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「了解しました」「承知しました」「かしこまりました」の正しい使い分けは?【今さら聞けない大人の敬語講座vol.1】

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キャリアを重ねても、敬語を完ぺきに使いこなすのは難しいですよね。もしかしたら、新入社員の頃に間違って覚えたまま使い続けている敬語表現があるかもしれません。

今回は、『大人の語彙力 使い分け辞典』(永岡書店)などの著書を持つ国語講師の吉田裕子さんに、間違いやすい敬語表現や、知っておくと必ず役立つステップアップ敬語についてお話をうかがいました。

15秒でおさらい!「尊敬語」「謙譲語」「丁寧語」について

まず最初に、学生時代の国語の授業で習った“3つの敬語”について、簡単におさらいしましょう。

尊敬語・・・主語(話の相手や、第三者)を高めることで敬意を示す。

謙譲語・・・主語(自分や自分の所属する組織)を低める、もしくは、目的語を高めることで聞き手への敬意を示す。

丁寧語・・・話の相手に対して丁寧に述べる言葉。「です」「ます」など。

となります。以上を踏まえて、間違いやすい敬語の表現をチェックしていきましょう。

「了解しました」は目上の人にも使える?例文は?

しばしば、「自分より目上の人に対して“了解しました”と言うのは失礼だ」と指摘する記事が見受けられます。しかし、“了解しました”は、“わかる”という意味にあたる“了解”に丁寧語をつけているので、失礼だと断言することはできません。

社内の先輩や気心の知れた取引先の相手であれば、“了解しました”でも許されるのではないでしょうか。

目上の相手であれば、“了解しました”に付け足し型の謙譲語“致しました”をつけることで、相手に敬意を示すことができます。

【「了解」使用例】

部長:A社に持っていくプレゼンの資料を用意してくれる?

社員:了解致しました

他にも、「この件、社長のご了解を頂いています」のように、“ご”を付けた尊敬語の名詞として用いることもあります。

「承知しました」は上司や社外の人に使える?例文は?

“承る”は、“聞く”“わかる”の謙譲語で、“承”の字が含まれた“承知”には、へり下るニュアンスが生じます。

「了解しました」より、「承知しました」の方が、一段階丁寧な印象を与えるので、目上の相手や、社外の相手に対しても使うことができます。「承知致しました」とすると、さらに丁寧な印象になります。ビジネスシーンでは、メールやFAXなどの書き言葉でよく用いられます。

【「承知」使用例】

A社社員からのメール:明日の打ち合わせには、部長のAも同席予定です。

B社社員からのメール:承知しました。よろしくお願いします。

「かしこまりました」はいつ使う?例文は?

「かしこまる」は、目上の人の言葉を受けるときに使う、謙譲語です。柔らかい言葉で口頭でも伝わりやすいので、話し言葉でよく使われます。

【「かしこまりました」使用例】

グループ長:出張先のホテルを調べてくれる?

社員:かしこまりました。

【ステップアップ編】「とんでもありません」「とんでもございません」は間違いってホント!?

話し相手からほめられたり、お礼をされたときに「とんでもありません」「とんでもございません」と謙遜する言い方がありますよね。“とんでもない”は、“と(途)でもない”が転じたもので、“途方もない”“思いもかけない”といった意味や、“そんなことはない”と相手のことばを否定する意味があります。

“とんでもある”という言葉がないように、“とんでもありません”“とんでもございません”という言葉もありません。

もし、文法的に正しい言い方をするのであれば、「とんでもないことでございます」が正解です。

ただし、「とんでもありません」という言い方は現代日本語でかなり使われているので、違和感のない方も多いと思われます。

【例文】

A社購買部長:Cさんが担当になってから、業務がスムーズになったよ。営業職の鑑だね。

B社営業担当:とんでもないことでございます。

 

今回は、国語講師の吉田裕子さんに間違えやすい敬語表現について解説して頂きました。後輩にビジネスマナーの指導をする立場の方も多くいらっしゃると思いますので、さりげなく毎日の会話に取り入れてみてはいかがでしょうか。


 

【取材協力・監修】

吉田裕子

国語講師。塾やカルチャースクールなどで教える。NHK Eテレ「ニューベンゼミ」に国語の専門家として出演するなど、日本語・言葉遣いに関わる仕事多数。著著『大人の語彙力が使える順できちんと身につく本』(かんき出版)は10万部を突破。他に『正しい日本語の使い方』『大人の文章術』(枻出版社)、『英語にできない日本の美しい言葉』(青春出版社)など。東京大学教養学部卒。

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