子育て世代の「暮らしのくふう」を支えるWEBメディア

共働き家庭の「小4以降の夏休み問題」…学童に行かない子はどう過ごしてた?

夏休みシーズンに突入し、子育て中の家庭では、日々の昼ご飯準備や子どもの居場所確保、レジャーの計画など、さまざまな準備や根回しに奔走する時期を迎えています。

今回は、小学校高学年の子どもを持つ共働き家庭の夏休みに着目。

夏休み中の子どもの過ごし方について聞いてみました。

学校に行かなくなる夏休みの過ごし方。いったいどこで過ごしたら…

null

共働き家庭の子どもにとって、夏休み期間の学童は貴重な居場所の1つ。しかし、小学校高学年以降、夏休みの居場所として“学童”という選択肢がなくなるケースがあります。昨年の厚生労働省のデータを参照すると、放課後児童クラブ(学童)に登録している児童の80.2%は小学3年生以下。4年生の進級時に、多くの児童が学童を退所していると推測されます。

その背景には、待機児童の増加、小学校4年生以降の“枠”がない、子どもが行きたがらないなど、地域ごと、家庭ごとの事情があります。

今回『kufura』編集部は、小学校4年生~高校の子どもがいる有職女性55人にアンケートを実施。

小学校4~6年生の子どもが夏休みの日常を子どもがどう過ごしていたのか、聞いてみました。

結果は回答者が多かった項目順にご紹介します。なお、複数の居場所を活用している場合には、それぞれの項目でカウントしています。

子どもだけで自宅で留守番(16人)

null

今回のアンケートで最も多かったのが、自宅での留守番というケースでした。

「食事を作って置いて子どもは自宅で過ごした。友達が遊びに来て一日中だらだら過ごしていた」(43歳・総務・人事・事務/子・小学校4年生以下・中学生・高校生)

「共働きだったが、私の職場が家から近いので、午前中は宿題や勉強をさせて、昼休みにお昼ご飯を準備しに帰り、その時に午前中の宿題・勉強のチェックをして、きちんとできていたら午後からはゲームなどOKにしていた」(38歳・その他/子・小学校4年生以下・小学校5年生~6年生)

「昼食の準備をして、仕事に出掛けた。その間子どもは一人で自宅で過ごした。ゲーム機で遊ぶことが基本的に多かったと思うが、1日にこなすべき学習・勉強はそれなりにはこなしていたと思う」(47歳・その他職種/子・小学校4年生以下・小学校5年生~6年生)

昼食を用意して親は仕事に出かけていくケースです。親からは、日中、長時間の留守番が毎日続くことの不安も寄せられていました。

留守中の心配ごととしては、火の利用やテレビ・ゲームの視聴時間、防犯に関する回答が目立ちます。アンケートでは子どもからの声を収集していませんが、親にとっては、乳幼児期のように終始目が離せないわけではないものの、“何か”があったときの不安が伴っているようです。

祖父母にサポートしてもらう(13人)

null

子どもの祖父母と近居・同居の場合、昼食の準備や見守りを依頼しているケースです。

「近くに実家があるので、実家に行ってもらったりしていた」(40歳・医師/子・小学校5年生~6年生)

「私の母である祖母の家で過ごしていました」(45歳・総務・人事・事務/子・小学校5年生~6年生・高校生)

「毎日のお昼ご飯の準備が大変だったけど、実母が同居なので助かります」(46歳・総務・人事・事務/子・小学校5年生~6年生・高校生)

親の留守中に近居・同居の祖父母が心強い存在となることも。今回のアンケートでは、“母方の祖母”にお願いしているケースが目立っています。

習いごと・塾(9人)

null

日常生活に習いごとの時間を組み込んだ事例です。

「学童を辞めていたので、塾と家の往復でした。ほとんどどこにも遊びに行けなかったので、子どもに申し訳なかった」(41歳・営業・販売/子・小学校4年生以下・小学校5年生~6年生・中学生)

「小4の夏休みまで、民間のアフタースクール(学童)を利用、それ以降は留守番させていた」(47歳・その他/子・小学校4年生以下・中学生)

「塾に通わせていた。それ以外は祖父母の家に泊りがけで行っていた」(52歳・総務・人事・事務/子・高校生)

回答者は、夏休み期間中に子どもが“学ぶ場所”“体を動かす場所”“遊ぶ場所”を確保して、定期的に通わせていました。小4~小6の子どもが安全に通えて、なおかつ楽しく過ごせる場所があれば、それはラッキーなことなのかもしれません。

学童(7人)

null

地域の学童に通っていたケースです。

「学童に行っていた。おかげで計画的に夏休みの宿題が終わった」(48歳・研究・開発/子・中学生)

「お弁当を持って児童館や学童に行っていました」(37歳・主婦/子・中学生・高校生)

今回のアンケートでは、小学校4年生以降の子どもを学童に通わせていた割合は12.7%でした。地域内の学童に入所でき、なおかつ子どもが通うことを嫌がらなければ、貴重な居場所となります。

夏休み中の働き方を変える(5人)

null

親の働き方を変え、在宅時間や子どもと過ごす時間を伸ばした事例です。

「夏休みは仕事の閑散期だったので、休みにしてもらった」(48歳・主婦/子・高校生)

「子どもを一緒に連れていける仕事だったので 一緒に連れて行った」(49歳・その他/子・小学校5年生~6年生・社会人)

正社員の場合には残業を減らす・リモートワークを増やす・夫婦が順番に有休を取るなどの対策で、パート勤務の場合にはシフトを減らすなどの対策で夏休みを乗り切っていました。

その他、少数意見は?

null

以下のような過ごし方もありました。

「自宅拠点の自営業のため、子どもたちも自宅で遊んだり宿題をして過ごしています」(43歳・自営業/子・小学校4年生以下・中学生・高校生)

「発達障害の息子のため、デイサービスに行っていた」(53歳・その他/子・中学生)

「夜勤なので特に問題はなかったが、昼間は私自身が少し睡眠不足になった」(49歳・その他/子・高校生・大学生・専門学校生)

育児中の家庭にとって、夏休みは、なぜ大変なのか?

null

今回は、共働き家庭の夏休みの過ごし方についてお届けしました。

以前、『kufura』が小学校高学年の放課後をテーマとした記事「共働き家庭の“小4以降の放課後”どう過ごしてる?“学童をやめた”後はどう変わった?」を配信したところ、学童から退所した後の放課後の過ごし方についてさまざまな反響がありました。

多く聞かれた声が「放課後はなんとかなるけど、夏休みが大変」というものでした。その理由としては

・留守番の時間が長くなる
・猛暑で外で遊べない
・宿題を見てあげられない
・思い出をつくってあげられない
・学童に入れない

などなど。

屋外で遊ぶには暑すぎる近年の日本の夏。友達の家に頻繁に行くのは申し訳なく、頻繁に来られるのも心配。近所に頼れる人がいない場合にはひたすら子どもが留守番、というケースも目立ちます。児童館や公共のプールなど、学童以外に涼しく安全に1日過ごせる場所が自宅からアクセス可能ではないケースもあるでしょう。

今回のアンケートの内容を見ると、現時点では共働き家庭が夏休みを“難なく”乗りきるには、いくかの“育児リソース”が必要なのだと感じました。

親の留守中に安心して過ごせる居場所、柔軟な働き方ができる職場、協力し合えるパートナー、健康で協力的な祖父母、留守番ルールを遵守できる小学生、有意義な体験のために使えるお金……。各家庭が活用できる“育児リソース”の多寡や地域の環境によっても、各家庭の夏休みの負担感は変わってくると思います。

ちなみに、アメリカの育児サイトでも夏休みを“survive”(生き抜く)ための“strategy”戦略(戦略)に関する記事がよく読まれていました。夏休みの小学生の居場所としてポピュラーな“サマーキャンプ”の費用が高騰し、子ども1人あたりにつき数万~数十万円のキャンプ代金が家計を苦しめている事例も紹介されていました。

夏休みシーズンは、国内外の多くの親が子どもの“安全で有意義な時間”のために頭を悩ませる季節なのかもしれません。

4月に発足したばかりの子ども家庭庁では子どもの居場所づくりの推進を表明していますが、地域内の“夏休みの居場所づくり”や家庭の経済力に依存しない“有意義な体験”の創出によって、小学生の親の負担感はいくらか軽減されるのではないでしょうか。

 

【参考】
令和4年(2022年) 放課後児童健全育成事業(放課後児童クラブ)の実施状況 – 厚生労働省

子どもの居場所作り –  子ども家庭庁

北川和子
北川和子

自治体HP、プレスリリース、コラム、広告制作などWEBを中心に幅広いジャンルで執筆中。『kufura』では夫婦・親子のアンケート記事やビジネスマナーの取材記事を担当している。3児の母で、子ども乗せ自転車の累計走行距離は約2万キロ。地域の末端から家族と社会について日々考察を重ねている。

pin はてなブックマーク facebook Twitter LINE
大特集・連載
大特集・連載