栄養たっぷりブロッコリーは、家族みんなで食べたい野菜!
nullブロッコリーはビタミンCの宝庫!どんな効果があるの?
ブロッコリーはビタミンC、β‐カロテン、ビタミンKなど様々なビタミンを含んでいます。特筆すべきはビタミンCの量。1日に必要なビタミンCは100mgですが、ブロッコリー100gに含まれる量は140mg! ブロッコリーが1個200gくらいの場合、1/2個程度食べれば1日分のビタミンCが摂取できる計算になります。
ビタミンCは肌の水分量に関係するコラーゲン生成に関わるほか、抗酸化ビタミンとして過剰な活性酸素を除去し、酸化から細胞を守る働きをしています。ビタミンCは美容に良いというイメージのある栄養素ですが、健康維持にも必要な栄養素なんです。
一方、ビタミンCは水に溶けやすく、熱に弱い特徴があります。ブロッコリーのビタミンCの損失を防止し効果的に摂るには、加熱時間を短くし、茹でるよりも電子レンジ調理や蒸し調理にしたほうがよいでしょう。
また、ブロッコリーに含まれるスルフォラファンは、がん予防に効果が期待できるという研究報告があります。おいしくて栄養もたっぷりの、優秀野菜なんです!
葉酸、食物繊維も豊富でダイエット中の方にもおすすめ
ダイエット中はカロリーを抑えたいところですが、痩せやすい体質作りのためにも必要な栄養素はしっかり摂りたいですよね。ブロッコリーはビタミンC以外にも貧血予防に摂りたい葉酸を豊富に含んでいます。
また、ブロッコリーは100gあたり40kcalとカロリーは高くありませんが、食物繊維は5.1gとたっぷり。食物繊維には、便秘予防のほか、血糖値の急上昇を抑えたり、血中コレステロール濃度を下げたりと様々な働きがあります。
ダイエット中、食べる量を制限すると便秘になりやすいという方も多いと思いますから、そんな便秘対策にもブロッコリーはおすすめです。食物繊維は日本人に不足しがちな栄養素なので、ダイエットをしている、いないに関わらず積極的に摂取していきましょう。
意外と知らない?ブロッコリーの調理と下処理の基本
nullつぼみの中の汚れを残さない!ブロッコリーの上手な洗い方
「ブロッコリーのつぼみの中にある汚れをとるのが難しい」とお困りの声をよく聞きます。ブロッコリーの上から水をかけて洗っても、残念ながら汚れは落ちにくいのです。この中に虫がいることもあるので、しっかり洗いたいですよね。
大きなボウルを用意して、ブロッコリーを水に浸してからブロッコリーの茎をもって、房を水に浸した状態で水の中で振ると汚れがきれいに落ちます。長時間水に浸すとビタミンCが流れ出てしまうので、水に浸す時間は短めにします。
少量を使う場合は、小房に分けたものをポリ袋に入れて洗えば簡単です。
「小房に分けて切る」ってどうやるの?
ブロッコリーのレシピにはよく「小房に分ける」という表現があります。ブロッコリーを上からカットするとつぼみがバラバラになってしまうので、裏側の茎の方から、細い茎の部分へ分けるようにカットするときれいに切ることができます。
1. まずブロッコリーの房と茎を切り分けます。茎も食べられるので捨てないで! 茎はかたい部分と皮を取り除きます。
2.小房に切り分けるときは、茎の部分から数cm切り込みを入れて、手で割くようにします。大きさを均一にすると茹で上がりまでの時間もそろい、見た目も食感もよくなります。
「茹でる・レンジ調理・蒸す」どれがいい?
nullブロッコリーを加熱するとき、鍋で茹でる、電子レンジで加熱、フライパンで蒸し煮などいろいろな調理方法があります。ブロッコリーは調理方法によっても食感や味わいが変わるので、お好みの調理方法を見つけてみてはいかがでしょうか。
(1)鍋で茹でる
たっぷりのお湯1リットルに小さじ1.5杯の塩を入れて、ブロッコリーを茹でます。茹で時間の目安は2~3分。小さめに切った場合は時間を短めにして茹でるなど調整してください。茹で上がったブロッコリーはザルにとって冷まします。水をさらすと水っぽくなるので避けて。
塩茹でしたブロッコリーはホクホクした食感です。塩を加えることできれいな緑色をキープできます。ただし、前述したようにビタミンCの損失は多めになる調理法です。
(2)電子レンジで調理する
電子レンジで調理する場合は、余熱で火が通りやすいので、少しかために仕上げるのがコツ。小房に分けたブロッコリーを耐熱容器に入れて大さじ1杯程度の水を回し入れ、ラップをして電子レンジで600Wで3分加熱します。大きさ、かたさの好みによって加熱時間は調整してください。
(3)フライパンで蒸し煮
小房に分けたブロッコリーをフライパンに入れて、塩を少々加えて、水を100ml加えて蓋をし、中火で3~4分加熱します。
茹でるよりもブロッコリーの風味がしっかりと残り、ビタミンCの流出が少ないのが特徴です。
これで完璧!ブロッコリーの保存方法
null冷凍して上手に使い切り
お弁当の彩りにも重宝するブロッコリーは冷凍保存しておくと便利!
生のブロッコリーは日持ちがしないので、すぐに使えない場合は、冷凍保存でおいしく食べ切るのがおすすめです。ブロッコリーは生の状態でも茹でた状態でも冷凍することができます。
加熱したブロッコリーを冷凍する場合は、小房に分けたものをかために茹でてから。そのまま彩りとして使う場合は電子レンジで解凍してから、炒め物やスープに使う場合は、崩れやすいため、調理の最後に冷凍のまま加えてください。
どちらの場合も、ブロッコリーを保存袋に入れて、平らにならしてから冷凍庫へ。重なっていると解凍に時間がかかるので、重ならないように冷凍するのがポイントです。保存は1カ月ほど可能です。
撮影/田中 麻以(小学館)
【参考】
・文部科学省「日本食品標準成分表2015年版(七訂)」
・Julie E Bauman, et al.Prevention of Carcinogen-Induced Oral Cancer by Sulforaphane. Cancer Prevention Research, 2016 : 547-57
・厚生労働省「e-ヘルスネット」食物繊維の必要性と健康
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/food/e-05-001.html
・厚生労働省「e-ヘルスネット」食物繊維
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/food/ye-016.html
・JAグループ「とれたて大百科」ブロッコリー
https://life.ja-group.jp/food/shun/detail?id=24
・「新・野菜の便利帳」板木利隆監修 高橋書店
・「その調理、9割の栄養捨ててます!」東京慈恵会医科大学附属病院 栄養部監修 世界文化社
(すべて最終参照日 2020/09/03)