にらには体にうれしい栄養素がたっぷり!
にらに含まれる主な栄養素(100gあたり)
- エネルギー:18kcal
- 食物繊維:2.7g
- カリウム:510mg
- β-カロテン:290μg
- ビタミンC:19mg
- ビタミンE:2.5mg
血液サラサラ効果が期待される硫化アリル
にらの特有の香りは玉ねぎや長ねぎなどにも含まれる成分である硫化アリルです。血栓を予防して血液をサラサラしたり、血流を良くして代謝を促したりする働きがあります。
また、にらが入った料理がスタミナ料理と呼ばれるのは、硫化アリルが糖質の代謝に関係するビタミンB1の吸収を高めてくれるため。これにより疲労回復の効果が期待できます。
硫化アリルは特に根元に多く含まれており、細胞を壊すことで活性化するので、みじん切りなど細かく切ると効率的に摂ることができます。
免疫機能をサポートするβ-カロテンが豊富
緑黄色野菜であるにらは、皮膚や粘膜の健康や免疫にもかかわる栄養素であるβ‐カロテンを含んでいます。β‐カロテンは体内でビタミンAに変換されて目の働きをサポートしますが、不足すると暗闇で物を認識するのが難しくなる「夜盲症」を引き起こします。
にらには、そのほかにもビタミンC、ビタミンEなど抗酸化や免疫機能に関係する栄養素が含まれています。美容や健康を意識する人にもおすすめの野菜です。
カリウム・食物繊維はダイエットの味方!
にらは1束(100g)あたり18kcalとエネルギーは低く、お腹の調子を整える食物繊維を2.7g含んでいる、ダイエット中の人にもおすすめの食材です。ダイエットで食事量が減って便秘になりやすいという方は食物繊維を意識して摂ってくださいね。
また、水分を調整する働きがあるカリウムを含んでいることからむくみ予防にも効果が期待できます。
にらの栄養を逃さない食べ方
栄養の効率がよい食べ合わせ
にらに含まれるβ‐カロテンは油に溶ける性質があるため、油で調理すると吸収率がアップします。
前述したように、にらに含まれている硫化アリルはビタミンB1の吸収率を上げるので、豚肉、レバー、豆類などビタミンB1を多く含む食材と調理するのがおすすめ。レバニラ炒め、豚ひき肉を使った餃子などは理にかなった食べ方といえますね。
加熱時間は短めに
長時間火にかけるとにら特有のシャキシャキした食感がなくなり、ビタミンCなどの熱に弱い栄養素が減ってしまうので、加熱時間は短めにしてください。調理の最後に加えてさっと火を通す程度にするのがおすすめです。
にらは生でも食べられます!
にらは餃子、汁物、炒め物など加熱した料理が定番ですが、生で食べることができます。熱に弱い葉酸やビタミンCなどの栄養素を損なわずに摂ることができるので、サラダ、ナムルなどにして生でも食べてみてください。鮮度が落ちると香りや風味が減少するので、生で食べる場合は特に購入した日などなるべく新鮮なうちに調理するのがよいでしょう。
消化が悪いって本当?
硫化アリルは胃液の分泌を促進するので、夏バテなど食欲が落ちたときにおすすめです。
一方、不溶性食物繊維を多く含み消化に時間がかかるため、胃腸が弱っているときにたくさん食べるのは避けてください。
消化しやすいようにみじん切りにしたり、やわらかく煮たりするなど工夫するのも良いでしょう。
日持ちしにくいにらを上手に保存するには?
野菜室で保存するときのポイント
葉物野菜であるにらは乾燥してすぐにしんなりしまいます。根元がテープなどで束ねられている場合は外し、キッチンペーパーで包んでビニール袋に入れます。こうすれば野菜室で3日程度保存が可能です。また、葉が折れてしまうとそこから傷むので注意してくださいね。
冷凍なら1カ月保存できる!
実はにらは冷凍保存がおすすめです。ざく切り、みじん切りなど用途に合わせて切り、保存袋に入れて平らにしてから冷凍します。やわらかい食感になるので、スープ、餃子、炒め物に活用してくださいね。冷凍したものは1カ月以内に使い切るようにしましょう。
撮影:田中 麻以(小学館)
【参考】
・文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」
・農林水産省「園芸特産作物に関する情報」今月の園芸特産作物:6月 にら
https://www.maff.go.jp/hokuriku/seisan/engei/tokusan201406.html
・JAグループ「とれたて大百科 」ニラ
https://life.ja-group.jp/food/shun/detail?id=19
・農林水産省「aff」09年7月号 特集2 食材まるかじり「さわやか香味野菜」(5)
https://www.maff.go.jp/j/pr/aff/0907/spe2_05.html
・厚生労働省「e-ヘルスネット」食物繊維の必要性と健康
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/food/e-05-001.html
・厚生労働省「e-ヘルスネット」食物繊維
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/food/ye-016.html
・厚生労働省「e-ヘルスネット」カリウム
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/food/ye-005.html
・「新・野菜の便利帳」板木利隆監修 高橋書店
・「その調理、9割の栄養捨ててます!」 東京慈恵医科大学附属病院栄養部監修 世界文化社
(最終参照日 すべて2020/02/16)