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すぐ使わないなら早めに冷凍!鶏むね肉・ささみの長持ち保存方法…選び方や冷凍保存の仕方

ヘルシーで美味しく、価格も手ごろな「鶏むね肉・ささみ」は、人気の定番食材。特売日などにまとめて買うことも多いと思いますが、鶏肉は傷みやすいため、なかなか保存が難しいところ。皆さんは鮮度と美味しさをしっかりキープできる正しい保存方法をご存知ですか?

そこで今回も、食品保存のスペシャリストである料理研究家・食品保存アドバイザーの島本美由紀さんに、長持ちさせるための「正しい保存方法」をレクチャーしてもらいます。


こんにちは、島本美由紀です。連載61回目は「鶏むね肉・ささみ」。どちらもヘルシーでいろいろな料理に活用できるため、冷蔵、冷凍してストックしておくととても便利です。鶏肉は水分が多く傷みやすいので、正しい保存の仕方を押さえて、自宅でも鮮度や美味しさを失うことなく上手に長持ちさせましょう。

美味しい鶏むね肉・ささみの選び方

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鶏肉は鮮度が命。上手に保存をして長持ちさせるためにも、新鮮で美味しい鶏むね肉・ささみの選び方を押さえておくことが大切です。

・白く濁っているものはNG

鶏むね肉・ささみ 選び方

鶏むね肉もささみも、表面がみずみずしくきれいなピンク色をしているものが新鮮です。白く濁っていて透明感のないものは鮮度が落ちている証拠。また、時間とともに肉から水分が流れ出てしまうので、パック内に水分がたまっているものは避けるようにしてください。

▶食中毒を防ぐ「生の鶏肉の正しい扱い方」はこちらをチェック!

鶏むね肉・ささみの冷蔵保存の仕方

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鶏むね肉もささみも冷蔵保存ができますが、鶏肉はとても傷みやすいので、長く保存したい場合は早めに冷凍してしまうのがおすすめです。買い物の際は、保冷材や保冷バッグを用意して、持ち運ぶ間も鮮度をしっかりキープするよう心がけましょう。

・鶏むね肉は塩と酒を振って保存

セールなどで鶏むね肉を大量に購入した場合や使いかけのものについては、表面の水けをていねいに拭き取り、表面に少量の塩と酒を振ってからラップでぴったりと包みます。そのまま保存袋に入れて、チルド室で保存してください。未開封のパックについては、そのままチルド室で保存します。

・ささみはそのまま密閉して保存

鶏むね肉・ささみ 冷蔵保存

ささみについても、未開封のパックはそのままチルド室に入れて冷蔵しましょう。使いかけのものやパック内に水分(ドリップ)が出ているものについては、表面の水けをしっかり拭き取り、ラップでぴったり包んでから保存袋に並べて入れて、チルド室で保存します。

鶏むね肉・ささみの冷凍保存の仕方

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購入後すぐに使う予定がない場合は、鮮度と風味を損なわないためにも、早めに冷凍するのがおすすめです。上手に保存をすれば、パサついたり、硬くなることもありません。

・鶏むね肉は下味をつけて冷凍

鶏むね肉・ささみ 冷凍保存 下味

鶏むね肉は一口大に切り分け、好みの下味をつけてからタレごと冷凍用保存袋に入れて平らにし、空気を抜いて袋を閉じます。下味をつけることで、パサつきや硬くなるのを防ぐことができます。照り焼きやからあげの下味などがおすすめです。

食べる際は、自然解凍もしくは半解凍した状態で、加熱調理してからいただきましょう。下味がついているので、火を通すだけでそのまま美味しくいただけて便利です。

・ささみは酒を振ってから冷凍

ささみは筋に沿って包丁を入れて開き、酒を少々振ってしばらく置きます。表面の水けを拭き取ってからラップでぴったり包み、冷凍用保存袋に入れましょう。使う際は自然解凍してから、もしくは凍ったまま加熱調理をします。

・茹でてから冷凍

鶏むね肉もささみも茹でてから冷凍保存しておくと便利です。鍋に水と肉、酒少量とネギの青い部分やしょうがの薄切りを加えて10分ほど茹でます。粗熱が取れるまでそのまま置き、冷めたら手で肉をほぐします。使いやすい量ごとに分けてラップで包み、冷凍用保存袋に入れて保存しましょう。

使う際は保存袋から取り出して自然解凍するか、レンジで解凍するだけで、すぐにそのまま食べることができます。

鶏むね肉・ささみ 茹でる 冷凍

鶏むね肉・ささみの保存期間の目安

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鶏肉は傷みやすいため、上手に保存をしても冷蔵庫ではあまり長持ちさせることができませんが、早めに正しい方法で冷凍すれば、鮮度と風味をしっかりキープしたまま長期間保存することができます。

・冷蔵保存の場合の目安

先ほどご紹介した方法で保存した場合は、鶏むね肉もささみも3日間保存が可能です。ただし、消費期限の日付のほうが早い場合は、その期限内に食べきるようにしてください。これらの期間内に使用する予定がない場合は、購入した日に冷凍するようにしましょう。

・冷凍保存の場合の目安

鶏むね肉もささみも、正しい方法で冷凍すれば約1カ月長持ちさせることができます。冷凍してもパサついたり、硬くなることなく、美味しくいただけます。茹でてから保存しておいたものは、バンバンジーやサラダに使えて便利です。

▶「豚薄切り肉」の長持ち保存方法はこちらをチェック!

ラクワザ!鶏むね肉&ささみの唐揚げをジューシーに仕上げる方法

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鶏むね肉&ささみの唐揚げ ジューシー

揚げたてのジューシーな唐揚げは、とても美味しくて子どもから大人まで大人気。ただ、揚げる際に鶏肉に含まれる水分が蒸発してしまうため、むね肉やささみで唐揚げを作るとパサついてしまうことも。そこで今回は、鶏むね肉やささみの唐揚げをよりジューシーに仕上げるためのワザをご紹介します。

・カットした肉を水に漬けるだけ

鶏むね肉やささみを唐揚げ用に一口大にカットしたら、そのまま10分ほど水に漬け込みましょう。そのあとは、軽く水けを切って、いつもどおり味付けをして揚げるだけ。水に漬け込むことで、鶏肉がしっかり水分を吸収してくれるため、油で揚げていくらか水分が蒸発してもジューシーに仕上がります。

鶏むね肉やささみはもちろん、鶏もも肉でも同じよう水に漬け込んでから唐揚げを作れば、いつも以上にジューシーに仕上がるのでこちらもおすすめです。

いかがでしたか? 傷みやすい鶏むね肉・ささみですが、適切な方法で保存をすれば、しっかり長持ちさせることができます。おすすめは冷凍保存。今回ご紹介した方法で保存をすれば、解凍後もパサつくことはありません。特売日などにまとめ買いしたときは、ぜひその日のうちに冷凍してみてください。

【参考】
島本美由紀(2015)『もっと野菜を!生のままベジ冷凍』(小学館)

島本美由紀(2015)『ひと目でわかる!食品保存事典』(講談社)

構成・文/土田奈々子

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