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使いかけにはひと手間プラス!「鶏もも肉」の長持ち保存方法…選び方のコツや冷凍保存の仕方

鶏肉の中でもジューシーで美味しい「鶏もも肉」は、食べ応えがたっぷりでいろいろな料理に使えて便利。価格が手ごろなのもうれしいですよね。ただ、鶏肉は傷みやすいため、鮮度を保ちながら長持ちさせるのがなかなか難しい食材です。

そこで今回も、食品保存のスペシャリストである料理研究家・食品保存アドバイザーの島本美由紀さんに、長持ちさせるための「正しい保存方法」をレクチャーしてもらいます。


こんにちは、島本美由紀です。連載50回目は「鶏もも肉」。値段が手ごろで美味しい鶏もも肉は、食卓によく登場する代表的な食材ではないでしょうか? 鶏肉は水分が多く傷みやすいのですが、上手に保存をすれば、いつでも新鮮で美味しい鶏もも肉を食べることができますよ。

美味しい鶏もも肉の選び方

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鶏肉は水分が多く傷みやすいため、上手に保存をするためにも購入の際はしっかりと鶏もも肉の鮮度を見極める必要があります。

・皮と肉の色をチェック

鶏もも肉 選び方

新鮮な鶏もも肉は、表面がみずみずしくきれいなピンク色をしています。白く濁っていて透明感のないものは避けましょう。また、皮の部分は黄色いもののほうが新鮮。皮の毛穴がしっかり盛り上がっていて、皮全体に細かくヒダが寄っているものを選んでください。

・パック内が水っぽいものはNG

鶏もも肉は時間が経つにつれ、肉から水分が流れ出てしまうので、パック内に水分がたまっていないかどうか、購入する際にしっかりチェックしましょう。水っぽいものは、すでに鮮度が落ちてきている証拠ですので避けるようにします。

鶏もも肉の冷蔵保存の仕方

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傷みやすい鶏もも肉は、上手に冷蔵保存をしても風味を保てるのは数日だけ。長く保存したい場合は、早めに冷凍保存をするようにしてください。買い物の際は、保冷材や保冷バッグを用意し、持ち運ぶ際も鮮度をキープするように心がけましょう。

・塩と酒で保存性を高める

鶏もも肉 冷蔵保存

セールなどで大量に購入した場合や使いかけのものは、表面の水けをていねいに拭き取り、表面に少量の塩と酒を振ってからラップでぴったりと包み、保存袋に入れてからチルド室で保存しましょう。未開封のパックについては、そのままチルド室で保存してください。

鶏もも肉の冷凍保存の仕方

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購入後すぐに使わない場合は、鮮度と風味を損なわないためにも、早めに冷凍するのがおすすめです。鶏もも肉は次の3パターンで冷凍保存することができます。使用する際は、自然解凍もしくは凍ったまま加熱調理をしていただきましょう。

・茹でてから冷凍する場合

鶏もも肉は皮を取ってから、長ねぎの青い部分やしょうがといっしょに茹でます。冷めたら汁ごと冷凍用保存袋に入れて冷凍しましょう。汁ごと保存すれば肉が乾燥しにくいので、美味しく保存ができます。自然解凍か、もしくは凍ったまま鍋に入れて解凍してから使いましょう。

・そのまま、もしくは2分の1に切って冷凍保存する場合

鶏もも肉はそのまま、もしくは2分の1に切ってから軽く酒を振ってしばらく置き、表面の水けを拭き取ります。ラップでぴったりと包んだら冷凍用保存袋に入れ、空気を抜いてから袋を閉じましょう。

一口大に切って冷凍保存する場合

まずは鶏もも肉を一口大に切り、ラップを敷いた金属トレイに間隔を空けて並べます。その上からラップをかぶせて凍らせましょう。完全に凍結したら、そのまままとめて冷凍用保存袋に移し替えて冷凍します。この方法なら、使いたい分だけ取り出せるので便利です。

鶏もも肉 冷凍保存 一口サイズ

鶏もも肉の保存期間の目安

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鶏もも肉は傷みやすいため、冷蔵庫ではあまり長く保存できませんが、早めに正しい方法で冷凍すれば、鮮度と風味をしっかりキープしたまま長期間保存することができます。

・冷蔵保存の場合の目安

先にご紹介した方法でチルド室で保存した場合は、3日間保存が可能です。ただし、それよりも消費期限の日付のほうが早い場合は、その期限内に食べきるようにしてください。これらの期間内に使用する予定がない場合は、購入した日に冷凍するようにしましょう。

・冷凍保存の場合の目安

どのパターンで冷凍した場合でも、それぞれ約1カ月間保存することができます。正しい方法で冷凍すれば、パサついたり硬くなったりすることもなく、美味しくいただけます。

ラクワザ!包丁を使わずに簡単に鶏もも肉を下処理する方法

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鶏もも肉 下処理

脂肪が多く皮もついている鶏もも肉の下処理は、包丁だとなんだかやりにくいですよね。次にご紹介する方法なら、包丁を使わずに簡単に下処理することができますよ。

・キッチンバサミが大活躍

鶏もも肉の下処理は、包丁を使わずにすべてキッチンバサミでやるのが正解です。購入したパックの上に鶏もも肉を広げ、余分な脂肪を手で引っ張りながらハサミでチョキチョキと切り落としましょう。

丸ごと調理する場合は、加えてハサミでところどころに切込みを入れて筋切りをするだけ。また、一口大に切る場合は、そのままハサミでカットすれば完了です。まな板と包丁を使わずに下処理ができるので、洗い物の手間も省けて楽ちんですよ。

いかがでしたか? 鶏もも肉は冷蔵保存ではあまり日持ちしませんが、買ってすぐに冷凍すればきちんと長持ちさせることが可能。ひと手間加えて冷凍することにより、解凍後もパサついたり硬くなることもなく美味しくいただけます。まとめ買いしたときなどは、すぐに冷凍して鮮度と美味しさをしっかりキープしましょう。

【参考】

島本美由紀(2015)『もっと野菜を!生のままベジ冷凍』(小学館)

島本美由紀(2015)『ひと目でわかる!食品保存事典』(講談社)

構成・文/土田奈々子

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