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低い声or語尾強め…意見を通すとき有効なのは?「会議でのノンバーバル」口調・話し方編

話のコンテンツよりも相手に与える影響が大きいといわれている、見た目や声など言語以外の全てを指す“ノンバーバルコミュニケーション”。非言語コミュニケーションとも呼ばれています。

vol.9よりお送りしてきた、“仕事、とくに会議シーンにおけるノンバーバルコミュニケーション”も大詰めに近づく今回は、「口調・話し方」編。同じことを言っても、口調や話し方で受け取るほうの印象は違ってくるもの。引き続きチームビルディング・コンサルタントの尾方僚さんに、“会議で話す上での心得”をご指南いただきました。

クイズ! 「意見を通したいときに有効な話し方」はどれ?

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突然ですが、質問です。

Q.会議中に自分の意見を通したいとき、有効な話し方は次のうちどれでしょうか?

a.語尾を強めにする

b.なるべく早口で話す

c.低い声で話す

……答えはズバリ、

A.「a.語尾を強めにする」です。

シチュエーションやどんな状況かによっても、有効な話し方も変わってきます。それでは、会議中にはどんな話し方が適切なのか、順にご紹介していきましょう。

会議中に心がけたい「話し方」

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「えっとー」「あのー」はNG! 「語尾はのばさない」

次に何を言うかパッと出てこないときなどに「えっとー」とか「あのー」と言ってつなぐ人がいますよね。焦っているときに出てしまったり、話すときのクセになっていることもあるでしょう。

つい言ってしまう方も多いかと思いますが、不慣れや準備不足といった印象を与えてしまうので、なるべく避けましょう。もし言いそうになったら、ぐっと飲みこんで“間”にしてしまうのがおすすめです。

また、とくに女性に多い傾向にあるのが「ですからー」「~となりますー」などと語尾を伸ばす人。これも幼稚で軽いイメージになるので、クセになっている人は直したほうがいいでしょう。

「オノマトペ」や「若者言葉」を多用しない

きらきら、ぴちゃぴちゃ、ぐんぐんなど、擬音語や擬態語・擬声語などの言語表現“オノマトペ”。

解釈にはいろいろありますが、一般的に擬態語は「一日中歩きまわって“クタクタ”に疲れた」など何かの動きや様子を表す状態を、擬声語は「雨が“ザーザー”降っている」など人や動物など自然界の声・状態の音を言葉にしたもの。

これらは五感に訴えられるので、話し手の思いを伝えるのにも有効な言葉ですが、安易に使ったり多用したりすると逆効果です。

また、若者言葉を多用するのも考えもの。相手との関係性や使うシーンにもよりますが、例えば仕事の会議中に「これはヤバスです」「それって違くない?」なんて言われたら、馴れ馴れしく幼稚な印象を受ける人が多いでしょう。

意見を通したいときは「語尾を強く」

語尾ははっきり言うと締まりますが、「○○ですよね!!」などとあまりにしっかりと強く言いすぎてしまうと、キツい印象を与えてしまうことがあるので注意が必要です。

ただし、自分の意見を通したいときは、より強めに言うほうが効果的です。

ちなみに反論したいときは、人の意見を聞いたあとに「そうですよね」「そうですか」と一旦受けてから、「しかし、私は~」と自分の意見を述べると、相手を否定しないため険悪な雰囲気にならずに建設的な議論へと発展させやすくなりますよ。

「間」をつくる、「スピードや強弱を変化」させる

少し上級者向きになりますが、話の途中で“間”をつくったり、話すスピードや強弱を変化させるのもひとつのテクニックです。

一本調子で話していると聞き手が飽きてくることがあるので、例えば強調したい言葉の前に間をおき、その後にゆっくり強く話しだすなど工夫するといいでしょう。相手に伝わりやすいだけでなく、“話し方が上手で聞きやすい人”という印象を与えられるかもしれません。
また、相手は飽きずに聞く体勢を保つことができます。

相手への印象を考えた「声の調子」

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焦る心を抑えて「口調はゆっくり」

人前で発言するとき、緊張したり焦ったりして、いつもより早口になってしまうことがありますよね。

でも早口は、話が聞き取りづらく、内容が分かりにくくなりがち。もし早口になりそうになったら、一度呼吸を整えてゆっくり話すようにしましょう。

声が高い人は低めに、低い人は高めを心がける

聞きやすさを考えると、声のトーンも非常に重要です。声が高い人は軽く見られてしまいがちなので、いつもより低めに。

逆に声が低い人は重く暗めに見られてしまう可能性があるので、高めの声を出すように心がけてください。
口角アップを意識するのも忘れずに!

 

【踊らず進む! 会議のお作法】Vol.9~13にわたってお届けした“会議に活かしたいノンバーバル”、いかがでしたか?

「自分もやっているかも……」と思ったあなたは、明日から意識して仕事のときのノンバーバルについて気をつけてみてください。次の会議で、まわりの反応が変わるかもしれませんよ!
次回のvol.14では、「6~10人の中人数会議で気をつけたいこと」についてお届けします。

 


 

【取材協力・監修】

チームビルディング・コンサルタント

尾方僚

大手就職情報会社に9年間勤務した後、コンサルタントとして独立。大学や企業人事担当者向けの講演を数多く行い、企業の採用コンサルテーション・研修に従事する。現在、日本女子大学リカレント教育課程 講師、日本工業大学、デジタルハリウッド大学の非常勤講師としてキャリア系科目を担当。著書は『プレゼン以前の発表の技術』(すばる舎)、『100人の前でもキチッと話せる本』(インデックスコミュニュケーションズ)など多数。

【参考】

尾方僚(2011)『プレゼン以前の発表の技術』(すばる舎)

尾方僚(2007)『100人の前でもキチッと話せる本』(インデックスコミュニケーションズ)

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