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シャキシャキ感を残す冷凍方法は?「もやし」の意外な栄養成分や上手な保存方法まで徹底解説【管理栄養士監修】

もやしはカロリー控えめでダイエットをしている方にも人気の野菜。1年を通して安定のお手頃プライスなのもうれしい、節約野菜です。あまり栄養たっぷりのイメージはないかもしれませんが、実はビタミンCや食物繊維などの栄養素がしっかり含まれます。もやしを黒くせずに保存する方法や栄養素を逃さずに調理するコツなど、管理栄養士の中村りえさんが、もやしの基礎知識を解説します。

もやしって栄養あるの?の疑問に答えます!

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むくみがちな人にうれしいカリウム、食物繊維、ビタミンCなどが豊富

低カロリーかつお財布に優しいもやし。見た目からなんとなく栄養素が少なさそうと思われがちですが、カリウム、食物繊維、ビタミンC、葉酸などを含んでいます。

特筆すべきが豊富に含まれるカリウム。体内のナトリウムを排出することで、浸透圧を調整するため、高血圧を予防する作用が期待できます。

1日あたりの食塩相当量の摂取の目標量は男性 7.5g、女性 6.5gですが、日本人の平均摂取量は10.1gもあるのをご存じですか? 気をつけていないと塩分過剰になりやすいことがわかりますよね。

そんな塩分を調整してくれるのがカリウムです。過剰なナトリウムを体内から排出する作用があるので、日ごろから塩分過剰が気になる方は特に摂取してほしい栄養素です。

もやしは低カロリーだからダイエット中でも安心です

もやしは低カロリーでヘルシーな食材なので、ダイエット中の方でも安心して食べることができます。もやし1袋(200g)で28kcalとカロリーが低く、食物繊維も含んでいます。

ダイエット中、食事の量を制限すると便秘になりやすいという方も少なくないはず。ダイエット中は食事量を見直すだけでなく、食事の質や栄養素も大事になります。便秘になりやすい場合は、食物繊維が不足している可能性があります。食物繊維は便のカサを増やすだけでなく、腸内環境を整えて便秘になりにくい状態にする働きがあります。

また、食物繊維がダイエット中の方にとって重要になるのは、便秘予防の面からだけではありません。食物繊維は脂質の排出を促したり、糖の吸収をおだやかにして、糖が脂肪に変換されるのを抑える働きがあるのです。

コンビニなどで「糖の吸収をおだやかにする」というトクホマークのついた商品を見たことはありませんか? そういった商品に含まれるのは、魔法の成分ではなく主に食物繊維。少しお高いトクホマークの飲料や食品を買わなくても、もやしなどの食物繊維を含む野菜を1品足してみてはいかがでしょうか。

緑豆もやしと大豆もやしの違いは?

緑豆もやし 大豆もやし

スーパーなどで一般的なもやしは緑豆から作った緑豆もやし。

緑豆もやしはリーズナブルですが、歯応えのある大豆もやしもおいしいですよね。緑豆もやしと大豆もやしは栄養成分が少し異なります。

100gあたりを比較すると

カロリー:緑豆もやし14kcal 大豆もやし37kcal

食物繊維:緑豆もやし1.3g 大豆もやし2.3g

カリウム:緑豆もやし69㎎ 大豆もやし160㎎

ビタミンE:緑豆もやし0.1mg 大豆もやし0.5mg

このように大豆もやしは緑豆もやしよりも食物繊維、ビタミンC、カリウム、ビタミンEなどを多く含んでいます。ただし、カロリーは緑豆もやしのほうが低く、大豆もやしの1/2以下です。大豆もやしは食べ応えがあり緑豆もやしはあっさりした味わいなので、料理や目的に合わせて使い分けてくださいね。

シャキシャキおいしい!もやしを上手に調理するコツ

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茹でる?レンジ調理する?ベストな茹で時間は?

もやしは長時間茹でると水に溶けるビタミンであるビタミンCや葉酸が減少してしまいます。できるだけ茹で時間を短くするのが栄養の観点からはおすすめ。

また、もやしのひげ根はとらないで調理したほうが食物繊維を多く摂取できます。

茹でる場合は、沸騰したお湯に酢と塩を加えて、強火で1分ほど茹でてくださいね。

茹でた後は水にさらさず、ザルで冷まして。水にさらすと水っぽくなってしまうだけでなく、ビタミンCや葉酸などの水に溶ける水溶性ビタミンが流出してしまいます。

ビタミンCの損失が少ない調理方法としては、茹でるよりも電子レンジ加熱がおすすめ。電子レンジで加熱する場合はふんわりラップをして500Wで2分30秒、600Wでは2分が目安です。

もやしは生で食べられる?

もやしは加熱して食べるイメージが強いと思いますが、生でも食べられます! タイやベトナムでは生で食べるもやし料理もあります。

実はもやしは生でも洗わずに使用できるように衛生管理指針が策定されていますが、生で食べる場合はやはりきちんと洗いましょう。生で食べるともやしのシャキシャキとした食感を楽しむことができます。

黒ずみ、ニオイを防ぐ!もやしをおいしく保存する方法

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シャキシャキ食感を残す冷凍方法

傷みやすいもやしを長く楽しむなら冷凍がおすすめ。そのまま冷凍もできますが、解凍したときに水が出てしまい、もやしのシャキシャキとした食感がなくなってしまいます。下処理せずに冷凍したもやしを使うときは、やわらかくてもおいしく食べられるスープやお好み焼きに使ってくださいね。

もやしのシャキシャキした食感を楽しみたいのであれば、冷凍する前にひと工夫しましょう。熱湯で20秒ほど茹でてしっかり水気を切ってから冷凍するともやしの歯応えをキープして調理ができます。また、使いやすいように小分けに分けるといろんなレシピに使えます。

冷凍するときは保存袋に入れて平らにしてから。2週間ほど保存ができます。解凍は電子レンジか、さっと茹でても使えます。炒め物や汁物に使うときはそのまま鍋やフライパンに入れます。

もやしの変色を防ぐ保存方法

買ってきたもやしは野菜室と冷蔵庫どちらで保存していますか?

実はもやしは冷蔵庫のチルド室で保存するのが一番状態よく保存ができます。

生のもやしを変色させないで保存する方法として、水を注いだ容器にもやしを袋から出して入れておく方法があります。水は毎日取り替えるようにすると3日~5日ほど保存できます。ただし、もやしを水に浸けておくので、ビタミンCや葉酸が水に流れるので、栄養素は減ってしまいます。なるべく早めに使ってくださいね。長く楽しむなら、冷凍保存の方がおすすめです。

茹でたもやしは冷蔵庫に入れて、早めに食べきってください。茹でたもやしもすぐに食べきれない場合は、冷凍保存ができます。

 

撮影/田中麻以(小学館)

 

【参考】

文部科学省「日本食品標準成分表2015年版(七訂)追補2019年」
・厚生労働省「平成30年「国民健康・栄養調査」の結果」
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_08789.html
・厚生労働省 日本人の食事摂取基準(2020 年版)
https://www.mhlw.go.jp/content/10904750/000586553.pdf
・厚生労働省 「e-ヘルスネット」カリウム
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/food/ye-005.html
・厚生省 「e-ヘルスネット」ダイエット
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/metabolic/ym-090.html
・もやし生産者協会 「Q&A」
http://www.moyashi.or.jp/qa/
・「新・野菜の便利帳」板木利隆監修 高橋書店
・「その調理、9割の栄養捨ててます!」東京慈恵会医科大学附属病院 栄養部監修 世界文化社

(すべて最終参照日 2020/06/19

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