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失礼にならない!「取り急ぎ」の言い換え表現は?【今さら聞けない大人の敬語講座vol.10】

“取り急ぎ”という言葉は、ビジネスメールの中でよく使われています。とても便利な言い方なので頻繁に使っている方は多いのではないでしょうか。今回は、“取り急ぎ”の正しい使用例やNG使用例、言い換え表現などをご紹介します。

『大人の語彙力 使い分け辞典』(永岡書店)などの著書を持つ国語講師の吉田裕子さんに、間違いやすい敬語表現や、知っておくと役立つステップアップ敬語についてお話をうかがいました。

「取り急ぎ」にはどんな意味がある?どんな時に使う?

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“取り急ぎ”というのは、“とりあえず、急いで”という意味。この1語の中に「本当はきちんとお礼を述べたり、あらためて決定事項をご連絡するべきところを、一旦は至急の要件だけで失礼します」という気持ちが込められています。

さらに、丁寧な連絡ができていないことに対する申し訳ない気持ちや、至急の連絡はきちんと済ませたことの確認の意味も含まれています。とくにビジネスメールの中で頻出する言葉です。

続いて、“取り急ぎ”を使った例文をご紹介します。

【「取り急ぎ」使用例】

取り急ぎ見積書を添付いたします。詳細につきましては後ほどご説明いたします。

この場合、後からきちんとした説明をする前提で“取り急ぎ”が使われています。

「取り急ぎ」を使ってはいけない場面は?目上の人にも使える?

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“取り急ぎ”は、「取り急ぎ~致します」というように敬語と組み合わせるのであれば、目上の相手に対して使うことができます。

先ほど述べたように、“取り急ぎ”には丁寧な連絡ができていないことに対して恐縮する気持ちが込められています。メールなどの最後に、“取り急ぎ○○まで”と簡単に書く人もいますが、目上の相手にはできるだけ避けた方が良いでしょう。

【「取り急ぎ」NG使用例】

(目上の相手に対し)

・取り急ぎ、ご連絡まで。

→省略せず、「取り急ぎのご連絡で失礼致します」と伝える

「取り急ぎ」の言い換え表現は?

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“取り急ぎ”に代わる表現として、“一旦”や“まずは”などがあげられます。例文をご紹介します。

【「取り急ぎ」の言い換え表現例】

一旦、書類のみ送付致します。

まずは、ご報告のみで失礼致します。

同様の意味を持つ“とりあえず”は、より口語的で砕けた印象になります。

 

【正しく使えてる?これまでの「今さら聞けない大人の敬語講座」】

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ステップアップ編!大人女性が知っておきたい「ドタキャンを詫びる」表現

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最後に、ステップアップ編として相手との約束を直前でキャンセルするとき、“ドタキャン”をお詫びする表現をご紹介します。

【ドタキャンをお詫びする表現例】

よんどころない事情で伺えず、申し訳ありませんでした。

・誠に心苦しいながら、やむを得ない事情がありお伺いできそうにありません。

どちらもキャンセルの理由に緊急性や深刻性を含ませる表現ですが、後日の相手へのフォローや新たな日程の調整をお忘れなく。

 

今回は、“取り急ぎ”の使用例やドタキャンを詫びる表現をご紹介しました。

あわてている時も、配慮ある言葉遣いは円滑なコミュニケーションに一役買ってくれます。ぜひ、参考にしてみてください。


【取材協力・監修】

吉田裕子

国語講師。塾やカルチャースクールなどで教える。NHK Eテレ「ニューベンゼミ」に国語の専門家として出演するなど、日本語・言葉遣いに関わる仕事多数。著著『大人の語彙力が使える順できちんと身につく本』(かんき出版)は10万部を突破。他に『正しい日本語の使い方』『大人の文章術』(枻出版社)、『英語にできない日本の美しい言葉』(青春出版社)など。東京大学教養学部卒。

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