「注文住宅」と「建売住宅」の違いは?
nullまず最初に、注文住宅と建売住宅の違いを簡単におさらいしておきます。
<注文住宅>・・・建築士、ハウスメーカーなどに設計・工事を依頼して建てる住宅。発注者は、予算や法律とのバランスをとりながら間取り、外装、内装、設備などの選択に関わって家づくりを進めます。土地つきor土地なし、一部だけ“カスタムメイド”など、さまざまな種類があります。
<建売住宅>・・・“建売(たてうり)”とは、文字の並びの通り、まず家を建てて、それを販売すること。“建売住宅”は、宅地と一緒に売られている完成した住宅のことです。ちなみに、“分譲住宅”は、まとまった土地をいくつかに分割し、そこに建てて販売される住宅のこと。
今回『kufura』編集部のアンケートにご協力いただいたのは、20~50代の男女333人。“注文住宅”と“建売住宅”の特性について探るべく、まず、現在の住居のタイプの割合について質問しました。
一戸建て(自分たちで購入した注文住宅)・・・59人(17.7%)
一戸建て(自分たちで購入した建売住宅)・・・35人(10.5%)
マンション・アパート・・・162人(48.6%)
親族の持ち家など、自分たちで購入していない一戸建て・・・63人(18.9%)
その他(借家など)・・・14人(4.2%)
今回のアンケートでは3割弱(94人)の回答者が注文住宅および建売住宅に現在暮らしていることが分かりました。
続いて、注文住宅に暮らす59人、建売住宅に暮らしている35人に現在の住まいのいいところ、残念なところについて聞いてみました。
「注文住宅」のいいところは?
nullまず、注文住宅のいいところについてご紹介します。回答内容は大きく3つに分類することができました。
(1)こだわりを形にすることができる
「吹き抜けにこだわったので家中明るい」(52歳・公務員/男性)
「収納を思う存分につけられたこと」(43歳・主婦/女性)
「好みのデザインが再現できた」(55歳・営業・販売/男性)
「細かいサイズを指定できた」(48歳・研究・開発/女性)
(2)生活に合った「動線」「間取り」が便利
「リビングダイニングとキッチン、お風呂場、洗面所がひとつづきなので、お風呂に入るときに寒くないので快適」(45歳・営業・販売/女性)
「家事がしやすくスムーズにできること」(39歳・会社経営・役員/男性)
「自分の生活に合った間取りにできる。風呂やトイレなど自分でメーカーを決める事ができた」(59歳・営業・販売/男性)
「家の動線がとても使いやすく良かったです」(53歳・その他/男性)
(3)暮らしやすい
「ほしいところにコンセントがある。こちらの希望で増やしたコンセントがちゃんと活躍している。 間取りに不満なところがあっても納得できる。熟考した上で無理だったことを理解しているので」(51歳・研究・開発/女性)
「コンセントなどの細かな部分まで自分で決められたので、家事や生活がしやすい」(36歳・主婦)
注文住宅のメリットは、こだわりポイントを“注文”できるところ。外壁・内壁の色や間取り、台所の仕様、窓の形など、プロと話しながら理想を形にしていく楽しさもあるようです。
「注文住宅」の残念なところは?
null続いて、注文住宅に暮らす人が実際に感じた残念なところです。
(1)費用面の負担
「やはり費用面で負担が大きい」(41歳・主婦/女性)
「想定外の費用が必要だった」(63歳・会社経営・役員/男性)
「予算ありきでしょうがなくあきらめたことがある」(52歳・技術職/男性)
(2)「~すればよかった」というポイントがある
「キッチンに差し込む日光をもう少し考慮した方が良かった」(48歳・その他/男性)
「住んでみると、こうすればよかったという点があること」(59歳・主婦/女性)
「玄関の向きを南向きにすればよかった」(59歳・その他/男性)
「脱衣所に洗面台をつけておけば良かったと後悔しています」(43歳・主婦/女性)
1つめは費用面。内装、外装。キッチン、浴室……などなど、1つ1つこだわりを極めていくと、予算はどんどんかさんでいきます。そしていろいろ選択肢があったからこそ、完成後に「ああすればよかった」というポイントが出てくることもあるようです。
「建売住宅」のいいところは?
null続いて建売住宅に暮らす回答者の声です。まず“いいところ”から。こちらも大きく分けて3つのメリットがありました。
(1)間取りが決まっているのでラク
「モデルハウスをそのまま購入しました。間取りを考えなくていいし、すぐに住めたので楽でした」(38歳・主婦/女性)
「注文住宅にしようとしても、自分にはセンスがなくて変になりそうだったから」(35歳・総務・人事・事務/女性)
「部屋割りなどがわかっていて住んだ後のイメージがしやすかった」(51歳・営業・販売/男性)
「1から全て決めなくていい。実際に気に入った家を買えた」(42歳・主婦/女性)
(2)新生活を早くスタートできた
「即入居が出来て新生活のスタートが予定通り切れた」(53歳・総務・人事・事務/男性)
「早くに、入居できる」(54歳・主婦/女性)
(3)価格をある程度抑えられる
「価格が抑えられる」(45歳・金融関係/女性)
「値段が安いので、車を買い換えられた」(55歳・その他/男性)
完成した家なので、設計や設備まわりの細かい決めごとがなく、新生活後のイメージが容易にできる点が“よいところ”だと感じている回答者が目立ちます。また、入居可能な時期が早いこと、注文住宅と比べて割安な点をあげている人も見受けられます。
「建売住宅」の残念なところは?
null一方、建売住宅の残念なところです。
(1)「こうだったらよかったのに」が出てくる
「2階建てなのですが、お風呂場が2階なのが気になります。1階にあった方がいいと思うことがあります」(42歳・デザイン関係/男性)
「クロスのデザインや浴槽の色がイマイチ気に入らない」(53歳・主婦/女性)
「玄関の照明スイッチの場所が、少し使い勝手が悪いところです。それ以外は満足しています」(38歳・その他/男性)
「収納が少ないので不便なこともある」(37歳・主婦/女性)
(2)細かな希望を反映できない
「変えられない」(35歳・デザイン関係/女性)
「臨機応変さがない」(41歳・技術職/男性)
「自分たちでアレンジできない」(45歳・その他/女性)
暮らしてみると見えてくる生活動線の小さな不満や、ちょっとした不便についての声が目立ちました。すでに設計や施工が完了した家のため、細かい点を変えられない点を“残念”と感じている人も見受けられます。
注文住宅の場合には「こう“すれば”よかった」という声が多かった一方、建売住宅の場合には「こう“だったら”よかったのに」という声が多かったのが印象的でした。
以上、今回は注文住宅と建売住宅のそれぞれのいいところ、残念なところについてお届けしました。
“暮らし”という中身を包み込む大きな“容れもの”である住宅。
今回のアンケートからは、形が決まっている“容れもの”に“暮らし”を合わせていくのが“建売”で、イメージした“暮らし”に合わせて“容れもの”の形を作っていくのが“注文”という印象を受けました。
どちらの暮らしにも、それぞれの楽しみがありそうです。
これから家を持つことを検討している方は、自分たちにとって必要な条件を満たした理想の家に巡り合えるといいですね。
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