その1:旨味がジュワッと溢れ出す「枝豆のおかかポン酢」
null前回は、枝豆をフライパンでおいしく蒸す方法を沼津さんに教えてもらいました。鍋で湯を沸かさなくていいので手軽にできるうえ、蒸気でじっくり蒸された枝豆は味も濃くて格別。
枝豆をフライパンでおいしく蒸す方法はこちら!
→枝豆の味が濃くてホクホク!「枝豆」はフライパンで蒸すのが正解だった!【ちょこっと漬け♯36】
「このおいしく蒸し上げた枝豆を、かつお節やにんにくなど旨味の強い食材と一緒に漬け込んで、さらにおいしくパワーアップさせましょう!」(以下「」内、沼津さん)
【材料】(作りやすい分量)
枝豆(蒸したもの)・・・200g
かつお節・・・1袋(2〜3g)
ポン酢しょうゆ・・・大さじ2
【用意するもの】
ポリ袋・・・1枚
ちなみに、沼津さんのおすすめのポリ袋は、業務用スーパーで購入できる『ポリエチレン袋10号』(0.025×180×270mm)。「適度な厚みがあって、使いやすい大きさ」と、沼津さんのイチオシです。
【作り方】
(1)蒸した枝豆(ゆでたものでもOK)を温かいうちにポリ袋に入れる。
「完全に冷める少し手前で漬けると、味の染み込みがよくなって、枝豆に旨味がしっかり入ります」
(2)かつお節とポン酢しょうゆを入れる。
「ちょっと高級なポン酢しょうゆで作ると、よりおいしくなりますよ」
(3)全体がなじむように手でもみ、空気を抜いてポリ袋の口を結ぶ。
(4)冷蔵室で30分以上置いたら、できあがり!
こちらは、冷蔵保存で3〜4日を目安に食べ切ってください。
ひと房食べてみると、口で房から豆を出した瞬間に旨味がジュワッ! 前回、蒸し方の時に紹介しましたが、枝豆の産毛をしっかりきれいに処理しているので、産毛がないから口当たりもなめらか。
かつお節がポン酢しょうゆを吸い込んで、Wの旨味の相乗効果を感じます。その濃厚な旨味が皮にじっくり染み込んでいるので、ぜひ皮までしゃぶってもらいたい! 中の豆はふっくらしていながら、ハリがあってプリプリ。フライパンで蒸し上げているので水っぽくなく、この絶妙な食感もたまりませんね。
その2:無限に食べられる「枝豆のピリ辛ガーリックごま油」
null【材料】(作りやすい分量)
枝豆(蒸したもの)・・・200g
にんにく・・・1片
赤唐辛子・・・1本
ごま油・・・大さじ1
粗挽き黒こしょう・・・適量
【用意するもの】
保存容器・・・1個
【作り方】
(1) にんにくは皮をむいて、みじん切りにする。
「にんにくのみじん切りのコツは、縦横に切り込みをできるだけ細く入れること。これで、きれいな細かいみじん切りになります。にんにくの芽が気になる場合は、半分に割って取り除いてください」
(2)赤唐辛子は種を取り除き、ハサミで輪切りにする。
「辛さは好みで調節をしてくださいね。お子さんも食べる場合は、赤唐辛子は入れなくてOKです」
(3)フライパンにごま油とにんにくを入れ、弱火にかける。
(4)にんにくがふつふつしてきたら、赤唐辛子を入れる。
「赤唐辛子を先に入れると焦げやすいので注意して。ある程度、にんにくの香りがしてから入れるのがポイントです。箸でいじると油の温度が下がってしまうので、あまり触らないでおきましょう」
(5)にんにくが薄いきつね色になったら、一度火を止める。蒸した枝豆(ゆでたものでもOK)を入れ、再度弱火にかける。
「うっすらきつね色になったタイミングで枝豆を投入するのがベスト。これ以上、にんにくの色が濃くなると余熱で焦げてしまうので、ここで一度火を止めます」
落ちついて枝豆を入れてから、再度弱火にかけましょう。
(6)油と枝豆がよく絡むように混ぜて、粗挽き黒こしょうを振る。
「枝豆に塩味が充分付いているので、味付けは粗挽き黒こしょうだけでOKです」
(7)保存容器に入れ、冷蔵室で30分以上置く。
「完全に冷めるまで置いて、味をなじませてください。熱々でもいいのですが、漬け込むとにんにくの旨味と赤唐辛子の辛味が枝豆によくなじんで、よりおいしくなりますよ。フライパンに残ったオイルもかけて保存してください」
(8)できあがり!
保存期間は冷蔵で3〜4日が目安です。作りおきしておけば、すぐに晩酌できますね!
「通常はオリーブオイルを使いますが、今回はごま油にして、後引くおいしさを追及しました」と沼津さん。
にんにく×ごま油のヤミツキ必至のコラボレーションで、ひと房食べると……もう止まらない! ビールやハイボールはもちろんのこと、ワインにも合いそうです。にんにくがフライドガーリックのようにこんがりしているので香ばしく、赤唐辛子のピリ辛味もしっかり利いてクセになる味。これは男性は間違いなく好きなので、夫のおつまみにイチオシ。作りおきしておけば、晩酌のお供にサッと出せるのもいいですね。
いかがでしたか? 今年の夏は、フライパンで枝豆を蒸して、じっくり漬けて、新感覚のおいしさを楽しんでみてください。次回は、夏に大活躍する「みょうが」のちょこっと漬けをご紹介します!
【取材協力】
沼津りえ
料理研究家、管理栄養士、調理師。料理教室『cook会』主宰。バラエティー豊かなレッスン内容が好評で、東京・阿佐ヶ谷を中心に数多くの料理教室を開催。毎年、梅漬けの教室はリピーターが多く大人気に。手軽でシンプルなアイディア溢れるレシピに定評があり、雑誌などのメディアでも活躍。著書に『いろんな味で少しだけつくる ちょこっとだけ漬けもの』(学研プラス刊)、『低糖質だからおいしい!「おやつ&スイーツ」』(K&M企画室)、『食品保存大全』(主婦の友社)など多数。
取材・文/岸綾香