前回の【夫編】に続き、今回は逆の立場による調査を実施。20代から50代の既婚女性79名を対象に、その反応と本音を調査しました。
パートナーが褒められた時のリアクション3パターン
nullまず、「いい旦那さんね」「イクメンだね」「旦那さんかっこいいね」などと夫が褒められた際、妻がとるリアクションは大まかに3パターンに分類されました。これは夫側のケースとまったく同じです。
・「ありがとう」と素直に感謝する。
・「そんなことないよ」「いやいや」などと謙遜する。
・「いやいやー」「そうかなあ」などの曖昧なリアクションをとる。
ちなみに、夫側の意見として一番多かったのは「ありがとう」と素直に感謝する人でしたが、妻側では「そんなことないよ」などと謙遜する人がほぼ同じくらい多い結果となりました。
夫が褒められるとモヤッとする妻が多数!
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本音の部分ですが、妻側の意見で一番多かったのは、ズバリ「そんなことはない」と謙遜・否定しながら、内心でも本当に夫に対して不満を感じているケースでした。では夫が褒められた際の妻のリアクションと、内心に渦巻く夫への不満の数々をご紹介します。
なお、ご紹介するコメントは「妻が褒められた時のリアクション/本音」の順でお届けしています。
「『そうでもないよ。外面がいいだけよ』/家では優しくないのに外ではいい人ぶっているので、腹立つ」(48歳/主婦)
「『ありがとう!』とお礼を言いつつ、『でも〇〇なんだよね』と謙遜しておく/料理してくれて羨ましいと言われますが、めちゃくちゃに汚れたキッチンを片付けるのは私」(53歳/総務・人事・事務)
「『騙されちゃだめだよ』と言います/家では何もしないし役にたたない」(48歳/総務・人事・事務)
「『いやいや』と、謙虚に答えている/『優しそう』と言われるが、実際はそうでもない」(47歳/営業・販売)
「『いや、外面がいいだけで、家では別人』とはっきり言う/『いいなぁ他の旦那さんは。私は本当に結婚したこと失敗したよ。外面が良すぎて二重人格で、結婚してから本性知ったから最悪で、こっちは精神やられてるのに』と思う」(45歳/主婦)
「『そんなことないですよ~』的な謙遜とも否定ともいえる言葉で煙に巻く/たしかに家庭的な夫なので、そこを褒められたらうれしいかも。だからといって夫の性格は大好きとは言えない」(55歳/主婦)
かなりの長文による本音はかなりパンチが効いています……。「そんなことないよ」というリアクションは一見すると謙虚な受け答えのように見えますが、じつは本音というケースが多いのかもしれません。ちなみに、夫編でここまでびっしりと妻に対する不満を書いた人はいませんでした。
表向きは無難に返事をしても、内心は不満を抱えている人がここでも…

続いて多かったのは、「ありがとう」などと無難にリアクションしつつ、内心ではやっぱり本当に夫に不満を感じているケース。夫への不満はまだまだ続きます……。
「イクメンなのを褒められたら『うん、今日は頑張ってるね』と返す/家では何もしないけど、外ではイクメンアピールしたがる。ずるい」(44歳/主婦)
「『そうなの、いい人でしょ、私が選んだ人だからねー』と自慢したり『いい人なの。私と結婚したぐらいだから』とか言います/なかなか面倒な人だけど、それを人に言うのも面倒」(58歳/その他)
「褒められたら『ありがとう』が一番無難と思います/優しそうな旦那さんと言われますが、外面がよく見栄をはりたがりの性格なので苦笑いです」(50歳/総務・人事・事務)
「とりあえず『本当そうなの、ありがたい!』という/『昔はひどかったけどね!』と思う」(48歳/主婦)
夫が褒められたことに同調するようでいて、トゲを感じるような回答もちらほら……。昔はひどい夫でも、今は皆に褒められるような夫に生まれ変わったのならいいのでは?と感じてしまいましたが、そこまでにはかなりの紆余曲折があったのかもしれません。
もちろん、夫が褒められると心から嬉しい!と思う妻も
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ここまでの内容だと夫側に不満を抱いている妻ばかりの印象となりそうですが、夫が褒められると素直に嬉しい!という妻もたくさんいました。そこで思わずほっこりするような、夫への愛を感じるエピソードを中心にご紹介します。
「褒められたら『全然そんな事ないです!』と一応言います/大好きな夫なので、やっぱり嬉しい!」(45歳/その他)
「『そうかなあ?』と一応言う/『(褒められて)当たり前やん!』と思う」(54歳/主婦)
「私は謙遜せず『そうなんだよー』って言います/実際にいい夫なので、その通りと思う」(27歳/その他)
「『本人に言ってあげたら、めちゃめちゃ喜ぶと思う』と言います/実際優しいし、ルックスもスタイルもまぁまぁなので、褒められると嬉しいです」(58歳/総務・人事・事務)
「『神様みたいな人です』と心から思うので、そう言います/本当に自分には勿体ない人です!」(41歳/主婦)
妻側は不平不満の内容にパンチがありましたが、夫が褒められて嬉しい場合の声はとても愛情豊か。そんな風に妻に言わせるくらいの夫も、きっと素晴らしい人なのでしょう。夫婦仲の良さが伝わってくるようですね。
え!夫を褒めるだけで変に誤解されるケースも!?
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そのほか、夫が褒められることに対して「こんな風に感じるのか!」と感じた回答をご紹介します。
「家事をよくやってくれることを褒められたら『えーありがとう!』と言っておきます/実際家事をそこそこやってくれているので本当のことだが、なぜ夫だけ褒められるのかと不満に思う」(41歳/主婦)
「『そうかなー?ありがとう!』と曖昧な礼を言っておく/相手によってだが、『うちの旦那のこと狙ってないよね?』と邪推してしまうことがある」(50歳/主婦)
何気なく夫を褒めただけでも、人によっては“何で夫だけ褒められるの!?”と不満に思われたり、さらには夫を狙っていると勘繰られるケースもあるよう。そう考えると、人様の夫を下手に褒めないほうが無難なのかもしれません。
今回のアンケートでは、いい面も悪い面も夫より妻のほうが感情の揺れ幅が大きい傾向があるように感じました。夫に不満を抱く人の回答はかなり辛口でしたが、逆に「大好きな夫」「本当に自分には勿体ない」と夫への愛情を素直に表現できる人も多いのです。
また、夫側の記事では「素直に感謝する人や謙遜する人も含め、褒められた時のリアクションと内心の気持ちにはほとんど法則性はない」と書きましたが、妻側の場合もそれほどほとんど同じ。夫婦関係の深い内情は、そう簡単に他人が理解できるものではないようです。

東京都出身、千葉県在住。短大の春休みより某編集部のライター見習いになり、気が付いたら2022年にフリーライター歴25年を迎えていた。現在は雑誌『DIME』(小学館)、『LDK』(晋遊舎)などで取材・執筆を行うほか、『kufura』などWEB媒体にも携わる。
執筆ジャンルは、アウトドアや子育てなどさまざま。フードコーディネーターの資格も持つ。