こんにちは、島本美由紀です。連載39回目のテーマは「豚薄切り肉」。いろいろな料理に使える美味しい豚薄切り肉は、自宅にストックしておくと便利な食材の一つです。ただし、かたまりや厚切り肉よりも傷みやすく、また乾燥しやすいため、鮮度と美味しさを上手にキープしながら保存する必要があります。
美味しい豚薄切り肉の選び方
null上手に保存をするためには、まずは新鮮で美味しい豚薄切り肉の選び方を押さえておくことが大切です。
・色鮮やかでつやと光沢のあるものが新鮮
豚薄切り肉は、赤みのある鮮やかなピンク色で、表面につやと光沢のあるものが新鮮です。肉の色がくすんでいるものや、パック内に水分がたまっているものは鮮度が落ちてきているので避けるようにしてください。
豚薄切り肉の冷蔵保存の仕方
null豚薄切り肉を冷蔵庫で保存する場合は、肉の酸化や乾燥を防ぐためにも、空気に極力触れないようにする必要があります。
・パックのまま保存する場合
未使用の場合は、購入時のパックのまま保存することができます。そのままチルド室に入れて保存しましょう。
・パックから出して保存する場合
パック内に水分が出てしまっている場合や、使い残しを保存する場合は、肉の水分をきちんとふき取ってから1枚ずつずらして薄く平らに重ね、ラップでピッタリ包みます。包んだ豚肉をそのまま保存袋に入れ、中の空気をしっかり抜いて袋を閉じてからチルド室で保存します。
豚薄切り肉の冷凍保存の仕方
null豚薄切り肉は、そのまま、茹でてから、下味をつけてからの3パターンで冷凍することができます。
・そのまま冷凍する場合
豚薄切り肉を数枚ずつ薄く重ねてラップでピッタリ包み、冷凍用保存袋に入れて冷凍します。空気に触れないよう、ラップでしっかり密閉するのが上手に冷凍するコツです。
・茹でてから冷凍する場合
まずは、塩と酒を加えた熱湯で豚薄切り肉を茹でます。冷ましてから使いやすい量ごとに分けてラップで包み、冷凍用保存袋に平らに入れましょう。空気をしっかり抜いてから、袋を閉じて冷凍します。
・下味をつけてから冷凍する場合
豚薄切り肉は、好みのたれといっしょに冷凍用保存袋に入れて冷凍することもできます。野菜やきのこなどを入れてもいいでしょう。すでに味がついているので、炒めるだけで簡単に料理ができ、家事の時短にもつながります。
・自然解凍もしくはそのまま加熱調理を
冷凍した豚薄切り肉は自然解凍してから、もしくは凍ったまま加熱調理することができます。肉が薄いので、凍ったままでもサッと火が通り、すぐに調理が完了します。
豚薄切り肉の保存期間の目安
null冷蔵の場合はそれほど長く保存することはできませんが、味をつけて冷凍した場合などはかなり長い期間保存することができます。
・冷蔵保存の場合の目安
チルド室で保存した場合は、パックに入れたままの状態でも、ラップに包んで保存袋に入れた状態でも、3日ほど保存することができます。ただし、消費期限が短い場合は、そちらを優先してください。
・冷凍保存の場合の目安
そのまま、もしくは茹でてから冷凍した場合は、約1カ月。下味をつけてから冷凍した場合は2カ月ほど長持ちします。
簡単レシピ!「豚薄切り肉の冷凍したままとんかつ」
null「とんかつは厚切りの豚肉じゃないと!」と思っている皆さん。実は、薄切り肉でも簡単に美味しいとんかつを作ることができます。冷凍した豚薄切り肉は、解凍せずにそのままとんかつにすることができるので、解凍する時間がないときなどにすごく便利ですよ。
・薄切り肉でも食べ応えは十分
まずは、ラップの上に豚薄切り肉を2~3枚ずつ少しずらすように並べ、しっかりとラップで包み込んでから冷凍用保存袋に入れて冷凍します(保存期間は約1カ月)。肉は解凍せずに、凍ったまま小麦粉、溶き卵、パン粉の順に衣をつけて油で揚げれば、美味しい豚薄切り肉のとんかつのできあがりです。
肉が薄めなので、厚切り肉のとんかつと違ってフライパンに2cmほどサラダ油を入れるだけで揚げ焼きにすることができますし、豚肉が重なった部分にけっこう食べ応えが出るので、厚切り肉に負けず劣らず美味しいとんかつを作ることができます。
いかがでしたか? 豚薄切り肉は冷蔵だとあまり長持ちしませんが、下味をつけて冷凍すると約2カ月間保存が可能になります。特売日などにまとめ買いをした場合は、ぜひ好みのたれや野菜といっしょに冷凍してみてください。冷凍した豚薄切り肉は、凍ったままでとんかつにすることもできるので、普段の食卓で大活躍すること間違いなしです。ぜひ、試してみてくださいね。
構成・文/土田奈々子