もんで漬けるだけで、複雑な旨味の相乗効果が楽しめる!
null今回、沼津さんが教えてくれたのは、発酵させずに漬け込むだけの超簡単な白菜キムチ。こちらは沼津家の定番キムチで、特に冬の間は食卓で家族から大人気だそう。
「難しい材料は使ってなくて、どれもスーパーで手軽に手に入る食材ばかり。白菜のおいしい時期に、すぐ簡単に作れますよ!」(以下「」内、沼津さん)。
【材料】(作りやすい分量)
白菜・・・200g
塩・・・小さじ1/2
干しえび・・・5g
韓国唐辛子(または一味唐辛子)・・・小さじ1
砂糖・・・小さじ1
しょうが(すりおろし)・・・小さじ1/2
にんにく(すりおろし)・・・小さじ1/2
かつお節・・・2つまみ
だし昆布・・・2cm
【用意するもの】
ポリ袋・・・1枚
ちなみに、沼津さんのおすすめのポリ袋は、業務用スーパーで購入できる『ポリエチレン袋13号』(0.025×230×380mm)。「適度な厚みがあって、使いやすい大きさ」と、沼津さんのイチオシです。
普段は12号を使用していますが、今回はいつもより量がやや多いので、少し大きめの13号を使います。
【作り方】
(1)白菜は根元を切り、5cm幅に切る。
(2)ポリ袋に入れて、塩を振る。
(3)しんなりするまで、しっかりもむ。
「ここで白菜がしんなりするまで、しっかりもんでおくことがポイント。ここでよくもんでおけば、味がよく染み込みます。逆にしっかりもんでおかないと、この後入れる調味料の味が白菜によく浸透していかないので注意して」
(4)干しえびは粗めのみじん切りにする。
「干しえびは水で戻さなくても、漬けている間に戻るので大丈夫。その代わり、味が出やすいように粗く刻んでおきましょう」
(5)干しえび、韓国唐辛子、砂糖、しょうが、にんにく、かつお節を入れる。
「韓国唐辛子はなければ、一味唐辛子でも代用可能。しょうがとにんにくはチューブタイプのものを使ってもOKですよ」
(6)だし昆布をハサミで細切りにして入れる。
だし昆布は1mm幅くらい、ハサミで細く刻みながらポリ袋に入れていきます。
(7)全体が混ざるように、よくもむ。空気を抜いて、ポリ袋の口を結ぶ。
全体がしっかり混ざるようによくもみます。味が馴染むように、空気を抜いてしっかり密封しましょう。
(8)冷蔵庫で30分以上おいたら、できあがり!
30分以上経てば食べられますが、漬けたては浅漬けの状態。時間が経つほど味が馴染み、しんなりした白菜キムチになります。保存期間は、冷蔵で1週間を目安に食べ切ってくださいね。
ポリ袋に材料を入れてもむだけという浅漬け感覚ですが、食べてみると本格的なキムチ風でおいしい! 普通のキムチよりも白菜の食感がしっかり残っていて、野菜を食べている感じがあります。干しえび、だし昆布、かつお節、しょうが、にんにくの旨味が複雑に絡みあって、旨味が利いていい味わいに。辛味はありますが、結構あっさりしているので、辛党の人はお好みで唐辛子を足してもいいかもしれません。
「うちの家族は夫も娘たちもみんなこのキムチが大好きなんです。2〜3日経つと、味が馴染んでしんなりして、また違った食感を楽しめます。ちょっとしたおつまみにも、ごはんのおともにもなるので、常備しておくと助かります。豚肉と一緒に炒めて、豚キムチにしてもおいしいですよ!」
食べ方がマンネリしがちな白菜ですが、余ったらただ塩漬けにするのではなく、自分で即席キムチを作るのはいいアイディア。手作りのキムチは安心して食べられるし、ちょっと辛味がある漬物があると食卓が豊かになりますよね。ぜひ、白菜のおいしい季節に試してみてください。
次回は、ゆでて食べるだけじゃない!「カリフラワー」のおいしい漬け方をご紹介します。
【取材協力】
沼津りえ
料理研究家、管理栄養士、調理師。料理教室『cook会』主宰。バラエティー豊かなレッスン内容が好評で、東京・阿佐ヶ谷を中心に数多くの料理教室を開催。毎年、梅漬けの教室はリピーターが多く大人気に。手軽でシンプルなアイディア溢れるレシピに定評があり、雑誌などのメディアでも活躍。著書に『いろんな味で少しだけつくる ちょこっとだけ漬けもの』(学研プラス刊)、『低糖質だからおいしい!「おやつ&スイーツ」』(K&M企画室)など多数。
取材・文/岸綾香