まいたけに含まれる栄養素
水溶性食物繊維β-グルカンに注目
きのこ類であるまいたけは食物繊維を多く含んでおり、腸内環境を整えて便秘を予防する効果が期待できます。
食物繊維のひとつであるβ‐グルカンは免疫機能のサポートに働き、ウイルスに対する抵抗性を高めると言われています。がん細胞の増殖を抑制する働きやアレルギー予防に効果が期待できるという報告があり、注目を集めています。
β‐グルカンは水に溶ける水溶性食物繊維なので、汁気が少ない炒めものや煮汁ごと食べられるスープにして食べるのがおすすめです。
骨の健康をサポートするビタミンD
ビタミンDはカルシウムの吸収率を高めて、骨の健康維持のサポートをします。ビタミンDはきのこ類に多く含まれますが、実はまいたけはきのこ類の中でもトップクラス! 以下、それぞれ100gあたりのビタミンDの量を比較してみます。
- まいたけ 4.9μg
- しいたけ 0.3μg
- しめじ 0.5μg
- えのき 0.9μg
まいたけ1パック(100g)で1日に必要なビタミンDの50%以上が摂れる計算です。
また、まいたけにはビタミンDの前駆物質であるエルゴステロールを含むため、紫外線にあたることでビタミンDが増えます。買ってきたらザルなどにのせて外に干しておくだけでさらにビタミンDの量が増加。簡単にできるので、ぜひ試してみてください。
アルコールを飲む方にもおすすめのナイアシン
まいたけに含まれるナイアシンはビタミンB群の一種で肌や粘膜の健康維持に働きます。糖質、タンパク質、脂質をエネルギーに変換する際に利用される栄養素です。ナイアシンはアルコールを代謝するときに必要になるため、お酒を飲む方はより多く摂ることをおすすめします。
美味しさをキープするまいたけの保存方法
冷蔵保存するなら早めに使い切って
冷蔵庫で保存する際は買ってきたパックのまま保存して大丈夫です。開封したあとは、水滴がつくと傷みやすくなるため、キッチンペーパーに包み、ポリ袋に入れて乾燥を防いだうえで冷蔵庫で保存してください。いずれの場合も2、3日以内に使い切るようにしましょう。
冷凍保存でおいしさアップ!
すぐに使い切れない場合は冷凍保存がおすすめです。手でほぐして食べやすい大きさにしてから保存袋に入れて冷凍庫へ。冷凍することによって細胞壁が壊れるので、うま味がアップします。まいたけは冷凍しても食感を損いません。凍ったまま調理できるので、汁物や炒め物にそのまま入れればOKです。
栄養パワーを損なわない!おすすめのまいたけ調理法
null水で洗うのはNG!
きのこ類は水で洗うと風味を損ないやすいので洗わずに使いましょう。汚れが気にある場合は湿らせたキッチンペーパーでふき取るようにします。
効率よく栄養を摂取するための調理法
まいたけに豊富に含まれるビタミンDは油と一緒に摂ることで吸収率がアップします。炒め物や、オリーブオイルを使ったマリネなどの料理がおすすめです。
また、まいたけに含まれる食物繊維は便通改善に効果が期待できますが、より効果を高めるために発酵食品である味噌、チーズ、キムチなどとの組み合わせもおすすめです。発酵食品は腸内にある善玉菌のエサとなるので、腸内環境を整える効果がより高まります。
また、まいたけの特長的な栄養素であるβ‐グルカン、ナイアシンなどのビタミンB群は水に溶ける性質があります。炒めものや煮汁ごと食べられる料理がおすすめです。
ナイアシンはビタミンB群と一緒に摂ることで相乗効果が期待できるので、ビタミンB1を含む豚肉や大豆製品、ビタミンB2を含む卵や葉物野菜などと組み合わせるとベター。
味噌汁、チーズを加えたグラタン、豚肉との炒め物など、おいしくて栄養的にもおすすめの料理はたくさんあります。ぜひいろいろな調理方法で食べてみてください。
また、まいたけの風味と食感を活かすために加熱時間は短めにしましょう。長く加熱すると黒く変色してしまい、見た目も悪くなってしまうので注意してくださいね。
撮影:田中 麻以(小学館)
【参考】
・文部科学省「日本食品標準成分表2015年版(七訂)」
・桐渕壽子「紫外線照射による各種キノコ中のビタミン D2含量に関する研究」日本家政学会誌 1990年 Vol. 41 401-406
・厚生労働省「e-ヘルスネット」食物繊維の必要性と健康
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/food/e-05-001.html
・農林水産省「aff」2010年9月号
https://www.maff.go.jp/j/pr/aff/1009/spe2_01.html
・農林水産省「林野庁」きのこの成分と効用
https://www.rinya.maff.go.jp/j/tokuyou/kinoko/seibun.html
・JAグループ「とれたて大百科」マイタケ(舞茸)
https://life.ja-group.jp/food/shun/detail?id=62
・「春夏秋冬 おいしいクスリ 旬の野菜の栄養事典」吉田企世子監修 株式会社エクスナレッジ
・「新・野菜の便利帳」板木利隆監修 高橋書店
(最終参照日 すべて2020/12/04)