会議の議論中、「ベストな反論の仕方」は?
null突然ですが、質問です。
Q.会議で議論をしているとき、自分とは違う意見が出ました。そんなとき、ベストな反論の仕方は以下のうちどれでしょうか?
a.「それは違いますね。なぜなら~」
b.「あなたの言っていることは一理あります。ですが~」
c.「いやいや、なぜそう考えるのですか? 理由を説明してください」
気になる答えは……、
A.ズバリ、「b.あなたの言っていることは一理あります。ですが~」です。
ではなぜbが正解なのでしょうか? 順を追ってご説明していきましょう。
「会議での話し方」テクニック
null(1)まずは「結論から」話す
会議で発言するときの基本として覚えておいてほしいのは、まず結論を先に話すこと。
結論が分かることで、聞き手は「これから何を話すのか」を認識してそのあとに述べられる理由に興味を持ち、話を聞く集中力を持続することができるのです。
(2)自分と違う意見を「否定しない」
議論の最中、誰かが自分とは異なる意見を言ったり見解が食い違ったりしたときは、ストレートに相手の発言を否定したり、却下するような物言いは避けましょう。
そして上述クイズの正解のように、「Aさんの意見は一理あると思います。ですが~」などと、相手の発言を受け止めるひと言を添えてから反論や自分の意見を述べてみてください。
相手を嫌な気持ちにさせることなく、場の雰囲気を壊さずに会議を進めることができるはずです。また、他の参加者も自分の意見を言いやすくなるでしょう。
聞き手に影響あり!「話すときのポイント」
null(1)声のトーンは「高めに明るく」
聞き手に影響を与える要素のひとつが、声のトーン。
あまり高すぎると「軽い人」という印象を与えてしまいがちになることに加え、甲高い声は聞きづらいことも。声が高い人は意識して低めのトーンで話すように心がけるといいでしょう。
逆に声が低い人は、いつもより少し高めのトーンで話すと声が通りやすくなり、明るい雰囲気にもなりやすいので意識してみましょう。
(2)話すスピードは「ゆっくりめ」に
話すスピードは、ゆっくりめを心がけて。
緊張したり焦ったりすると、つい早口になる人が多いのですが、聞き手により理解してもらうためにも、呼吸を整えてゆっくりとはっきり話すようにしてください。
(3)「間」をうまく取り入れて活用する
参加者である聞き手が話を理解しやすい話し方として、もうひとつ身につけておきたいのが話の途中に“間”を入れる技術。
じつは、聞いている人たちがもっとも集中するのは、話し手が黙るときなのです。
切れ目なく立て続けに話すのではなく、要所要所に間を入れることで相手の集中力を高めるとともに、話の内容を理解してもらうための時間も与えることができます。
語尾を伸ばしたり、「えー」「あのー」といった耳障りになるような余計な言葉が出そうになったら、口をつぐんで“間”に変えてしまうといいでしょう。
放談になりやすい! 「少人数会議で気をつけること」
null(1)各自が会議での発言であることを意識する
とくに少人数の会議では、大人数の場合と比べて発言の機会は多くなります。ですが、人と人の距離が近くなり、カジュアルな雰囲気になりがち。
つまり、議論を交わすというよりも、各々が好きなことを言うだけになる危険をはらんでいます。
アイデア出しのブレスト(ブレーンストーミング)会議なら話は別ですが、情報共有や何かを決めたりする会議では、まとまりがつかなくなる可能性も。
会議の“舵取り”である司会者がしっかり船を操縦することはもちろんですが、参加者各自が“会議であること”を忘れずに意識して話すことも大切です。
また、少人数会議だからといっておろそかにせず、きちんとアジェンダを準備して“話が逸れたら一旦アジェンダ通りの進行に戻る”基本の体制をとっておくことも必要です。
(2)必ず発言し、場合によっては存在アピールも
少ない人数の社内会議であっても、参加者に初対面の人がいたら、「○○部の○○です」と必ず名乗ってから発言しましょう。
“仕事の知的生産性を上げる”ことが、会議を行う大きな意義。積極的に発言すること=しっかり仕事をしていることでもあるので、ときにはある程度アピールすることも大切ですよ。
せっかく会議に参加して話をするのであれば、相手に伝わりやすい話し方を心がけたいですよね。この機会に、改めて自分の話し方を意識してみてはいかがでしょうか?
【取材協力・監修】
チームビルディング・コンサルタント
尾方僚
大手就職情報会社に9年間勤務した後、コンサルタントとして独立。大学や企業人事担当者向けの講演を数多く行い、企業の採用コンサルテーション・研修に従事する。現在、日本女子大学リカレント教育課程 講師、日本工業大学、デジタルハリウッド大学の非常勤講師としてキャリア系科目を担当。著書は『プレゼン以前の発表の技術』(すばる舎)、『100人の前でもキチッと話せる本』(インデックスコミュニュケーションズ)など多数。