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体ポカポカ!しょうがの栄養情報&メニュー別切り方や上手な保存方法をご紹介【管理栄養士監修】

しょうがを食べると体がポカポカするのはよく知られていますが、それはなぜでしょう? しょうがに含まれる栄養の面から解説します。使いきれないときでも香りをキープして保存する方法や、「しょうがひとかけってどれくらい?」などの素朴な疑問にもお答え!管理栄養士の中村りえさんが解説する、野菜の基礎知識シリーズです。

しょうがに含まれる栄養素と効能

血行を促進させるショウガオール

スパイスや漢方薬として各国で親しまれているしょうが。日本でも薬味、風味付け、臭み消しと様々な料理に大活躍しています。

しょうがの辛み成分のひとつであるジンゲロールには、血管を拡張させて血行を良くする働きがあります。ジンゲロールは加熱するとショウガオールに変化し、体の熱を作り出す働きをします。ですから、冷えが気になる場合は加熱して使うほうが効果的。さらにショウガオールは抗酸化力が強く、ガン予防にも効果が期待できるといわれています。

消化を促すジンゲロン

しょうがの辛みや特有の香りはジンゲロンという成分からも生まれます。ジンゲロンには、胃液の分泌を促して消化を助ける働きがあります。夏バテなど食欲がわかないときは、しょうがを使った料理を取り入れるのもおすすめです。

また、ジンゲロンには抗菌作用もあるので、食中毒予防効果も期待できます。

カリウムや食物繊維、消化酵素にもうれしい効果が

しょうがはカリウムや食物繊維を含んでいます。カリウムは体内の過剰なナトリウムや水分の排出を促し、血圧の上昇を抑える働きがあるので、血圧が気になる方は意識して摂りたい栄養素です。食物繊維は便秘を予防する効果が期待できます。

しょうがは酵素を含んでいるので、下味として魚やお肉に使うと酵素がたんぱく質を分解するのでやわらかく仕上がります。

ですから、豚のしょうが焼きには焼いてからしょうがを加えるのではなく、下味として使うほうがしっとりと仕上がるのでおすすめです。

※ただし、チューブのしょうがは加熱処理されているため酵素が失活しています。酵素の力を活用したい場合は生のしょうがを使ってください。

香り長持ち!しょうがの保存方法

冷蔵庫で保存するときは水に入れて!

そのまま冷蔵庫に入れると1週間程度しかもちませんが、保存方法に気をつければ長く楽しめます。

長持ちさせるコツは、水に浸して乾燥を防ぐことです。瓶などの容器にしょうがを入れ、しょうがが浸かるくらいの水を注いで蓋を閉めてから冷蔵庫で保管します。使いかけのものやスライスしたしょうがでも保存することができます。2~3日ごとに水を替えて、1カ月以内に使い切るようにしてください。

まとめてすりおろし→冷凍保存もおすすめ

しょうがを買ってもなかなか使い切れない、毎回すりおろすのが面倒という方におすすめしたいのが冷凍保存。しょうがは丸ごと、カットしたもの、すりおろしたもの、いずれも冷凍することができます。

そのまま冷凍する場合は、使いやすい大きさにしてから密閉袋に入れて冷凍を。冷凍のままですりおろすことができます。自然解凍して使ってもOKです。

おすすめなのはすりおろしたしょうがの冷凍。まとめてすりおろして、密閉袋に入れて平らにしてから冷凍します。凍ったものはパキパキと折ることができるので少量ずつ使えて便利です。

意外と知らないしょうが調理のコツ

しょうがひとかけ/一片ってどのくらい?

しょうがひとかけはおおよそ親指の第一関節くらいの大きさとされています。食品成分表で記載されている一般的な量はひとかけが20gです。チューブのしょうがは大さじ1杯で約15gなので、すりおろしたしょうがひとかけは、大さじ1杯よりも少し多めになる計算です。

しょうがの皮はむく?むかない?

しょうが特有の血流を良くする成分は皮の近くに含まれているため、皮はむかずに使うのがおすすめです。きれいに洗えば皮ごと使うことができます。すりおろしたり、みじん切りにして使う場合は皮つきのままでもあまり気になりません。

千切りでは皮をむいたほうが見た目がきれいになるだけでなく、口当たりもよくなります。

しょうがの皮をむくときは包丁を使ってもいいですが、スプーンでこそげとるようにしても簡単に薄く皮を取り除くことができます。

しょうがの基本の切り方

煮込み料理には薄切り、薬味には千切り、炒め物にはみじん切りなどしょうがは切り方を変えていろんな楽しみ方ができますよ。しょうがの基本的な切り方をご紹介します。

薄切り

しょうがを1~3mm幅に切ります。

千切り

薄切りしたしょうがを少しずらして並べて端から1~3mm幅に切ったものが千切りです。

みじん切り

千切りにしたしょうがを揃えて並べ、端から1~3mm幅に切ったものがみじん切りです。
料理に合わせて切り方を使い分けてください。

・撮影/田中 麻以(小学館)

【参考】

・文部科学省「日本食品標準成分表2015年版(七訂)」
・吉田真美ほか.「ショウガ中の6-ジンゲロールの加熱調理による変化」日本調理科学会誌Vol.48,No.6.398~404(2015)
・「その調理、9割の栄養捨ててます!」東京慈恵会医科大学附属病院栄養部監修 世界文化社
・厚生労働省「e-ヘルスネット」食物繊維の必要性と健康
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/food/e-05-001.html
・厚生労働省「e-ヘルスネット」カリウム
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/food/ye-005.html
・農林水産省「消費者の部屋」野菜
https://www.maff.go.jp/j/heya/sodan/1811/01.html
・Iwasaki Y1.A nonpungent component of steamed ginger–[10]-shogaol–increases adrenaline secretion via the activation of TRPV1
・「からだにおいしい 野菜の便利帳」板木利隆監修 高橋書店
(最終参照日 すべて2020/12/15)

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