ、キャベツ、じゃがいも、ローリエ、コンソメを入れましょう。

(4)ふたをして弱火で10分煮る

沸騰したら弱火にし、ふたをして10分ほどコトコト煮ます。途中でアクが出てきたら、取り除いてください。アクを取るとクリアでおいしいスープになりますよ。

10分煮たら味見をして、塩、こしょうで味を調えます。今回は塩をふたつまみ、こしょうを少量加えました。

(5)できあがり!

器に盛り付けたら完成です。仕上げに粉チーズ、刻んだイタリアンパセリ、オリーブオイルを回しかけていただきましょう。

食べてみると、野菜の旨味や甘味がスープにしっかり溶け込み、奥深く濃厚な味わい。スープの中にいくつもの野菜の旨味が折り重なって、ぎゅっと濃縮されています。はじめに炒めた玉ねぎやにんじんがおいしさの秘密。コクと甘味がアップして濃厚なスープに仕上がっています。

「今回は作り置きできるよう、あえて多めに作っています。トマト缶1缶に対して、水は1L。野菜も使いやすい分量にしています。2〜3日に分けて食べられるので、翌日はパスタを入れたり、ごはんを入れてリゾットにしたり、味変をすれば最後まで飽きずに食べきれますよ。

作り置きするときは、粗熱が取れたら鍋ごと冷蔵庫へ。保存容器に入れて、冷蔵庫で保存してもOKです」

実際に分量通り作ってみたら、お鍋にたっぷりできあがりました。最初に野菜をひたすら刻んだら、あとは炒めて煮るだけなのでとっても簡単。煮込む時間も10分と、思ったより短めなのに味は濃厚でビックリ! 普段作るミネストローネよりも、野菜の濃い旨味を感じました。翌日はごはんを投入し、卵を落としてリゾットに。粉チーズをたっぷりかけて食べたら最高でした〜!

今回教えてもらった基本の作り方を守れば、あとは余った好みの野菜を入れてもOK。スープにすると、まとめて複数の野菜を一度にたくさん摂ることができるのも嬉しいですね。

ぜひ、寒い季節にたっぷり作ってみてください!

【取材協力】

小野宗隆

軽井沢高原野菜、提携農家の産直有機野菜、無農薬野菜などを中心に使用する洋食店『Bistro Coco 路地裏』のオーナーシェフ。イタリア料理、フランス料理を中心に料理長としてのキャリアを積み上げ、店舗立ち上げやメニュー開発などを多数経験。ソムリエの資格も持つ。kufuraの動画『プロが教える本格パスタレシピ』も人気。

 

取材・文/岸綾香

pin はてなブックマーク facebook Twitter LINE
大特集・連載
大特集・連載