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夫の「とるだけ育休」を防ぐために!産後の妻が育休中の夫に「本当にして欲しい」こと

2015年まで2%台と低迷していた男性の育休取得率。近年、目立って増加しており、2021年には13.97%まで上昇しています。

2022年10月1日からは新たな制度「産後パパ育休」がスタートしたほか、夫婦ともに育休を分割して取得することも可能になり、育休取得の割合がさらに増加することが予想されています。

過渡期を迎えている「男性の育休」

男性の育休は、今まさに“過渡期”を迎えています。

『kufura』では育児中の男女の声を継続的に収集していますが、産後の生活がのちの夫婦関係や育児の負担感に影響を与えているケースは少なくありません。

「産後、旦那の帰りが遅いから1人で大変だった」
「夫が家事をまったくしなかった」
「退院当日に家事をしなければならず、体の回復が遅れた」

などなど、産後を振り返って“夫に~してもらえなかった”という思いを引きずっている女性の声が多く聞かれます。

一方、育休を経験した男性は、身近な家族や同僚から

「自分の妻は、退院後はすぐ家事をできたのに」
「新生児は寝ている時間が長いから父親がやることはない」
「休めていいね」

といった言葉をかけられたなどの声があり、経験者から適切なアドバイスをもらいにくい環境にある人は少なくありません。

かくもすれ違いやすい産後ですが、赤ちゃんが自宅にやってきてからは、長い育児ライフが待っています。

産後は夫婦関係の新たな段階に入りますが、妻は夫にどのようなサポートを望んでいるのでしょうか。

産後の妻が最も望むのは「産後の母体の心身の理解」

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2019年、コネヒトと日本財団が共同で行った「パパ・ママの育児への向き合い方と負担感や孤立感についての調査」の結果が物議をかもしました。

育休中の男性の32.3%が1日あたりの家事・育児時間が「2時間以下」、そのうち17.7%が「1時間以下」ということが明らかになったからです。

この結果を受け、“とるだけ育休”という言葉がインターネット上で話題になりました。

『kufura』の過去記事「“男性の育休”取得率が約14%(過去最高)に!経験者にリアルな感想を聞いてみた」で、育休取得経験者のエピソードを聞いたことがあります。その際「生まれてすぐはあまりやる事がない」「役にたたなかった」という声も含まれていました。

どうやら、“とるだけ育休”の背景には「何をやったらいいかわからない」と戸惑う男性が少なくない模様。

こうしたすれちがいを避けるためには、まず「夫側が“産後のからだ”について理解する」という点が最も大切であるようです。

前出のコネヒトが調査したところでは、産褥期にあたる産後8週間までの期間に妻が夫に求めていることとして最も多かったのは「産後の心身の状態の理解」でした。

1位・・・産後の心身の状態の理解

2位・・・休息・睡眠をとらせる

3位・・・家事の担当

4位・・・精神的な支え

5位・・・主体的な姿勢

出典:コネヒト

具体的に産後のからだについて「知っていておいてほしい」と感じているのは、以下のようなことでした。

【産後の体で理解してほしいこと】

  • 精神状態が産後はかなり不安定になるから話を聞いてくれるだけでよかった。

  • 特にメンタル面は自分でも驚くほど安定しなくなるので、それがホルモンの関係だと知っててもらうだけでも対応がだいぶ違う。

  • 産後によるホルモンバランスの変化や睡眠不足による不安定さでイライラしてしまうことが多かった為、理解してもらえると自己嫌悪になり過ぎずにいられる。

  • お腹から出たら元通りみたいに思っていそうだけど、そうではないし、それにプラス連続して寝られない辛さ、授乳の大変さなどをもっと知ってほしい。

産後は、目に見える家事・育児以前に、まず、産後の女性のからだについて理解することで、適切な家事・育児サポートにつながるようです。

さらに、産後に夫にしてもらって“うれしかったこと”としては以下のような回答がありました。

【産後にしてもらってうれしかったこと】

  • 産後私の体や心の心配を1番にしてくれたこと。子供が産まれてすぐは周り全員子供ばかりに目がいく中、旦那がまず私の精神や体の負担を気遣ってくれたことが産後体も心もヘトヘトになっていた自分には本当にありがたかった。

  • 朝起きて、私が授乳していれば飲み物がいるかきいてくれます。私自身飲めてないことが多いのを知ってくれてることが嬉しい。

  • とにかく口に出してねぎらってくれた。ケーキやゴハンを買ってきてくれるのも嬉しいけど、メンタルを支えてくれるのに勝るものはない。

  • 先読みして行動してくれる、やる前から自分にはできないと思わないでやってくれる。

産後の女性が求めていることは、1度の出産ごとに異なっています。

とくに初めての出産の場合には、自分の体の変化と赤ちゃんを“生かす”ことに精一杯で、「夫に何をして欲しいか」という点を把握できないまま時間が過ぎていくこともあると思います。

今回の調査を見ると、夫の「まず目の前の相手の状態を理解する」という姿勢が適切なサポートの大前提となっており、妻側も「して欲しいことを根気よく伝える」ことが大切なようです。

育休取得率が低迷していた頃は“産後クライシス”という言葉がよく聞かれたように、産後の夫婦関係の不安がクローズアップされていた時期もありましたが、現在は相互理解に努める夫婦が増えてきたように思います。

「産後は夫婦の関係性を見直す過程で多少ギクシャクすることもある」と少し長い目で見ながら、人生の中でもスペシャルな期間を2人で笑って振り返ることができますように。

【参考】

育休中のパパの約3人に1人が一日の家事・育児「2時間以下」。「育休を取得しない」場合よりママの家事・育児役割分担納得度が低い結果に~【「変えよう、ママリと」 × 日本財団 調べ】~

【産後パパ育休】夫に求めること第1位は「産後の心身の状態の理解」〜夫にしてもらって嬉しかったことの具体例も公開〜

北川和子
北川和子

自治体HP、プレスリリース、コラム、広告制作などWEBを中心に幅広いジャンルで執筆中。『kufura』では夫婦・親子のアンケート記事やビジネスマナーの取材記事を担当している。3児の母で、子ども乗せ自転車の累計走行距離は約2万キロ。地域の末端から家族と社会について日々考察を重ねている。

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