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「鑑みる」って読めますか?意味と正しい使い方は…

【仕事も人間関係も円滑にする大和言葉#3】

“鑑みる”(かんがみる)と、“考える”(かんがえる)“省みる”“顧みる”(かえりみる)を混同して使っている方が見受けられます。今回は、“鑑みる”の正しい使い方や誤った使用例などをご紹介します。

お話をうかがったのは『品良く美しく伝わる「大和言葉」たしなみ帖』(永岡書店)などの著書を持つ国語講師の吉田裕子さんです。“鑑みる”の意味や使い方、よくある間違い例についてお話をうかがいました。

「鑑みる」の意味とは?

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“鑑みる”(かんがみる)は、“鏡”が動詞に転じた言葉だと言われています。現代の日本語においては、先例や手本に照らして考えると言う意味で使われています。

「鑑みる」はどんな時に使うといい?

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ビジネスシーンでは、“鑑みる”という言葉を用いることで、前例・規則・状況にもとづいて多方面からじっくりと深く考えていることを示すことができます。中止や延期など言いにくいことを発表する際に、十分に検討した誠実さを感じさせます。
また、「前例に鑑みて」などと使う際、前例や規則にそのまま従うことを前提として言っている場合もあります。

「鑑みる」の例文は?

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続いて、“鑑みる”を使った例文をいくつかご紹介します。

【例文1】プロジェクトのミーティングにて

・前例に鑑みると、今回のプロジェクトはやや改善の余地があるように思います。

【例文2】会議にて

・現在、当社の業績は好調ではありますが、不安定な世界経済に鑑みると、決して楽観視することはできません。

【例文3】同僚同士の会話で

・新しく配属されたA部長はまだ部内の事情をよくわかっていない。問題の件については過去の事例に鑑みるべきだと思う。

「鑑みる」のよくあるNG使用例や注意点は?

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前述したように、“鑑みる”は“○○に照らし合わせてじっくりと考える”という意味があります。意味が似ているので、“考える”と同様の使い方をしている方がよく見受けられます。

“考える”の場合、「前例を考えると」というように、格助詞“”を使います。

一方で“鑑みる”の場合は、「前例に鑑みると」。格助詞は“”なので、注意が必要です。

【「鑑みる」NG使用例】

・先例を鑑みると、今期の売り上げ減少は一時的なものだと思われます。

→この場合、“先例に鑑みる”が正解

「鑑みる」を言い換えると?

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“鑑みる”の言い換え表現は、以下のようなものがあげられます。

・踏まえて

・~に基づいて考える

・熟考する

・慎重に検討する

 

今回は、“鑑みる”の使用例やNG使用例ご紹介しました。

“鑑みる”はきちんと考えたことをアピールする言葉です。使いこなすことができるようになれば、前例やルールが重視される職場で役立つ場面が訪れると思います。


 

【取材協力・監修】

吉田裕子

国語講師。塾やカルチャースクールなどで教える。NHK Eテレ「ニューベンゼミ」に国語の専門家として出演するなど、日本語・言葉遣いに関わる仕事多数。著著『大人の語彙力が使える順できちんと身につく本』(かんき出版)は10万部を突破。他に『正しい日本語の使い方』『大人の文章術』(枻出版社)、『英語にできない日本の美しい言葉』(青春出版社)など。東京大学教養学部卒。

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