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アク抜きの裏技も!たけのこの長持ち保存方法…選び方のコツから冷凍保存の仕方まで

春になると店頭に採れたての「たけのこ」がたくさん並ぶようになります。この時期にしか食べられない旬のたけのこは香りがとてもよく、たけのこご飯などにすると格別の美味しさですよね。皆さんは、この丸ごとのたけのこをご家庭でどのように保存していますか?

そこで今回も、食品保存のスペシャリストである料理研究家・食品保存アドバイザーの島本美由紀さんに、長持ちさせるための「正しい保存方法」をレクチャーしてもらいます。


こんにちは、島本美由紀です。連載37回目のテーマは「たけのこ」。今の季節しか手に入らない新鮮なたけのこは、柔らかく香りもよく、春の訪れを感じさせてくれる食材の一つです。たけのこは時間が経てば経つほど、アクが強くなってしまうので、購入後はそのまま放置せず、すぐに正しい方法で保存するようにしましょう。

美味しいたけのこの選び方

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たけのこは収穫から時間が経つにつれ、どんどんアクが強くなっていきます。美味しいたけのこの選び方をしっかり押さえて、まずは新鮮でアクの少ないたけのこを選ぶようにしてください。

・皮の色が薄いものはアクが少ない

たけのこ 選び方

たけのこは、細長いものよりも短くずんぐりと太く、ズシリと重いものを選びましょう。皮の色が薄く、皮の表面にツヤと湿り気のあるものがおすすめ。先端が黄色で、開いていないもののほうが新鮮です。

・根元のブツブツも要チェック

皮の色が濃く、先端部分が緑色になっていたり、開いたりしているものは、アクが濃いので避けましょう。根元のブツブツが多いものもアクが強いので、ブツブツが少ないもの、また赤くないものを選ぶようにするといいでしょう。

たけのこの冷蔵保存の仕方

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たけのこは鮮度が命。買った状態のままで保存するとどんどんアクが強くなってしまうので、すぐに茹でて保存するようにしましょう。

・茹でたあとは水に漬けて保存

たけのこ 冷蔵保存 水に漬ける

たけのこは外側の皮を2~3枚だけ外したら、先端はえぐみが強いので3~4㎝ほど斜めに切り落とし、縦半分に切り分けてから米ぬかといっしょに茹でます、茹で上がったら、ゆで汁に漬けたまま鍋ごと一晩置いて冷ましましょう。

翌日にたけのこの皮をすべてむいて流水で洗い、保存容器に水といっしょに入れて冷蔵室で保存します。水は毎日取り替えてください。

市販のたけのこの水煮やお店ですでに茹でた状態で売られていたものについても、同じように水といっしょに保存容器に入れて、毎日水を取り替えながら保存します。

たけのこの冷凍保存の仕方

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茹でたたけのこや市販のたけのこの水煮は、使いやすい大きさに切ってから冷凍保存することが可能です。

・好みの大きさにカットして冷凍

たけのこ 冷凍保存

たけのこを冷凍する際は、茹でた状態のものを薄切りや乱切りなど、自分の使いやすい大きさにカットします。キッチンペーパーで水けをふき取り、そのまま冷凍用保存袋に入れて冷凍しましょう。

・凍ったまま加熱調理

冷凍したたけのこはスが入るため食感が少し変わってしまいますが、凍ったまま煮物や炊き込みご飯、味噌汁などに加えれば、食感もそれほど気にならず美味しくいただくことができます。

たけのこ 凍ったまま加熱調理

たけのこの保存期間の目安

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たけのこは購入後すぐに茹でる必要がありますが、きちんと茹でてから冷蔵、もしくは冷凍すれば、きちんと長持ちさせることができます。

・冷蔵保存の場合の目安

毎日水を取り替えて保存すると、冷蔵室で約5~7日間保存することができます。市販の水煮なども同様です。

・冷凍保存の場合の目安

冷凍保存の場合は、大体1カ月間保存が可能です。

ラクワザ!米ぬかを使わずにたけのこのアクを抜く方法

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たけのこ あく抜き 方法

たけのこはアクが強いので、茹でる際に米ぬかを一緒に入れてアク抜きをするのが一般的ですが、米ぬかがすぐに手に入らない場合もありますよね。そんなときは、以下のものを代わりに使えば、しっかりアクが抜けてたけのこを美味しくいただくことができますよ。

・お米のとぎ汁でアク抜き

米ぬかが手に入らない場合は、代わりにお米のとぎ汁を入れてたけのこを茹で、アク抜きするようにしましょう。この際に使用するとぎ汁は、お米をとぐ際の最初の濃いとぎ汁です。無洗米を使用していてとぎ汁がない場合は、たけのこを茹でる際に無洗米を大さじ2~3加えても同様にアク抜きすることができます。なお、いっしょに赤唐辛子を入れて茹でると、殺菌効果が高まるため保存期間も長くなります。

いかがでしたか? 新鮮なたけのこを美味しくいただくためには、購入後そのままにせず、すぐに茹でてしまうのがポイントです。とりあえず茹でてしまえば、冷蔵でも冷凍でも保存できるので、旬の美味しさをそのままキープすることができます。茹でる際に米ぬかが手に入らない場合は、ラクワザでご紹介した方法でアク抜きをしてみてください。

【参考】

島本美由紀(2015)『もっと野菜を!生のままベジ冷凍』(小学館)

島本美由紀(2015)『ひと目でわかる!食品保存事典』(講談社)

構成・文/土田奈々子

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