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旨味と辛味の無限ループ!新感覚「ピーマンの食べるラー油」がおいしすぎて、ごはんが止まらない!【ちょこっと漬け♯34】

料理研究家・沼津りえさんが提案する少量の野菜を手軽に漬ける「ちょこっと漬け」。今、スーパーの野菜売り場は、色とりどりの夏野菜が並んでとっても鮮やか。そこで、旬を迎えて元気な夏野菜をおいしく漬ける方法を教えてもらいました。

まずは、夏といったら外せない王道の夏野菜「ピーマン」をご紹介。今回は沼津さんの大発明と言っても過言ではない!?「ピーマンの食べるラー油」を作ってみましょう。

一度食べたらヤミツキ必至! ごはん、冷奴、炒め物…etc. 何にでも合う「万能調味料」として大活躍!

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今回教えてもらった夏野菜のちょこっと漬けのなかでも、特に沼津さんイチオシがこちらの「ピーマンの食べるラー油」。

「夏のピーマンは肉厚でふっくら。1年の中でも特においしいピーマンを、にんにくやしょうが、香辛料をたっぷり利かせて、クタクタになるまで炒めて作ります。通常はピーマンではなく、長ねぎで作るのですが、夏バージョンにアレンジしてピーマンで作ってみたら……もうおいしすぎて大変! これはすごい料理を発明してしまったかも(笑)」(以下「」内、沼津さん)

ピーマンで作る「食べるラー油」って一体? とっても気になります! 早速、作り方を見ていきましょう。

【材料】(作りやすい分量)

ピーマン・・・2〜3個(約100g)

にんにく・・・2片(約20g)

しょうが・・・1片(約10g)

サラダ油・・・50ml

ごま油・・・50ml

韓国産唐辛子(粉末)・・・大さじ2

フライドオニオン・・・大さじ3

しょうゆ・・・小さじ2

コチュジャン・・・小さじ2

砂糖・・・小さじ1

【用意するもの】

保存容器・・・1個

冷蔵で3週間ほど保存できるので、清潔な保存容器に入れて、少しずつ食べるのがおすすめです。

【作り方】

(1)ピーマンは立てて、真ん中の線の5mmくらい右側を切って種を取る。

「この方法だと、ピーマンの種が片方だけにキレイに残るので、種を簡単に取り除けますよ」

(2)ピーマンは千切りにしてから、粗めのみじん切りにする。

「夏のピーマンは肉厚でふっくらしていて、生で食べてもおいしい。食感を楽しみたい人は大きめに切ってもOKです」

(3)しょうがは薄く切ってから、みじん切りにする。

「しょうがは辛味が立つので、できるだけ細かいみじん切りにしてください。にんにくはカリカリになってフライドガーリックのようになりますが、しょうがは旨味を引き出す役目なので、なるべく細かく切りましょう」

(4)にんにくは皮をむいて芯を取り、粗めのみじん切りにする。

「にんにくは、しょうがよりも大きめでOK。食べるラー油にはよくフライドガーリックが入っていますが、そのイメージです」

(5)フライパンにしょうがとにんにくを入れ、ごま油とサラダ油を入れる。

「ごま油だけだとちょっと香りが強すぎる。サラダ油だけだと少し物足りない。なので、2種類の油を半分ずつ入れることで、バランスよく仕上がります」

(6)弱火にかけ、ゆっくりとしょうがとにんにくの香りを油に移していく。

「弱火でじっくり熱するのがポイント。焦らずゆっくりと油に香りと旨味を移し、コクのあるベースを作っていきます」

(7)油がふつふつして、にんにくが色づいてきたら、ピーマンを入れる。

「充分に香りを移した油でピーマンを熱します。ピーマンがくたっとすると甘味が増して、食べるラー油にすごく合うんです」

(8)油が再び沸騰して、全体がふつふつしてきたら、韓国産唐辛子を入れる。

「唐辛子は好みで調整を。辛いのが苦手な人は控えめに、辛いのが好きな人はたっぷりどうぞ。もし、韓国産唐辛子がない人は、粉末の一味唐辛子を使ってもOKですが、その際、一味唐辛子の方が辛味が強いので、分量は控えめにしてくださいね」

(9)かき混ぜて、油に唐辛子の辛味成分を移していく。

「1分ほど様子を見ながら、油に唐辛子の旨味をしっかり移してください。だんだんラー油っぽくなってきました」

(10)一度火を止めて、フライドオニオン、しょうゆ、コチュジャン、砂糖を入れる。

「跳ねると危ないので、一度火を止めて、落ち着いて調味料を加えましょう」

(11)全体がなじんだら火をつけて、弱火にかける。全体がふつふつしてきたら、火を止めて完成。

(12)粗熱が取れたら、清潔な保存容器に入れる。

(13)冷蔵室で1日置いてなじませたら、できあがり!

1日置くと旨味と辛味がなじんでおいしくなります。冷蔵で約3週間保存可能なので、夏の常備菜にもぴったり。

ピーマンの鮮やかな緑色とラー油の赤色が鮮烈で、見るだけで食欲をそそるビジュアル。沼津さんが熱々のごはんを用意してくれたので、早速たっぷりのせて頬張ると……旨味と辛味の無限ループで、これは危険すぎるおいしさ!

にんにくとしょうががしっかり利いた油に、甘味のあるコチュジャンや砂糖を加えているので、深いコクがあって、辛すぎないのも後引くポイント。そして、何といってもピーマンが陰ながらいい仕事をしています。普通の食べるラー油にはない、ほのかなピーマンの苦味が新鮮で、野菜の旨味をしっかり感じることができるんです。

私は辛党なので食べるラー油には目がないのですが、ただ辛味が強いと飽きてしまうし、ほどよいコクがないと深みがなくて物足りないのですが、これは辛味と旨味のバランスが絶妙。白いごはんがどんどん進んでしまい、本当に危険……!

「熱々のごはんはもちろん、冷奴や焼いた厚揚げにのせてもよし。豚肉やひき肉と一緒に炒めれば、ごはんが進むおかずにもなります。ゆでた中華麺やそうめんと和えたり、炒飯の具にしても◎。クリームチーズと和えてパパッとおつまみにも。とにかく何にでも合うので、すっかり我が家の定番になりました。ぜひ、いろいろな組み合わせを試してみてくださいね。夏にスタミナが足りない時に、緑黄色野菜を食べると元気になりますよ!」

辛味を自分で調節できるので、子どもも一緒に食べる場合は控えめにして様子を見ると良さそうです。韓国産唐辛子は辛味が穏やかで、家に余っている一味唐辛子を使う場合は、同じ分量でも辛くなってしまうので注意してください(粉末の韓国産唐辛子は大型のスーパーや外国の調味料なども扱う成城石井などで手軽に買えます)。

「食べるラー油」の新境地……撮影後、あの味が忘れられず、翌日すぐに作ってみたところ、おいしいのはもちろん、ごはん作りに便利なことにも感動! マンネリ気味の冷奴にのせるとパンチの利いたおつまみになるし、野菜やお肉と一緒に炒めればそれだけで味が決まるので時短に一役。夕食のおかずはもちろん、忙しい朝のお弁当作りにも大活躍してくれました。

これから暑い夏に向けて、食欲のない時にもぴったりなうえ、料理の手間をラクにしてくれる夏の常備菜として、便利なこと間違いなし。沼津さん&編集部イチオシなので、ぜひ試してみてくださいね!

次回は「ピーマンのガーリックしょうゆ漬け」を紹介します。

 

【取材協力】

沼津りえ

料理研究家、管理栄養士、調理師。料理教室『cook会』主宰。バラエティー豊かなレッスン内容が好評で、東京・阿佐ヶ谷を中心に数多くの料理教室を開催。毎年、梅漬けの教室はリピーターが多く大人気に。手軽でシンプルなアイディア溢れるレシピに定評があり、雑誌などのメディアでも活躍。著書に『いろんな味で少しだけつくる ちょこっとだけ漬けもの』(学研プラス刊)、『低糖質だからおいしい!「おやつ&スイーツ」』(K&M企画室)、『食品保存大全』(主婦の友社)など多数。

 

取材・文/岸綾香

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