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みかんの長持ち保存方法…選び方のコツから冷凍保存の仕方まで

果肉のみずみずしさと甘酸っぱさがクセになる「みかん」。寒い冬にこたつで食べるみかんは格別な美味しさですよね。この時期、安くて美味しいみかんをまとめ買いすることも多いと思いますが、しばらくするとカビたり、水分が抜けて実が乾燥してしまうということはありませんか?

そこで今回も、食品保存のスペシャリストである料理研究家の島本美由紀さんに、長持ちさせるための「正しい保存方法」をレクチャーしてもらいます。


こんにちは、島本美由紀です。連載第14回目のテーマは「みかん」。安さにつられてまとめ買いしたものの、数日後には一部が青白くカビてしまっていたなんてことも多いみかん。正しい保存方法をきちんと押さえておけば、最後の最後までフレッシュなみかんの美味しさを味わうことができますよ。

美味しいみかんの選び方

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上手に保存するために、まずは新鮮で美味しいみかんの選び方を押さえておくことが大切です。

・小さく平べったい形のものがおすすめ

みかん 選び方

みかんは色が濃く、皮のきめが細かいもののほうが味がいいです。また、大きなものよりも、小さく横に平べったい形をしているもののほうが美味しいといわれています。

・ヘタの部分も要チェック

ヘタが小さく緑色で、軸が細いものを選ぶようにしましょう。ヘタの部分が黄色っぽくなっていたり、ヘタが取れてしまっているものは、収穫から時間が経っている証拠。実の水分が抜けて乾燥していることもあるので、避けるようにしましょう。

みかんの常温保存の仕方

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みかんは常温で保存できます。常温保存の場合は、通気性がよく、温度が低い場所で保存するようにしてください。

・メッシュカゴに移して保存

みかんは購入した際のビニール袋やネットなどから出し、新聞紙を敷いたプラスチック製のメッシュカゴなどに入れて保存します。その際、皮の硬いヘタ部分を下にして入れると傷みにくく、より長持ちします。風通しのよい、低温の場所で保存しましょう。

・段ボール箱での保存に注意

みかん 常温保存 段ボール

箱買いした場合は、そのまま段ボール箱に入れて保存することになりますが、カビや乾燥に注意が必要です。たまに、箱の中のみかんの上下を入れ替えてみかんの状態をチェック。傷んでいるものがあれば、すぐに取り出します。残りが少なくなってきたら、メッシュカゴに移して保存するといいでしょう。

みかんの冷蔵保存の仕方

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みかんを箱買いやまとめ買いしたものの、すぐに食べきれないというときは冷蔵保存がおすすめです。

・ヘタを下にした状態で保存

みかんは乾燥を防ぐために、冷蔵保存の場合は必ずポリ袋に入れて保存をします。ヘタを下にして置くと傷みにくくなるので、ポリ袋に入れたみかんは、必ずヘタを下にした状態で野菜室に入れて保存してください。

みかんの冷凍保存の仕方

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みかんは、常温、冷蔵保存のほかに、冷凍保存で長持ちさせることも可能です。

<みかんの冷凍保存方法>

(1)みかんを金属トレイに並べて、冷凍庫に入れて凍らせる。

(2)凍ったみかんを取り出し、一つずつ水にくぐらせてから再度金属トレイに並べ、もう一度冷凍する。このように水にくぐらせて再凍結させることにより、みかんの皮のまわりに氷の膜ができるため、乾燥を防ぐことができます。

(3)しっかり凍ったら、冷凍用保存袋にまとめて入れて冷凍する。

・凍ったままでも美味しくいただける

みかん 冷凍保存 方法

食べるときは、自然解凍してから食べてもいいですが、凍ったまま食べても「冷凍みかん」として美味しくいただけます。食後のデザートとしてもおすすめです。

みかんの保存期間の目安

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みかんは、今までご紹介した方法で保存をすることにより、以下のように長持ちさせることができます。

・常温保存の場合

通気性のよい、低温の場所で保存をすれば、大体2週間ほど保存が可能です。

・冷蔵保存の場合

ヘタを下にしてポリ袋に入れて保存をすると、3週間ほど長持ちします。

・冷凍保存の場合

水にくぐらせて再凍結すると、氷の膜がみかんの乾燥を防いでくれるので、2~4カ月は保存することが可能です。凍ったままでも、自然解凍してからでも美味しくいただけます。

ラクワザ!キッチンがピカピカになるみかんの皮の活用術

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みかん 皮 活用術

みかんを食べ終わったら、残った皮はそのままごみ箱行きだと思いますが、実はみかんの皮には、油汚れに強いリモネンが含まれているため、ちょっと手を加えるだけで便利なキッチン洗剤に変身するんです。ぜひ、皆さんも洗剤を作ってお掃除に活用してみてください。

・キッチン洗剤の作り方

鍋にみかんの皮2~3個分とかぶるくらいの水を入れて、そのまま15分ほど火にかけます。冷めたら皮を取り出し、残りの液体をスプレーボトルに入れるだけで洗剤が完成です。コンロ周りなど、キッチンの汚れが気になる部分に吹きかけてササっとふき取るだけで、簡単に汚れが落とせます。

冷蔵庫に入れて保管し、1週間を目安に使い切るようにします。防腐剤や保存料などが入っていないので、手が荒れる心配も少なく安心です。

いかがでしたか? みかんの新鮮さと美味しさをキープするためには、常温保存以外に冷蔵、冷凍保存もおすすめです。常温保存の保存期間の目安である2週間以内に食べきれない場合は、冷蔵庫や冷凍庫で保存をすると、時間が経っても買ったときと同じく新鮮で美味しいみかんを食べることができます。

冷凍保存は、途中でひと手間加える必要がありますが、その分みかんのフレッシュな美味しさが長続きするので、ぜひ皆さんも試してみてくださいね。

【参考】

島本美由紀(2015)『もっと野菜を!生のままベジ冷凍』(小学館)

島本美由紀(2015)『ひと目でわかる!食品保存事典』(講談社)

 

構成・文/土田奈々子

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