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「お体をご自愛」「各位殿」…みんなが間違って使っていたビジネス敬語・用語ランキング!正しい使い方できてますか?

場に適した言葉を選び、尊敬語で相手を高め、謙譲語でへりくだる。日本のビジネス語は本当にややこしく、日本人でも使いこなすまでにある程度の訓練と経験が必要です。

皆さんは、ある時点まで間違って使っていた言い回しの1つや2つ、ありませんか?

今回『kufura』編集部は586人の男女にアンケートを実施。あらたまったシーンで使っていたけれども、実は間違って使っていたビジネス敬語や言い回しについて質問し、集計しました。

特に多かった10の間違いをご紹介します!

10位:「各位」に「殿」をつけてしまった(4人)

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「各位だけで通じるのに“各位殿”とやってしまった」(66歳・営業・販売/男性)

「メールの宛先に“各位殿”と書いていたが、各位だけで敬語的な表現になることを最近知った」(57歳・技術職/男性)

“各位”は一語で“皆さまがた”の意。“殿”や“様”の敬称は不要です。

9位:語尾の「~になります」が口癖に(5人)

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「“~になります”とつい言ってしまう」(29歳・その他/女性)

「“コーヒーになります”は誤用」(48歳・デザイン関係/男性)

例えば「こちらが見積書になります」という言い回しには、語尾を柔らかくしたい、かしこまった印象を与えたいといった話し手の意図があると思われます。しかし、日本語の“~になる”は本来「別の状態が現れる」「一定の役割を果たす」「物事がそのように決まる」などの意。

語尾に「~になります」を多用すると違和感を覚える人もいるので、場面に応じて「~でございます」などに置き換えるといいかもしれません。

8位:「~させていただく」を多用(6人)

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「させていただきますは、よく使ってしまう」(48歳・営業・販売/女性)

「させていただきますという言い方」(26歳・金融関係/女性)

“させていただく”は、本来、相手から許可をもらって何かをさせてもらうこと。しかし、近年は、本来の意味を超え、あらゆる場面で多用されています。

許可を取る相手が漠然としている場合には、丁寧な言葉を使っているという建前と自己防衛のため……といった分析もあります。近年すでに“させていただく”が幅広く使われているので、こうした使い方もある程度許容され始めていることは否めません。

7位:「すいません」と「すみません」の使い分け(7人)

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「“すみません”を“すいません”とよく言ってしまう」(40歳・総務・人事・事務/女性)

口語でよく使われている「すいません」は「すみません」が言いやすいよう音便化した(音が変化した)ものだといわれています。少し軽い印象になるため、かしこまった場面や書き言葉では「申し訳ありません」といった言い方をしたほうがいいでしょう。

6位:二重敬語(8人)

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「“おっしゃられる通り”は正しくは“おっしゃる通り”。“ご覧になられる”も“ご覧になる”がいい。二重敬語を避ける」(74歳・その他/男性)

「“おっしゃられて”ではなく、“おっしゃる”が正解」(67歳・その他/女性)

「おっしゃられたと二重敬語を使ってしまった事があります」(52歳・主婦/女性)

二重敬語とは、1つの動詞に対して、尊敬語、もしくは謙譲語を2つ重ねたもの。一部例外もありますが、1つの動詞を敬語化する場合、同じ種類の敬語を2つ以上使わないのが基本です。

“おっしゃる”“召し上がる”は一語で尊敬語となりますので、“~られる”は不要です。

【NG例/OK例】

・「ご覧になられる」×/「ご覧になる」○
・「召し上がられる」×/「召し上がる」○
・「おっしゃられる」×/「おっしゃる」○
・「おいでになられる」×/「おいでになる」○

5位:謙遜のつもりが尊大に…「役不足」「力不足」の勘違い(9人)

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「趣味仲間のリーダーに選ばれて“役不足”とあいさつしたが、失礼だったことがわかった」(59歳・主婦/女性)

「役不足。若い頃に、仕事の依頼をされた上司に謙遜を交えて使ったときに“もっと高度な仕事が良いの?(笑)”と言われた。そのとき、初めて役不足の本当の意味を知りました」(52歳・その他/女性)

役不足は「本人の力量に対して役目が軽すぎること」。力不足は「与えられた役目を果たす力量が不足していること」。「私では役不足ですけど、がんばります」と言ったときには「仕事の内容が簡単すぎる」と解釈される可能性もありますので注意が必要です。

4位:「お体をご自愛」(10人)

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「“ご自愛”に“体”の意味が含まれているのは知りませんでした。けっこう『お体にご自愛ください』と書いてきた覚えがあります」(58歳・総務・人事・事務/男性)

「“ご自愛”に体の意味が含まれていることを知らなかった」(65歳・会社経営・役員/女性)

“ご自愛”は、“自分自身の体を大切にする”という意味で、最初から目的語が含まれている単語です。そのため、「お体をご自愛ください」という使い方だと重複になってしまいます。

3位:謙譲語と尊敬語の勘違い (11人)

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「“ご覧になってください”というべきところで、“拝見なさってください”とずっと使ってきたので、間違いに気がついたときにはとても恥ずかしい思いをした」(54歳・研究・開発/男性)

「“存じ上げる”と“ご存知です”をごっちゃにして覚えてしまい、自分を主語にして“ご存知です”を使っていた。友人から指摘されて間違いを知った。こうしてあらためて書くのも顔から火が出そうです」(54歳・その他/女性)

敬語の使い方で特に苦労する人が多いのが、元の動詞と形を変えて変化する尊敬語・謙譲語の使い方です。よく使う動詞ほど不規則に変化するので使い分けが難しいですよね。

2位:かしこまった場面で「了解です」と言ってしまった(17人)

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「目上の人に“了解です”とあまり使わない方がいいと指摘されるまで、全く違和感なく使用していた」(35歳・その他/男性)

「“了解しました”はフランクな言い回しで、改まった場面では“承知しました”と言うべきこと」(40歳・主婦/女性)

社内の同僚や友人、気心の知れた取引先との間で「了解です」という言葉は広く使われていますよね。“了解”の意味は“理解すること”。かしこまった場面や目上の相手に向けたメールの中では謙譲語の“承る”を含む「承知しました・承知致しました」を、話し言葉では「かしこまりました」などの表現が適している場面があります。

1位:上司に「ご苦労さまです」(40人)

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「目上の方には“ご苦労さま”は失礼にあたるので、“お疲れ様”が正しいと、前の職場の年上の同僚に教わった」(29歳・学生・アルバイト/女性)

「職場で上司に“ご苦労さま”と言ったことです。上司が部下に言う言葉で、上司に対しては“お疲れさま”と言うべきだと教えられました」(75歳・ その他/男性)

相手をねぎらう際「ご苦労さまです」という表現は広く使われています。しかし“ご苦労”は、上位の人が下位の人をねぎらっていう言葉だとされています。社内では上下関係に関わらず使える「お疲れさまです」が定番化している職場は多いかもしれませんね。

余談ですが、筆者はビジネス媒体の仕事で「疲れていないんだから社内で“お疲れさま”は禁止。“ご苦労さま”が基本」という事例を耳にしたことがあります。日本語って本当に難しいですね……。

以上、勘違いしていたビジネス敬語についてお届けしました。

ビジネス敬語は、円滑なコミュニケーションのための1つのツール。
自分の間違いに気付いたら修正し、他人の間違いには目をつむり、円満な人間関係を保ちながら今取り組んでいるビジネスを進捗させたいものです。

北川和子
北川和子

自治体HP、プレスリリース、コラム、広告制作などWEBを中心に幅広いジャンルで執筆中。『kufura』では夫婦・親子のアンケート記事やビジネスマナーの取材記事を担当している。3児の母で、子ども乗せ自転車の累計走行距離は約2万キロ。地域の末端から家族と社会について日々考察を重ねている。

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