意外な効能あり!たけのこの栄養を解説
たけのこに含まれる主な栄養素(100gあたり)
- エネルギー:27kcal
- 炭水化物:4.3g
- 食物繊維:2.8g
- カリウム:520mg
ダイエット中でも安心?たけのこの糖質と食物繊維
ダイエット中に気になる糖質。たけのこは低糖質なので、糖質が気になる方でも安心して食べられます。たけのこに含まれる食物繊維のおかげで噛みごたえがあるため、早食い・食べ過ぎを防ぐのに効果的です。また食物繊維は、体内で余分な脂質や塩分を絡め、体外に排出する働きをします。
むくみ解消に役立つカリウムが豊富
たけのこに含まれる栄養素で注目したいのがカリウムです。カリウムは体内の水分バランスを調整する働きがあります。そのためカリウムを十分に摂ることで、むくみの解消が期待できるのです。一方カリウムは水に溶けやすい性質があるため、生のたけのこに比べると、水煮はカリウムが少なくなっています。
たけのこの白い粉の正体「チロシン」の効能は?
茹でたたけのこに付いている白い粉はチロシンといって、アミノ酸の一種です。チロシンは食べ物から吸収した栄養素をエネルギーに変えるエネルギー代謝に関わる、人にとって重要な栄養素のひとつです。もちろん食べても害はありません。
水煮・生のたけのこの下処理方法
水煮のたけのこはさっと洗うか茹でる
水煮のたけのこを使うときはそのまま料理しても問題ありません。「酸っぱい匂いがする」「白い粉がついたままだと煮汁がにごる」などが気になるときは、調理前に水洗いをするか、切ってさっと茹でてから使うといいでしょう。
意外と簡単! 生のたけのこの茹で方
生のたけのこはアク抜きをするため、調理の前に茹でる必要があります。
- 皮をむかずに先端を大きく斜めに切り落とし、縦に2cm程度の深さの切り込みを入れます。
- ひとつかみのぬかと一緒に鍋に入れ、たけのこがかぶるくらいの水を注いだら強火にかけます。
- 沸騰したら弱火にして40分〜1時間くらい、根元に串が通るまで茹でます。茹で終わったら茹で汁につけたまま冷まします。
- 完全に冷めたら水洗いをして、ぬかや余分な皮を取り除きます。
米ぬかがなくても大丈夫!重曹を使った茹で方
米ぬかが手に入りにくいときは重曹を使ってもアク抜きができます。適度な大きさに切ったたけのこを重曹と一緒に、たけのこがかぶるくらいのお湯に入れて、弱火で30〜40分茹でます。
重曹の目安量は、水1リットルに対して小さじ1程度。重曹を入れすぎると匂いが残ったり、たけのこが柔らかくなりすぎたりするので気をつけましょう。
たけのこは生でも食べられる?
掘りたての新鮮なたけのこは生でも食べることができ、産地では刺身などで楽しまれています。しかしたけのこは収穫後、時間が経つに従ってえぐみが増えます。八百屋やスーパーで購入するたけのこは収穫してから時間が経っていることが多いため、茹でてから食べたほうがいいでしょう。
たけのこを上手に保存する方法
たけのこの水煮は冷蔵保存が基本
アク抜きしたたけのこをすぐには使わないときや、1回で使いきれなかったときは冷蔵保存ができます。
保存容器にたけのこが完全にひたるように水を入れ、フタをして冷蔵庫で保存してください。1日1回水を替えながら、水にひたしておけば1週間程度は保存ができます。
たけのこの冷凍保存はひと手間くわえて
たけのこをそのまま冷凍するとスジっぽくなってしまいがちです。
冷凍したいときは、アク抜き済みのたけのこを用途にあわせて切り、出汁や水に浸けた状態で冷凍します。使うときはたけのこだけを使ってもいいですし、出汁を一緒に使ってもいいでしょう。
たけのこは体にうれしい栄養素をたくさん含む野菜です。水煮のたけのこは1年中楽しめますが、扱いもそれほど難しいものではありませんからぜひたけのこを自分で茹でることにもチャレンジしてみてください。
今日の献立にたけのこ料理を一品添えて、食卓で春を感じてみませんか?
撮影:田中 麻以(小学館)
【参考】
・文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」
・厚生労働省「e-ヘルスネット」カリウム
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/food/ye-005.html
・厚生労働省「e-ヘルスネット」食物繊維
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/food/ye-016.html
・ニチレイ「ほほえみごはん」たけのこは冷凍保存できる! 失敗しない冷凍方法&アク抜き方法
https://www.nichireifoods.co.jp/media/8300/
・JAにいがた南蒲「季節を彩る地元の食材一覧」タケノコ
http://www.ja-niigatanankan.or.jp/taste/foodstuff/bamboo_shoot/
・『これは効く!食べて治す 最新栄養成分事典』中嶋洋子監修 主婦の友社
・『野菜のソムリエ「ベジフルキッチン」ー栄養と保存と調理の知恵』日本ベジタル&フルーツマイスター協会 幻冬社
(最終参照日:すべて2021/3/3)