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運気の上がる家を建てたい!風水で「良し」とされるもの、避けたいものとは【人気占術家に聞きました】

春は転勤や子どもの進学などで住環境を変える人が多くなる季節です。新しい住居を構えようとする際に、風水のポイントを参考にする人も多いのではないでしょうか。

家は高い買い物。購入するなら風水などの知識も入れて、しっかりとしたものを構えたいですよね。そんな方に向けて、今やテレビで引っ張りだこの暮れの酉(くれのとり)さんに家の風水について取材しました。今回は、新築を購入する際の土地の選び方や運気が上がる家のポイントを紹介します。

良い気の巡るのは、なだらかな起伏のある土地

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まず始めに、風水の基本的な考え方について教えていただきました。

「風水には2つの考え方があります。山の位置、川の位置、土地の起伏、ビルなど周囲に建っている建物を見る『巒頭(らんとう)法』と、気を時間の流れとかから割り出す『理気(りき)法』です。理気法の気というのは流派によってとらえ方が違いますが、巒頭法は大体どの流派も一緒なんですね。

本来、地形を見るのが風水の始まりと言われています。山の位置から見て自分たちがどこに住めばいいとか、どっちの方向に山があれば栄えるとか、周囲を山に囲まれているところは栄えない土地だとか、風水では気よりも土地を最初に見ます」(以下「」内、暮れの酉さん)

なだらかな起伏のある土地……都会では探しにくいかも?

土地や環境の良し悪しは、どう判断する?

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先に土地や周囲の環境を見るとのことですが、まずは土地の“良い”“悪い”のジャッジはあるのでしょうか?

「色々あるのですが、なだらかな起伏がある土地というのは土地のエネルギーが高いと言われています。地名でいうと、“〇〇台”や、“〇〇丘”など、ちょっと高い所につく名前のエリアは風水的にもすごくいいとされているのです。

一方、起伏の低いエリアはおすすめできません。風水では、湿気がたまりやすい低いところはあまりよくないとされています。また、低い土地というのは、“下がる”とか、“重い”とかのシンボルになります。低い土地は風水的にはおすすめできません」

なるほど……、では建物や川、道路などの周囲の環境はどのくらい影響がありますか?

「周囲に川とか道路など流れるものについては、位置や流れるもののスピードがすごく重要になってきます。

“流れるもの”は風水では財産(お金の流れ)や、生命力のエネルギーの流れを表します。真っ直ぐな道路に面した場所でいうと、高速道路のように車が止まらずに速い流れがあるとお金が目の前を通過していくという象徴になってしまいます。川も同様です。流れの速い川は財が流れていきます

しかし、信号機のある道路は流れが止まってくれるので良い金運のシンボルになります。川では緩やかな流れの場所だと良いですね。

もし道路に面した土地に家を構えられるなら金運は自然と豊かになっていくものですが、さらに大きな運を呼び込むためには玄関ドアの向きがあります。車や川の流れが右手からやってくる土地の場合は、左開きのドア。左手から流れてくる土地の場合は右開きのドアにするとさらに大きな金運を取り込むことができます。

逆に、流れがカーブしている道路の外側や、T字路の突き当たりの場所はおすすめできません。川がカーブしているところの外側も同様です。風水では、道路から気が突っ込んでくるという考え方をします。T字路は道がまっすぐきて、突き当たりのところに強い衝撃波が目には見えないけれど集まるとされます。衝撃波は人との衝突や怪我のシンボルという捉え方もしますので、避けたほうがいいでしょう」

他に周囲の環境でおすすめできない場所はありますか?

全面ガラス張りのようなビルは大凶の土地とされています。ガラスによって光の乱反射が起こり、本来こちら側からは光が照らないはずの時間や場所にも光が入ることがあります。それを光の気が乱れていると捉えているからです。

他にも、鉄塔など尖がりのある建物の側は避けたほうがいいかもしれません。尖がったものは火のシンボルとされています。火は争いや分裂という意味があり、人と揉めやすい土地と言われています。背の高い建物などが夜景で見える分には構いませんが、あまり近い場所はおすすめはできませんね」

鉄塔のそばを避ける人も多いそう。

「上がる家」のポイントは玄関の左側にあり

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暮れの酉さんいわく、新築を建てる場合、運気の上がる家のポイントは“玄関の左側”なのだとか。

「風水では、玄関をすごく重視しています。これはどの流派でもだいたい同じで、玄関は外と内の接点になる、要は自分たちと外を隔ててくれるものです。人体でいうと玄関は口、外のものが内に入ってくる入り口や出口でもあります。玄関があんまりせせこましい家は、外と自分のつながりが弱くなってしまったり、社交運が狭くなると言われています。

家の中から玄関を見て左側に、福や財の気がたまると言われています。左側をなるべく広くレイアウトしたり、広くとれないのであれば鏡を置いて奥行きを持たせるといいですね。なので、靴箱などは左側に置ければ奥行きも出てベストです。

逆に、右側には何も置かないほうがいいでしょう。中国や台湾の風水では、家の中から見て玄関の右手側を強調してしまうとギャンブラーのような人生、波乱万丈で落ち着いて過ごせないとされています」

玄関の左側に開運の鍵が。

キッチンは?子ども部屋は?家相を意識した配置を

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土地、環境、玄関ときて、部屋の中に意識を向けます。子ども部屋、キッチンなど、具体的にどの位置が良い、悪いなどはあるのでしょうか?

「家の相で『家相』というものがあります。これは太陽の位置と方角の意味をリンクさせる考え方で、例えば東の方角は太陽が昇る方角ですよね。東側にはこれから育っていくとか、これから大きくなっていくという意味がある方角なんです。そう考えると、家の東側には子ども部屋を置くといいということ。しっかり芽の伸びる子どもになるとされています。

南の方角でいえば、日が当たり、家の中でも暖かいエリアです。暖かい南方向にはリビングなどみんなが集まって明るく過ごす場所を作るといいでしょう。

西は太陽が沈んでいく方向です。沈むというと悪く聞こえますが、太陽が入ってくるという解釈もできる。つまり、食べ物に困らないように西の方向には貯蔵庫とかキッチンを置くといいとされています。

最後に、北は太陽の影響を受けにくい方角です。寝室など、静かに過ごす場所を北に作るといいですね」

寝室は北がおすすめ。ベッドは頭部分を壁につけること、ベッドボードがあることがポイントです。

よく耳にする「鬼門」とは?

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鬼の門と書いて「鬼門」(方角は北東)というのが風水では重視されていると聞きます。「鬼門」は男性の運気を下げ、「裏鬼門」(南西)は女性の運気が下がると言いますが、実際はどうなのでしょうか。

「『鬼門』はよく耳にする言葉だと思いますが、風水では実はそこまで重視していません。一説によると中国では北東の方角のことを生きる門と書いて『生門(せいもん)』と言われていました。『生門』は太陽が昇る直前の方角であり、風水の誕生した土地の中国人は恐れません。

その 『生門』が日本人によっていつの間にか『鬼門』になり、恐れられるようになってしまったようですね。正直、鬼門の方向はダメとかは気にしなくていいと思います

避けた方がよい配置は?

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鬼門は恐れなくてもいいと聞いて、少しホッとしますね。できるだけ運気の上がる家にするのは、他にどのような点を注意すればよいのでしょうか?

「2階建ての住居を建てる場合、1階にキッチンを作ったときにその真上のお部屋を寝室にするのはよくないと言われています。火は上っていくもの。その上る気が寝室を焼いてしまうのです。

また1階の部分に駐車場を作って、その上を部屋にしてしまうのも、あまりおすすめできません。自動車は排気ガスも出るし、がらんどう(広々としてがらんとしている状態のこと)になっているから、足元がスカスカに、地に足がつかないため不安定になってしまうと言われています。

あとは、キッチンとトイレの扉が真向かいになるのもやめたほうがいいでしょう。キッチンは火の気、トイレは汚れた気になります。その火がトイレから流れてくる臭気を煽ってしまって、全体にまき散らしてしまうからです。

部屋と部屋の扉を真向かいに作るような建て方もNGです。真向かいのレイアウトは喧嘩の象徴になってしまい、争い事が増えるとされています」

自分の肌感覚を信じて

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家を建てるとき、ハウスメーカーさんで風水師を紹介してくれるところもあると聞きます。もし風水師から自分の要望とは違う図面を提案された場合、どこまで従うべきでしょうか?

「家は高い買い物です。こんなこと言い出したら占いを全否定しているように聞こえるかもしれませんが、占いって絶対じゃないんですよ。風水は占いではなく、そもそも環境学、そして利便性や心地よくするための知恵なんです。

そこを考えると、自分の要望とは違う図面になるなら風水は重視する必要はないと思います。風水は目に見えるものが先で、目に見えないものが後という考え方です。

どの風水師も、まず目に見えるものを観測します。あまりにも周囲から落ちくぼんだような土地はやっぱり暗くなるし、湿気も感じるし、薄暗く日当たりが悪くなるなど、風水は視覚情報、体感的な情報を重視しているのです。目に見えるものを重視する風水師であれば、そもそも変な形の図面は描かないはずなんですよ。自分自身の肌感覚は信じていいと私は思います」

次回は、マンション購入時やリフォームの際のポイントを伺います。


 

暮れの酉(くれのとり)

暮れの酉(くれのとり)

19歳から占い一筋で勉強を続け、大阪ミナミの老舗占い館で18年間No.1の座に君臨。「占いを極めたい」という思いから、中国古典まで紐解いて得た豊富な知識と技術が魅力。その知識を活かし、占いアカデミーの講師も務める。現在、『占いなんて信じない』『どこまで言っていいですか?』(テレビ東京)など複数のメディアに出演。また、『暮れの酉の繊細な人のための鳳凰数術占い – 名前と生年月日でわかる生きやすくなるための方法』(ヨシモトブックス)が好評発売中。

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フジノ
フジノ

出版社2社を経て、フリーのライター・編集者・ウェブデザイナーに。趣味はスポーツ観戦と旅行。産業カウンセラー、EAPメンタルヘルスカウンセラー、メンタルヘルス・マネジメント検定種などの資格を保有。メンタルヘルスケアの記事を得意とする。

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