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うっ…マスが埋まらない!短く終わってしまう作文を上手に引き延ばすコツ【どうサポートする?夏休みの読書感想文vol.4】

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「読書感想文の原稿用紙のマスが余ってしまった」というのは、読書感想文に取り掛かっている子どもたちからよく聞かれる悩みです。そこで今回は、短く終わってしまった読書感想文の文字数を上手に調整するコツについてお届けします。

『kufura』では、5回にわたり、親子で読書感想文を楽しく攻略するための「どうサポートする?夏休みの読書感想文」をお届けしています。ご協力頂いたのは、国語講師の吉田裕子さん。読書感想文の講座を担当するなど、多くの生徒の作文の悩みに寄り添ってきた吉田さんに“読書感想文のイロハ”を教えていただきます!

4回目は、短く終わってしまった読書感想文の文章を自然にボリュームアップさせるコツをご紹介します。

元の文章を生かして「自然に文字数を増やす」には?

読書感想文の目的は、マスを埋めることではなく、感想文を通じてより深く本を理解したり、本を通じて自分自身を見つめたりすること。それは、きっと学校の先生方からも言われていることではないでしょうか。

とはいえ、がんばって書きあげた下書きの文字数が足りないことに気づくと、「とりあえずマスが埋まればいい」という気持ちになってしまうことがあるかもしれません。そういうときの文章って、前後のつながりが不自然になってしまうんですよね……。

それでは、これまで書き上げた文章を生かしながら、自然に文字数を増やすにはどうしたらいいのでしょうか。

感想文の字数が足りなくなってしまう原因や、文章に奥行きを与えながら自然とボリュームアップさせるコツをご紹介します。

コツ1:「5W1H」をチェック

子どもの文章が短くなってしまう一番の理由が、“5W1H”にあたる「いつ、どこで、誰が、何を、なぜ、どのように」の説明が不足していること。常に全て揃える必要はありませんが、省かれ過ぎていると、内容を理解しにくくなります。

子どもは、読書を通じて得た情報をアウトプットしようとするとき、自分は内容を全て分かっているがゆえに、必要な情報を省略してしまうケースが多く見受けられます。お母さん、お父さんからアドバイスできることがあるとしたら、この本を読んでいない人にも、本の内容がわかってもらえるか」という視点を伝えること、そして、実際に分かりにくい部分を指摘してあげることです。

自力で書き足したい子どもには、書いた作文を1日寝かせるようアドバイスしましょう。時間をあけて自分が書いたものを読み返してみると、説明不足の部分、わかりにくい部分が見えてくるでしょう。

コツ2:具体例・対比・理由

1つの文章を引き延ばすためには、“具体性”“対比”“理由”の3つのテクニックを駆使するといいでしょう。

「ぼくは、サッカーが好きです」という一文を例にご紹介していきましょう。

【原文】

ぼくは、サッカーが好きです。

【具体性】具体的に説明する

ぼくは、海外のサッカーをテレビで見るのが好きです。

【対比】比較する

ぼくは、陸上や水泳よりもサッカーが好きです。

【理由】理由を加える

ぼくは、サッカーが好きです。なぜなら、チームで協力しながら進めるのをおもしろいと感じるからです。

【応用編~具体性・対比・理由全てを使った文章ふくらませ術~】

ぼくは、陸上や水泳のような1人でやるスポーツよりもチームで協力するスポーツを見るのが好きです。中でもとくに好きなのは、サッカーです。テレビで海外のサッカーの試合を見ると、いつも声を上げて応えんしてしまいます。

このテクニックを使い、「ぼくは、サッカーが好きです」の13文字が100文字程度までふくらみました。読書感想文でも、この3つのテクニックを応用できます。

コツ3:自分の体験に話を広げる

読書感想文をもう少し長くしたいとき、「自分の体験に話を広げる」というのは低学年の子どもにも使いやすいテクニックです。きちんと書こうとすると親も子も気負ってしまうかもしれませんが、「読書を通じて自分の個性や考えを伝える作文」と捉えると、うまくまとまることもあります。

物語であれば、主人公と自分が似ているところ、違うところを考えたり、物語のエピソードと似た体験があるかどうかも良いネタになります。

伝記やエッセイで、主人公や書き手が夢を叶えるテーマであれば、「自分も主人公のこんなところを真似したい」という抱負などを盛り込むと、まとまりやすくなります。

コツ4:どんな人に読んで欲しいか、推薦文

最後は、「あと50~70字」というときに使えるテクニックをご紹介します。感想文の締めの部分にこの本を誰に薦めたいかを書くと、「終わり方がわからない」という場合に文章をうまく着地させることもできます

【例】

・この本にでてくるりょうりはぜんぶおいしそうです。だから、わたしはこの本をくいしんぼうなお父さんにすすめたいとおもいます。

・ぼくがこの本をすすめたいのは、おなじクラスの石川くんです。ぼくとおなじで虫が大すきなので、たのしんでくれるとおもうからです。

 

今回は、読書感想文の“ボリュームアップ方法”にスポットを当てました。

「一生懸命がんばったのに文字数が足りない」と子どもが困っていたら、アドバイスをしてあげるといいかもしれません。


 

【取材協力・監修】

吉田裕子

国語講師。塾やカルチャースクールなどで教える。NHK Eテレ「ニューベンゼミ」に国語の専門家として出演するなど、日本語・言葉遣いに関わる仕事多数。著著『大人の語彙力が使える順できちんと身につく本』(かんき出版)は10万部を突破。他に『正しい日本語の使い方』『大人の文章術』(枻出版社)、『英語にできない日本の美しい言葉』(青春出版社)など。東京大学教養学部卒。

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