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「一緒にお風呂に入る夫婦」はどのくらい?調査で見えた、変化していく夫婦の入浴スタイル

温泉や銭湯などの公共浴場では知らない人がいても、素っ裸で入浴することに抵抗がない日本人。一方でもっとも近い他人であるはずの“夫婦”の場合、普段から一緒にお風呂るのはアリなのでしょうか? もちろんアリ!という人も多いと思いますが、中には「恥ずかしい」「絶対無理!」という人もいるようです。

そこで今回『kufura』では、20代から50代の既婚男女217名を対象に、夫婦で一緒にお風呂に入るかどうかと、その理由についての調査を実施しました。

一緒にお風呂に入る夫婦は少数派だった!

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そもそも、どのくらいの割合の夫婦が一緒にお風呂に入っているのでしょうか? アンケートの結果は以下の通りとなりました。

Q. 夫婦で一緒にお風呂に入ることはありますか?

・よく入る・・・11.1%(24人)

・たまに入る・・・12.4%(27人)

・以前は入っていたが今は入らない・・・31.8%(69人)

・もともと一緒には入らない・・・44.7%(97人)

半数近くを占めたのは「もともと一緒に入らない」という回答。傾向的に入る頻度が高いほど、割合が少なくなる結果となっています。つまり、夫婦で一緒にお風呂に入るという行為はかなり少数派もしくは、イレギュラーなことといえそうです。

それぞれ理由も聞いてみました。

一緒に入る2大メリットは「スキンシップ」と「光熱費節約」

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続いて、夫婦でお風呂に「よく入る」「たまに入る」と回答した人を対象に、そのメリットや理由について尋ねました。その結果、多かった回答が「光熱費の節約」と「コミュニケーション」の2つ。どちらか一方の回答だけでなく、この2つが合わさっている回答が多く集まりました。

「別々に入るよりもお湯や時間を節約できる」35歳/男性/コンピューター関連技術職)

「一緒のほうが寂しくない。追い炊きしないでいいので、水道代諸々の節約になる」20歳/男性/その他)

「光熱費の節約にもなるし、コミュニケーションの場にもなる」28歳/女性/総務・人事・事務)

「光熱費の節約と、夫婦のコミュニケーションが増えること。あとは二人とも年齢を重ねて体調の不調が急に来るようになったので、片方に何かあればフォローできる」42歳/女性/主婦)

お風呂の最中に体調が悪くなる代表例といえば、冬場に起こりやすいヒートショック。また高齢で要介護になると、お風呂に入るサポートを行う「お風呂介助」が必要になることもあります。そのため「妻の介護のために入っているので、とにかく安全に入浴できる」57歳/男性/その他)という人もいました。

子どもがいると、大人の手は2人あったほうがいい!?

その他の理由として多かったのは「子どもと一緒に入るため」。子どもも交えて家族みんなで入れば光熱費も節約できるし、コミュニケーションもとれるという先ほどと同様の理由に加えて、大人2人で子どもをフォローできるメリットもあるようです。

「子どもをお風呂に入れるのに、大人が2人いると楽だから」32歳/女性/総務・人事・事務)

「子どもを入れている時、ついでに妻が入ってくる」43歳/男性/コンピューター関連技術職)

「子どもも一緒に入ることで、お風呂が楽になる」27歳/女性/公務員)

「夫に加えて子どもと一緒に入ることがあり、良い時間だと思っている」24歳/女性/営業・販売)

夫婦に加えて子どもも一緒となれば、ある程度の広さの浴室や浴槽が必要となりそう。家族みんなでお風呂に入るかどうかは、住宅事情も関係してきそうです。

そのほか、夫婦で入るとこんなメリットも…

「届きにくい背中などをお互いに洗ってあげることができる」52歳/男性/会社経営・役員)

「旦那さんの体形チェックができるから」45歳/女性/その他)

「お互い太ったので、変化を観察するため」58歳/女性/その他)

お風呂の明るい照明のもとだと、確かにお互いの体形の変化がよく観察できそうです。ちなみに筆者は裸眼だと視力0.01なので、あまりきちんと観察できません。

今はもう入らない最大の理由は「子ども」!

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その一方で今回意外と多かったのは「以前は入っていたが、今は入らない」と方々。その理由を紐解いてみると、多かったのは「子どもが生まれたから」というものでした。

「子どもが生まれてからは、夫婦で順番に入って子どもを洗わないといけなくなったから」32歳/女性/主婦)

「以前はたまに一緒に入ることもあったけれど、子どもが生まれてからは子どもと入るので、自然と夫婦では入らなくなりました」46歳/男性/コンピューター関連技術職)

「子どもに気をつかうため」45歳/男性/総務・人事・事務)

父親と母親が一緒にお風呂に入ることを、子どもはどう感じているのか? 子どもの年齢にもよるかもしれませんが、その点を気にする人もいるようです。

そのほか多かったのは以下の理由でした。

いくら夫婦でも、年齢を重ねると恥ずかしい!

「お互い年をとり、恥ずかしくなった」58歳/男性/営業・販売)

「そんなのは新婚時だけで、年老いた今は恥ずかしいです」59歳/男性/その他)

「子どもと3人で入ることはあったが、成長につれ風呂場が狭いし、生理的に嫌になった」45歳/女性/総務・人事・事務)

夫に対して妻が「生理的に嫌になった」いうのはなかなか辛辣な意見。一方男性は高齢になるにつれて「恥ずかしい」と感じる人も多いようです。

年齢を重ね、体形の変化をみせたくない!

年齢を重ねれば基礎代謝も低下し、太りやすくなるのは自然なこと。体形が変化し、裸をみせるのが恥ずかしいという意見もありました。

「自分が老いてだらしなくなった身体を見せたくない」49歳/男性/その他)

「お互いいい年しているので、しまりのない体を見たくないし、見せたくない」56歳/女性/主婦)

パートナーに合わせるのは面倒…生活リズムが合わなくなる

新婚当初はパートナーの帰りを待って一緒に入っていたけれど、年齢を重ねると個々の生活リズムが重要に。これも結婚生活が長くなると、自然な感覚でしょうか?

「新婚当時は一緒だったけど、今はお互いの時間で生活しているから」54歳/男性/その他)

「生活パターンが合わなくなったため」45歳/女性/主婦)

「時短のために昔は一緒に入っていた。最近は帰宅時間も異なるし、年も増したので個々に入っている」50歳/女性/主婦)

夫婦でも、夫婦だからこそ…一緒に入りたくない理由とは

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そして今回一番多かったのが44.7%を占めた「もともと一緒には入らない」。なぜ一緒に入りたくないのか? 多かった意見を紹介します。

お風呂くらい1人でゆっくり入りたいから

「お風呂は一人で入ったほうがいいです」49歳/男性/コンピューター関連技術職)

「お風呂はプライベートな時間なので一人でゆっくりとしたいから」43歳/女性/主婦)

「お風呂は一人でゆっくり入りたいのと、夫がシャワーで済ませることが多いから」39歳/女性/主婦)

お風呂が狭いから

「狭いからもともと一緒には入らない」52歳/男性/総務・人事・事務)

「狭いし1人で入りたい」37歳/女性/主婦)

「お風呂が狭いので窮屈になる」57歳/女性/主婦)

とにかく恥ずかしいから

「恥ずかしくて無理」43歳/女性/主婦)

「結婚した時から自然と入らなかった。お互いに恥ずかしい」51歳/男性/コンピューター関連技術職)

「最初から抵抗があった」53歳/男性/その他)

「一緒に入る」という発想がそもそもない

「旦那と一緒に入るなんてありえない」49歳/女性/総務・人事・事務)

「別に理由はないけど入らない」47歳/男性/その他)

「誰かと入浴が苦手だから」23歳/女性/コンピューター関連技術職)

「気持ち悪い」55歳/女性/主婦)

「価値観の違い」36歳/男性/公務員)

一緒に入る人たちにとっては「夫婦なのになぜ恥ずかしいの?」「なぜ夫婦なのにありえないの?」と思うかもしれませんが、こういった感情は理屈ではないような気がします。

なんとなく若い夫婦は一緒にお風呂に入るけれど、年齢を重ねると一緒に入らないようなイメージもありました。

そこで今回それぞれの回答ごとに平均年齢を調べたところ、一番平均年齢が若かったのはやはり「よく入る」で38.5歳。それに続くのは「たまに入る」(42.8歳)でした。一方「もともと一緒には入らない」の平均年齢は47.4歳で、一番年齢が高いのは「以前は入っていたが今は入らない」(48.9歳)。

やはり一緒に入るかどうかは、年齢による影響は大きいようです。年齢を重ねると一緒に入らなくなるのは愛情が薄れたわけではなく、自然の成り行きなのかもしれません。

高山恵
高山恵

東京都出身、千葉県在住。短大の春休みより某編集部のライター見習いになり、気が付いたら2022年にフリーライター歴25年を迎えていた。現在は雑誌『DIME』(小学館)、『LDK』(晋遊舎)などで取材・執筆を行うほか、『kufura』などWEB媒体にも携わる。

執筆ジャンルは、アウトドアや子育てなどさまざま。フードコーディネーターの資格も持つ。

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