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育児中の働き方。「専業主婦」「パート」「フルタイム」…経験してみてどうだった?リアルな声を調査

結婚後、それぞれの事情、その時々の状況に応じて、働き方や家庭との関わり方を変えてきた女性は多いと思います。

今回は、専業主婦、パート勤務、フルタイム勤務を経験した女性と、複数の属性を経験した女性にそれぞれのメリット・デメリットについて質問しました。

育児中女性の就業状況・就業時間は?

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『kufura』編集部のアンケートに協力頂いたのは、子どもがいる20~50代の女性123人。

まず、これまでに経験したことがある就業状況・就業時間の形態について質問しました。回答者がこれまでに経験した属性は、以下のような割合でした。

【子育て中に経験した就業状況・形態】

フルタイム勤務・・・22.0%

パート勤務・・・17.9%

専業主婦・・・39.8%

パート勤務/フルタイム勤務・・・2.4%

専業主婦/パート勤務・・・9.8%

専業主婦/パート勤務/フルタイム勤務・・・4.9%

その他・・・3.2%

アンケート内のフルタイム勤務とは、職場で定められている、所定の勤務時間帯を“フル”で働いている労働者。同じ“フルタイム勤務”であっても、正社員、派遣社員、契約社員などに細かく分類されますが、今回は“労働時間”に着目しています。

パート勤務は、1週間の労働時間が“フルタイム勤務者”の所定の労働時間より短い労働者のこと。

専業主婦は、仕事を持たずに家事・育児などに従事することです。

フルタイム勤務・パート勤務・専業主婦、それぞれの経験で感じたメリットとデメリットについてうかがいました。

「子育て中のフルタイム勤務」のメリット・デメリットは?

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まず、フルタイム勤務の経験者の声をご紹介します。

回答内で頻出していたのは“安定収入”と“時間的な余裕のなさ”に関するキーワードでした。

「良かったことは、金銭面で余裕があること。悪いことは家族のフォローがないと急な残業などが無理」(33歳・事務)

「メリットはお金を稼げること。でも、周りのフォローがないと、フルタイムは無理だと思う」(35歳・その他)

「良かったところは仕事が忙しいので“ママ友が”“義実家とのつきあいが”とかそういうことを考えているヒマがないことです。悪かったところは手一杯なのでなにかイレギュラーなことが転がり込んでくると、全ての歯車が狂いかねないことです」(39歳・公務員・団体職員)

「良かった点は、定期的に給料が入るし正社員なのでボーナスもあること。家庭の都合さえなんとかなれば、昇格も可能で伸びしろがある。悪い点は、時間がなさすぎて合理性を追求するあまり損得勘定でしか動かなくなったこと。家族以外の無駄な付き合いや手がかかることは一切排除して暮らしているので快適だがこれいいのかと思うときもある」(44歳・その他)

「良かったのは収入が安定していることです。悪かったのは職場と自宅の往復になったことです」(46歳・その他)

「仕事というものがしっかりとできる喜びがある。でも、とにかく時間が足らない」(48歳・総務・人事)

フルタイム勤務の経験者の大多数がメリットとしてあげていたのが収入面の安定でした。加えて、働く喜びを感じているケースも見受けられました。

一方、デメリットとして多くあがっていたのが時間的な余裕に関する回答です。

例えば、昼食休憩の1時間を含めて職場に9時間滞在すると仮定して、残業・通勤時間を含めると1日の活動時間の大半を仕事に充てる日もあるでしょう。

そのため、家族の理解・協力がないことには、子育てとフルタイムの両立は難しくなる、という多く寄せられています。残業が発生する職場で働けるかどうかは、家庭の協力体制や子どもの保育条件がかなわないと難しいとの声もあります。

「子育て中のパート勤務」のメリット・デメリットは?

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続いて、パート勤務経験者のメリット・デメリットについてご紹介します。

頻出キーワードは、“家事負担”と“正社員との格差”でした。

「収入が多少あることで、気持ちに余裕ができた。悪かったことは、家事がおろそかになり、家族に負担がかかってしまった」(45歳・主婦)

「子どもの行事や病気などでも休みやすいことが、メリットでした。普段ワンオペ育児なので正社員だと自分には到底両立できないと思いました。パートで悪かった点は、お休みが取れるぶん、お給料は上がらない。夫にはパートをちゃんとした仕事だと思ってもらえない。パートなんだからと軽く思われてしまう」(34歳・主婦)

「パートは正社員より下に見られて家事をやれないならやめればいいと言われる」(45歳・主婦)

「子どもが保育園に行くようになり、仕事と家事育児は大変だが給料を貰えるありがたみを感じます。友達とのご飯も夫に申し訳なさを感じなくていい。仕事を始めても夫より帰宅は早いので全て家事をするのは変わらない。もう慣れたがイライラはする」(34歳・総務・人事)

「自分で働いて収入を得ることで、自己肯定感が上がった。収入が増えたので心に余裕が生まれた。悪かった点は、育児と家事と仕事をこなさなくてはいけないので、一日中バタバタしている」(40歳・主婦)

「働きに出ると逆にお金がかかることに気づきました。夫に負担がかかるので、夫は専業主婦でいてもらいたくて、働きに出ても2時間で帰ってきてほしいって言われています」(48歳・主婦)

「良かったことは、家と仕事のストレスが仕事と家で上手く発散できていた感じ。悪かったことは、家の事も仕事もしていて忙しいのに仕事は半日だから時間に余裕があると思われて、家のことはほとんど自分がやらなきゃならないこと」(56歳・総務・人事)

働いた分だけ収入を見込める点、ある程度時間の融通がきく点がパート勤務のメリットとして多くあがっていました。

一方、デメリットとしては正社員との賃金格差、家庭・職場内での“立場の弱さ”についての回答がじつに多く見受けられました。

「“家庭のこと”は、母親が“ちゃんと”担当する」という前提でパート勤務を続けている場合には、夫の理解・協力が得られにくく、育児と仕事の両立のプレッシャーがかえって高まる側面もあるようです。

「専業主婦」のメリット・デメリットは?

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続いて、専業主婦経験者の声をご紹介します。

頻出キーワードは、“子どもとの時間”“肩身の狭さ”でした。

「ゆっくり子どもと過ごせる。しかし、ずっと子どもといるとストレスになることもある。いざ働くとき社内復帰出来るか不安を感じる」(31歳・ 主婦)

「良かった点は子どもとじっくり向きあえる時間が長いこと。悪かった点は1人になれる時間もなく、自分のストレス発散がうまくできなかったこと」(32歳・主婦)

「時間に余裕があり、子どものお休みなどイレギュラーなことに対応できる。悪い点は、社会とのつながりが少ない、肩身が狭い」(37歳・主婦)

「子どもと遊ぶ時間があったが、家族としか話さない日があった」(49歳・主婦)

「子どもの宿題などしっかり様子を見てあげることができる。どうせ稼ぎがないとバカにされる」(42歳・主婦)

「海外生活歴10年、日本に帰国して、日本のお母さんはやることが多岐にわたっていると思いました」(48歳・主婦)

専業主婦経験者からが多く寄せられていたメリットは、育児に時間をかけられることです。

しかし、家事労働や育児に専念して賃金を得ていないことに肩身の狭さを感じている人、社会とのつながりを失って孤独や社会復帰の不安を抱えている人の声もありました。

複数の属性を経験した女性に聞いた!

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続いて、複数の属性を経験した女性の体験談をご紹介します。

「専業主婦は、時間的にも気持ち的にも余裕があって、子どもに向き合う時間が取れ、寄り添ってあげられて良かった。悪かったのは、家族以外の人との会話がなくなったこと。

パート勤務では、仕事と家庭と無理なく両立でき、世帯収入も増えた。悪かった点は、ボーナスがなく、時間的な融通はきくが、やっぱりボーナスは欲しいと思った。

フルタイム勤務のよいところは経済的な余裕。悪かったのは、時間に追われすぎて、毎日イライラしてた気がする」(47歳・主婦)

「パート勤務では、仕事の負担が軽くなり、体が休まるので良かった。しかし、収入は5分の1になった。フルタイム勤務では子どもを理由に仕事の幅が狭くなるので、両立は難しい」(50歳・営業・販売)

「専業主婦は、子どもの成長を間近で見られて嬉しかった。でも、子どもと1対1なので社会から孤立している感じがしていた。パート勤務では、社会に少しの時間でも出ることが出来て気分転換になった。しかし、子どもが風邪などで休むときに調整をしなくてはいけないので大変だった」(41歳・主婦)

「パートは賃金は安いけど、好きな時間滞で働けるのがいい。フルタイムと家事育児はきついけど、やりがいはあった。今は仕事と家事だけなので時間に余裕ができた」(53歳・総務・人事)

時間的な余裕、安定した収入、やりがいのある仕事。全てを手に入れることのなんと難しいことでしょうか……。

デメリットとの折り合いをつけて、得られるメリットを優先している人も多く見受けられました。

 

以上、今回はフルタイム勤務、パート勤務、専業主婦の経験者の体験談をご紹介しました。

それぞれの就業状況・時間を選んだ背景としては、以下のような事情があったと推測されます。

  • その選択肢しかなかった
  • 条件が整い、その選択をすることができた
  • “そういうもの”だと思っていた
  • 周囲からその選択がベストだと説得された
  • その選択を望み、周囲を説得した

自分で意思決定した場合と、環境によって意図せず「そうなった」場合があると思います。

今回のアンケートを見ると、“育児”と“家事”をおろそかにできないというプレッシャーは、働き方の選択に大きな影響を与えていることがうかがえます。

近年は厚生労働省で、職務、勤務地、労働時間を限定した“多様な正社員”の普及についての議論が進められています。時間的な余裕、安定した収入、やりがいのある仕事。全て100点満点は無理にせよ「ゼロか100か」のような選択に迫られる機会は減っていくといいですね。

北川和子
北川和子

自治体HP、プレスリリース、コラム、広告制作などWEBを中心に幅広いジャンルで執筆中。『kufura』では夫婦・親子のアンケート記事やビジネスマナーの取材記事を担当している。3児の母で、子ども乗せ自転車の累計走行距離は約2万キロ。地域の末端から家族と社会について日々考察を重ねている。

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