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チンゲン菜はビタミンとカルシウムたっぷり!栄養、保存、調理のコツまで徹底解説【管理栄養士監修】

中華料理で定番の青菜、チンゲン菜。茹でても炒めてもしゃきっとした歯触りが楽しめ、鮮やかな緑が料理に彩りを添えてくれます。チンゲン菜に多く含まれる栄養素、上手な保存方法や、おいしく食べるための下ごしらえの方法まで、管理栄養士の中村りえさんに徹底解説してもらいました!

鮮やかな緑は栄養の宝庫!チンゲン菜に含まれる栄養素

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β-カロテン、ビタミン、カルシウムに注目!

中華料理の定番食材でもあるチンゲン菜は、濃いグリーンでいかにも栄養満点な見た目。実際に、βカロテン、ビタミンC、葉酸、カルシウムなど様々な栄養を含んでいます。

βカロテンとビタミンCは抗酸化ビタミンとして活性酸素が過剰に生産されるのを防ぐ働きがあります。活性酸素は細胞伝達物質として働く大切な成分ですが、過剰に増えるとがんや生活習慣病、肌の老化を引き起こす原因となるので抗酸化作用のあるビタミンCやβ-カロテンはアンチエイジングに効果的と言われます。

また、チンゲン菜に含まれる葉酸は血を作る原料として使われます。ビタミンCと一緒に摂ることで吸収率がアップするので、ビタミンC、葉酸の両方を含むチンゲン菜は貧血予防にもよい食材です。

カルシウムは骨や歯の健康維持に欠かせない栄養素。成長期にももちろん必要ですが、大人になっても骨を丈夫に保つために、しっかりと摂取しましょう。

チンゲン菜の栄養をしっかり活かす食べ方のコツ

炒めても煮てもおいしいチンゲン菜。たくさんの栄養素が含まれていますが、調理方法によって吸収率がアップしたり、また栄養素が少なくなってしまう場合も。栄養素を活かせる調理方法をお伝えします。

チンゲン菜に含まれるβカロテンの吸収率は、油で調理することでアップするので、野菜炒めやオイルの入ったドレッシングをかけるなど、油と一緒に食べる方法がおすすめ。

 

チンゲン菜に含まれるビタミンCは熱に弱く、水に溶ける性質があるので、茹でる場合は茹で時間をできるだけ短時間にします。

茹で上がってからも水にさらさず、ザルで水気をしっかり切って粗熱を取るようにしてください。また、葉酸やビタミンCは水に溶ける性質があるので、汁ごと食べられるスープやみそ汁などに活用するのもおすすめです。

シナシナ回避!チンゲン菜の保存方法

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まずは美味しいチンゲン菜の選び方をチェック 

野菜の鮮度を確認する際の基本は切り口。切り口が乾いておらず、色の鮮やかなものを選びましょう。反対に変色しているものは収穫してから時間が経過しているため避けます。

おいしいチンゲン菜は、茎が肉厚でしっかりしていて、葉はみずみずしくきれいな緑色をしています。葉が黄色みを帯びているものは鮮度が落ちているので早めに使い切ります。

冷蔵庫で保存する際の注意点

チンゲン菜は葉物野菜なので、保存期間が長くなるとしなびて元気がなくなります。なるべく早めに食べられるほうがよいですが、保存状態によって日持ちも変わります。

買った状態のまま野菜室に入れると乾燥してしまいがち。湿らせたキッチンペーパーでチンゲン菜を包み、上からラップすると3日ほどきれいな状態で保存ができます。

基本的に、野菜は育った環境に近づけてあげるとより長持ちします。というわけで、チンゲン菜は立てて保存するのが正解!

しなびてしまった場合は、チンゲン菜の根本を冷水に浸しておくとシャキッとします。長時間さらすとビタミンCが流出してしまうので、できるだけ短い時間にしてくださいね。

チンゲン菜って冷凍できるの?

あまり日持ちしないチンゲン菜は冷凍保存を活用して上手に使い切りましょう。チンゲン菜は生の状態でも茹でた状態でも冷凍することができます。

生で冷凍するとシャキシャキした歯ごたえはなくなりますが、しんなりとしたやわらかい食感を楽しむことができます。よく洗ったチンゲン菜を使いやすい大きさにざく切りにして、水気をふき取ってから保存袋に入れて保存します。このときに平らにしておくとチンゲン菜どうしがくっつかず、必要な分だけ使えるので便利です。

茹でてから冷凍することもできます。その場合は、茹で上がったチンゲン菜の水気をしっかり絞ってから冷凍を。自然解凍するとしんなりするので、お浸しなどやわらかい食感を楽しみたい料理がおすすめです。シャキシャキした歯ごたえを楽しみたいときは冷凍のまま加熱調理に活用しましょう。

どちらの方法で冷凍した場合も1カ月ほど保存が可能です。

チンゲン菜をおいしく食べる切り方と加熱時間は?

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茎と根を分け、茎部分は用途に応じた切り方で

炒め物やスープなどに使う場合は葉と茎を切り分け、葉の部分は食べやすい大きさにザク切りします。茎の固い部分を切り落としたら、根元は縦半分に切ってから、2~3等分にします。

また、味なじみをよくしたい場合は葉を1枚ずつ剥がして茎をそぎ切りにすると切り口の表面積が広くなり、味が染み込みやすくなります。

どちらの切り方でも火が通りにくい茎から先に加熱し、あとから(20秒程度が目安)葉を加えると仕上がりが均一になります。

チンゲン菜の形を活かして使う場合は、縦に2~4等分に切って茹でて使ってくださいね。この場合は、葉の部分を手で持ったまま茎の部分を先に鍋に入れ、茎がしんなりしたら葉の部分も入れて一緒に茹でるようにします。

ベストな茹で時間は?レンジ調理もOK!

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チンゲン菜は茹でても和え物にしてもおいしいですよね! ただ、茹でると水に溶けるビタミンCやビタミンB群が流れ出てしまうので、茹でる場合は短時間にしましょう。

 

電子レンジで調理する場合は、食べやすい大きさに切って、ラップをしてから600w1分30秒から2分程度加熱してください。手軽で栄養の損失も少なくできる調理方法です。

撮影/田中 麻以(小学館)

 

【参考】

・文部科学省「日本食品標準成分表2015年版(七訂)」
・農林水産省「e-ヘルスネット」抗酸化物質
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/food/ye-009.html
・農林水産省「e-ヘルスネット」抗酸化ビタミン
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/food/ye-008.html
・JAグループ「とれたて大百科」チンゲン菜
https://life.ja-group.jp/food/shun/detail?id=20
「新・野菜の便利帳」板木利隆監修 高橋書店

(すべて最終参照日 2020/09/14)

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