フライパンで蒸せば、塩控えめ。豆の旨味をギュッと凝縮!
null「夏の枝豆は、枝付きのものを買うのがおすすめ」と沼津さん。今の時期は、枝付きの立派な枝豆がスーパーにもよく並んでいますよね。
「枝に付いている方が新鮮で、鮮度が落ちにくく、さらに房がぷっくりしたものを選ぶと、より一層おいしいですよ。
私は枝豆は、お鍋ではなくフライパンで蒸し上げます。その方が水っぽくならず、ほどよい食感が残って、お豆がプリプリに仕上がります。塩の分量も小さじ1と、お鍋でゆでるよりもグンと少なくて済むんです」(以下「」内、沼津さん)
鍋に湯を沸かしてゆでると、暑いキッチンで時間もかかるうえ、塩も多めに湯に加えなければなりません。フライパンで作れるなら手軽でうれしいですね。その方法、ぜひ知りたいです!
【材料】(作りやすい分量)
枝豆・・・200g
塩・・・小さじ1
水・・・100ml
【作り方】
(1)手でちぎって、枝から房を外す。
「枝から房を外す時は、手でブチッとちぎってしまってOKです。ハサミで両端を切る方法もありますが、旨味が外に逃げてしまい、水分が中に入ってしまいます。房の中で豆をじっくり蒸し焼きにしたいので、私はあえて切らずに手でちぎっています」
(2)ボウルに枝豆を入れ、豆と豆をこすり合わせるようにしてよく洗い、表面の産毛を取る。
「水の中で豆と豆をこすり合わせて、表面の産毛を取ります。産毛を取っておくと、口に入れた時になめらかに仕上がるので、ここでしっかりこすり洗いをしてくださいね」
こすり洗いをすると、ボウルの水面に産毛が浮いているのが分かります。さらに、きれいな水に換えて、もう一度よく洗いましょう。
(3)水気を切った枝豆をボウルに入れる。塩を振って、全体によくまぶす。
いつものちょこっと漬けの塩加減と同じく、野菜200gに対して、塩は小さじ1。この分量を覚えておくと便利です。今回も小さじ1の塩で蒸し上げます。
(4)フライパンに枝豆を入れる。枝豆に塩をまぶしたボウルに100mlの水を入れて軽くすすぎ、ボウルに付いた塩ごとフライパンに入れる。
ボウルに残っている塩も分量内なので、水を加える時に、分量内の水ですすいで残らず入れましょう。
(5)枝豆を広げ、強火にかける。そのまま水が沸騰するまで待つ。
「大量の湯を沸かす手間がなく、フライパンだからお手軽! 蒸し焼きにするので栄養を逃さず、旨味が凝縮されて、房の中でふっくらと濃厚な味に仕上がります」
(6)沸騰したら、ふたをして、強めの中火にする。そのまま4分〜4分半待つ。
「ゆでる時と違って、蒸し焼きにすると水に塩が流れ出ないので、小さじ1の少ない塩だけでしっかり味を付けることができます。色も鮮やかなグリーンになって、とってもきれい!」
(7)ふたを外し、水分が飛ぶまで強火で炒める。水分がきれいに飛んだら、火を止める。
「水分が残っていたら、強火にかけて乾煎りするような感じでしっかり炒めます。枝豆の周りに塩をまぶすイメージです」
(8)すぐにザルにあげ、ザルを上下に振って、空気にさらす。
ここで沼津さんがおいしく仕上げるコツを伝授。ザルを上下に振り始めました。
「そのまま置くと粗熱で豆にどんどん熱が入ってしまいますが、すぐ空気に触れさせることで、余熱が入るのを防ぐことができます。こうすれば、水にさらさなくて済むので、水っぽくなりません。色も鮮やかに仕上がりますよ」
(9)できあがり!
蒸し上がった枝豆を早速ひとつ食べてみると、口の中でプチン!と元気に弾ける感じ! 豆が軟らかすぎず、ほどよいプリッとした食感が残っていながら、噛むとホクホクして、濃厚な豆の旨味が口いっぱいに広がります。うん、これはおいしい!
ゆでるとグシャッと水っぽくなりがちですが、蒸すとしっかりハリがあって、豆の味がいつもより濃く感じます。気になる塩加減ですが、房の周りに塩がうっすらとコーティングされているので、房から豆を口で外す時に、ダイレクトに塩味を舌にしっかり感じるので、かなり満足感がありました。
いつも枝豆を自分でゆでると、湯を沸かすのが面倒なのと、ちょっと水っぽくなるのが悩みでしたが、これなら失敗なく簡単にフライパンでおいしく作れること間違いなし! もうこれからは、この方法を我が家の定番にしようと思います。
これからビールのおいしい季節を迎えるので、ぜひ夫のおつまみに、いつもとひと味違った枝豆で驚かせてみてはいかがでしょうか?
次回は、この方法で蒸した枝豆をさらにおいしく漬け込んで、旨味をアップさせる方法をご紹介します!
【取材協力】
沼津りえ
料理研究家、管理栄養士、調理師。料理教室『cook会』主宰。バラエティー豊かなレッスン内容が好評で、東京・阿佐ヶ谷を中心に数多くの料理教室を開催。毎年、梅漬けの教室はリピーターが多く大人気に。手軽でシンプルなアイディア溢れるレシピに定評があり、雑誌などのメディアでも活躍。著書に『いろんな味で少しだけつくる ちょこっとだけ漬けもの』(学研プラス刊)、『低糖質だからおいしい!「おやつ&スイーツ」』(K&M企画室)、『食品保存大全』(主婦の友社)など多数。
取材・文/岸綾香