みそと砂糖で漬けたら、上品な大人の箸休めに。
null「夏のみょうがは、ぷっくりとして特においしい。薬味に使うだけじゃもったいない! みそ漬けにしてお料理の幅を広げましょう」と、沼津さん。
独特のさわやかな香りがたまらないみょうがは、薬味に使うと、加えるだけで一気に風味が変わる優れもの。実はみそと砂糖で漬けると、これまたおいしい作りおきになるんです。
【材料】(作りやすい分量)
みょうが・・・5個(約100g)
砂糖・・・大さじ1
みそ・・・大さじ2
【用意するもの】
保存容器・・・1個
【作り方】
(1)みょうがを半分に切り、さらに5mm幅の薄切りにする。
「切り方に決まりはないので、輪切りや斜め切りなど好みの切り方でOKです。夏のみょうがは香りがいいので、ぜひこの時期に作ってみてくださいね」(以下「」内、沼津さん)。
(2)保存容器にみょうがを入れ、砂糖とみそを入れる。
「みそと砂糖の割合は2:1が目安。この分量を覚えておくと、みそ漬けが簡単にできますよ。
今回は上白糖を使っていますが、砂糖はきび砂糖や三温糖など好みのものを使ってOK。砂糖をはちみつに変えてもおいしいです。その場合も、分量は変わりませんのでご安心を」
(3)混ぜ合わせて、全体をなじませる。
「よく全体を混ぜ合わせたら、みょうがの水分が出てくるまで、冷蔵室で休ませましょう」
(4)冷蔵室で1時間以上置いたら、できあがり!
1時間置くとみょうがから水分が出て、全体がしんなりしていい感じに。すぐ食べると浅漬けでシャキシャキしていますが、1日おくとさらに味が染みてしんなりしてきます。保存期間は冷蔵で4〜5日が目安です。
早速味見をしてみると……みょうがとみそって相性抜群! 砂糖が溶け込んだ甘いみそを、みょうががキリッと引き締めて、絶妙なバランス。みょうがのさわやかな風味が広がり、これはちょっと上品な大人の漬け物です。夏は冷酒のあてにして、ちびちび飲んだらきっと最高。冷奴はもちろん、炊き立てのごはんにのせてもおいしそう!
私はみょうがが大好きでいつも冷蔵庫に常備しているのですが、薬味に使うばっかり。これならみそと砂糖で漬けるだけなので簡単なうえ、いろいろな料理にも応用できそうです。
「酢みそ和え」と「即席冷や汁」にパパッとアレンジ!
nullさらに、おいしいアレンジ法を思いついたという沼津さん。
「みそと砂糖を混ぜてあるので、ここにお酢を入れたら、簡単に酢みそができる!と閃きました(笑)。みょうがの利いた、ちょっと大人の酢みそが速攻で作れちゃいますよ」
◆夏にさっぱりいただく「ゆでだこの酢みそ和え」
(1)みょうがのみそ漬け大さじ1に対して、酢小さじ1/2を加える。
「みょうがのみそ漬けに酢を加えるだけで、簡単に酢みそが作れます。これはとっても便利!」
(2)ゆでだこを入れて和える。
「えびやいか、ゆでたお肉を和えてもさっぱりしておいしいですね」
(3)できあがり!
甘いみそに酢が加わって、一気に夏の装いに。スッキリした酸味にみょうががさわやかに香る、夏にぴったりの副菜があっという間に完成しました。
◆冷えた麺を絡めて味わう「冷や汁そうめん」
さらに、夏のお助け食材「そうめん」にのせるだけという、超簡単アレンジレシピがこちら。サッと作れるので、めんつゆに飽きたらぜひ試してみてください。
(1)ゆでたそうめんを器に盛り、水と氷を入れ、みょうがのみそ漬けを適量のせる。漬け汁も一緒に加える。
(2)千切りにした青じそを添えて、できあがり!
そうめんに混ぜながら食べると、なんと冷や汁風に! みょうがのシャキシャキした食感がアクセントになって、みそが麺によく絡み、甘じょっぱくておいし〜! とっても手軽にできるので、いつものそうめんを味変するのにおすすめです。
ぷっくり太った立派なみょうがが出回る季節。薬味に使った残りは、ぜひちょこっと漬けにして楽しむのはいかがでしょうか?
次回は、旬真っ盛りの「オクラ」をご紹介します。
【取材協力】
沼津りえ
料理研究家、管理栄養士、調理師。料理教室『cook会』主宰。バラエティー豊かなレッスン内容が好評で、東京・阿佐ヶ谷を中心に数多くの料理教室を開催。毎年、梅漬けの教室はリピーターが多く大人気に。手軽でシンプルなアイディア溢れるレシピに定評があり、雑誌などのメディアでも活躍。著書に『いろんな味で少しだけつくる ちょこっとだけ漬けもの』(学研プラス刊)、『低糖質だからおいしい!「おやつ&スイーツ」』(K&M企画室)、『食品保存大全』(主婦の友社)など多数。
取材・文/岸綾香