そこで、昨年モデルハウスにお邪魔した『MUJI HOUSE』さんが手がける、「無印良品」のリノベーション住宅に伺ってきました!
無印のリノベーション住宅、味があってあたたか!
null今回お伺いしたのは、ミオさん(妻)とユウさん(夫)のnidones(にどねす)ご夫婦が暮らす、無印良品がリノベーションした築40年の団地。nidonesさんは、住まいモニターとして暮らしをレポートしている、“藤沢の団地大使”です。団地を訪れてみると、外観は馴染み深い「ザ・団地」といった風情。
nidonesさんのお家の扉を開けてみると……
開放感のある素敵な空間が広がっていました!
お部屋に入ってまず最初に感じたのが、玄関からキッチン、リビングに至るまで、寒いと感じることがなく均一に暖かいこと。伺った日は外気温13℃、薄曇りで外はまだまだ寒さを感じたのですが、部屋に一歩入った途端「コート脱がなきゃ!」と思うほどの暖かさ。
部屋に入ってすぐ右手がキッチンなのですが、キッチンのカーテンが薄いのに暖かい! しかもnidonesさんに尋ねてみるとLDKプラス寝室でひとつのエアコンしかついていないそう。
ミオさん「さっき、1時間前くらいにちょっと寒いかなと思ってエアコンをつけたんです」
この暖かさは、無印良品のリノベーションの「MUJI INFILL 0」というコンセプトと断熱性能の高さからきています。
「MUJI INFILL 0」は、躯体やサッシだけを残してできるだけ間仕切りを取り除き、スケルトンの状態から暮らしの原点(MUJI INFILL 0)をつくるというもの。また、断熱性能は「ZEH」(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)水準を叶え、断熱等性能等級は新築基準と同等、またはそれ以上の水準の断熱性能を備えているんだとか。
nidonesさんのお家は、壁だけでなく天井まで断熱材を入れているので、家全体の断熱性と気密性が高まっているんです。さらに、窓は二重窓。
nidonesさん「以前も団地に住んでいたのですが、アルミサッシが本当に寒くて。今のお家は窓から冷気が入ると感じたことがないんですよ」
え、アルミサッシじゃないんですか……?とMUJI HOUSEでリノベーションを担当している鈴木さんに伺うと、なんと樹脂製インナーサッシを採用しているとのこと。
標準仕様では既存の窓の内側に樹脂製インナーサッシを、さらにこのお部屋のようなZEH水準仕様ではインナーサッシに2枚のガラスで中空層をはさんだ「Low-E複層ガラス」を採用して気密性に加え保温性も高めているそうです。
難しいことはわからなくても、この空間にいると確かにわかる! 窓際でも全然寒くない〜(感動)!
玄関から一歩入って左手にある南側に面したリビングも、薄手のカーテンのみ。
ミオさん「遮光カーテンは寝室だけにつけています。それでもこの秋冬は問題なく過ごせました」
また、午後に伺ったにもかかわらず、薄日が差している室内は想像以上に明るい! 室内の壁がすべて白いのも一役買っていそうだなあ……と壁をよく見てみると、壁紙ではなく白い塗料が塗られていました。
この白い塗装は、剥き出しになったコンクリートの躯体に塗っていて経年の“味”をそのまま生かしています。
ミオさん「リノベーション前のコンクリートを生かした塗装というのが、本当に“味”だなと思っていて。お気に入りのひとつなんです」
この塗装、単なる“味”というだけでなく、塗装にすることで壁紙のようなメンテナンスの負担を減らすこと、また、艶のないマットな塗装で光を生かしながら受け止めるというメリットがあるそう。
目で見て触れてみると、無印良品の家づくりは「長く住む家」ということを細かいところまで考えているんだなと実感します。
画像の左側は新しく設置した壁。右側はもともとあったコンクリートの躯体に塗装した壁です。
違和感なく馴染みながら以前の住宅の“味”はそのまま生かしているのがよくわかります。
キッチンの換気ダクトも剥き出しのまま生かされています。ともすると無機質で荒削りに見えがちですが、ヴィンテージやアンティークなど「古くて良いもの」を愛するnidonesさんご夫婦の暮らしにはぴったりハマっているよう。
家具も、無印良品の家具とnidonesさんご夫婦が選んだ家具が見事に調和していて、暮らしの快適性と好きなものに囲まれる生活空間をつくっています。
お伺いした私ですら心地いいと感じる空間……そしてとても静か! インナーサッシを入れていることで、結果的に遮音性も高まっているんだとか。
nidonesさん「大きな道路から一歩入っただけの団地なのですが、実際に昨年10月から暮らし始めて本当に驚いたのがこの静かさ。もう、“ずっと家にいたい!”と思うくらいです(笑)」
また、壁や建て付けの家具で区切ることはせず、暮らしにあわせて編集できる間取りをつくるのも無印良品が手がける家の特徴。
nidonesさんご夫婦に引っ越してから間取りや収納などで変えたところがあるか尋ねると、寝室にある衣類収納スペースにつっぱり棒とカーテンをつけたり、キッチンのゴミ箱収納の数を見直したりしたそう。
ちょっとしたDIYも楽しみながら、“自分たちらしい暮らし”を模索する日々は、なんだかとてもおもしろくて快適そうでした!
無印のリノベーション住宅、実は売ってます
null今回初めて無印のリノベーション住宅に伺ってみると、「目からウロコ」な部分がたくさんあり、いま現在暮らしている築20年のわが家の小さな課題も見えてきました。やっぱり自分の目で確かめることって大切!
同じように「実際に見たいけれど……」と思っている方に嬉しいのが、無印良品ではリノベーションした物件の販売もしていること! サイトではVRで物件を体感することもでき、見ているだけで楽しくなっちゃいます。
販売している物件、少しだけお見せすると…
例えば、
東京都東久留米市・滝山団地。
団地は玄関が狭くなりがちですが、土間とリノリウム床でできたホールを設けて、半透明の扉で仕切ることで開放的な雰囲気に。ホール内に左右広々とした洗面台を置くことで、動線もスムーズです。
もう1件、ちらっとお見せするのは、
神奈川県横浜市・上中里団地。
壁面に木目のあたたかみがある合板を使ったリビングは、大きな窓からたっぷりと光が差し込んで部屋全体が明るく見えます。また、玄関を入ってすぐにたっぷりの収納があるのも魅力です。
【取材協力】MUJI HOUSE