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「お力添えさせて頂く」が二重でNGなのはなぜ?「お力添え」の意味と使い方【仕事も人間関係も円滑にする大和言葉#9】

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職場の人間関係は、誰かを助けたり、助けられたりすることで成り立っていますよね。“お力添え”という言葉は、感謝の気持ちをさりげなく伝えられる言葉。職場での使い方やよくあるNG使用例をチェックしていきましょう!

今回も、前回に引き続き『品良く美しく伝わる「大和言葉」たしなみ帖』(永岡書店)などの著書を持つ国語講師の吉田裕子さんに“お力添え”の使い方についてうかがいました。

「お力添え」の意味は?

“力添え”とは、力を添えて助けること。つまり、“援助”や“協力”という意味になります。“お力添え”の“お力”は、相手の力のことを指し、”助けてもらうこと”を意味します。

ビジネスシーンでは「お力添え」をどんな時に使うといい?

“お力添え”という言葉は、相手に協力をお願いする時や、相手の協力に対して感謝の気持ちを伝える時に使います。

聞き慣れた「ご協力お願いします」よりも「お力添えをお願いします」と言った方がかしこまった印象ですし、より上品で、柔らかい雰囲気にもなります。

「お力添え」の例文は?

続いて、“お力添え”の例文を依頼と感謝のシーンに分けて、ご紹介します。

(1)協力を依頼する時

・本件、主任である私の職務権限を越えています。ぜひB部長のお力添えが必要です。

・今後ともお力添えを頂きますよう、お願いいたします。

(2)相手の協力に対する感謝を伝える時

・このたびは、お力添えを賜りありがとうございました。

・皆様のお力添えがあってこその成果です。

「お力添え」の使い方の注意点やよくあるNG例は?

“お力添え”の“お力”は相手の力に敬意をこめたもの。自分を主語にして使うことはありません。以下の文は、よくあるNG例です。

【「お力添え」NG使用例】

・困っているようでしたら、私がお力添えさせて頂きます

→“お力添え”は、相手の“お力”を添えてもらうこと。自分を主語にすると、自分の“力”に敬意を表すことになるのでNG。この場合は、相手の“お力”に自分が加勢する「お力になります」などを使いましょう。

また、“させて頂く”は本来は、相手に許可を得て、何かをするときに使う言葉なので、この例文であれば“させて頂けませんか”と許可を取るところから始めるべきでしょう。この例文は2つの間違いを含んでいることになりますね。「お力になります」や「ご協力いたします」と言うのが自然です。

「お力添え」を言い換えると?

続いて“お力添え”の言い換え表現をご紹介します。

(1)ご尽力

“力を尽くす”、つまり“全力を出し切る”という意味なので、“お力添え”よりも強い意味のある言葉です。依頼の時には使わず、助けてもらったことに対してお礼を言う時に使われています。

【例文】

ご尽力を賜りまして感謝申し上げます。

・本日はご尽力頂きましてありがとうございました。

(2)ご協力

使用頻度の高い言葉。相手の具体的なサポートを必要とする時や、感謝の気持ちを伝える時など、幅広いシーンで使うことができます。温かく見守って欲しい時には、“ご理解ご協力”という表現をすることもあります。

【例文】

ご協力頂き、どうもありがとうございました。

ご理解ご協力頂きますよう、何卒宜しくお願い致します。

(3)ご支援

力を貸して助けることを意味します。遠回しに金銭的なサポートに対しても使われることがあります。

【例文】

・皆様のご支援が必要です。

・今後ともご理解・ご支援のほど、よろしくお願い申し上げます。

 

以上、今回は、“お力添え”の使い方をご紹介しました。

これまでは“ご協力”と言っていたところを、時々“お力添え”という表現に置き換えてみると、しなやかな印象を演出できるのではないでしょうか。


 

【取材協力・監修】

吉田裕子

国語講師。塾やカルチャースクールなどで教える。NHK Eテレ「ニューベンゼミ」に国語の専門家として出演するなど、日本語・言葉遣いに関わる仕事多数。著著『大人の語彙力が使える順できちんと身につく本』(かんき出版)は10万部を突破。他に『正しい日本語の使い方』『大人の文章術』(枻出版社)、『英語にできない日本の美しい言葉』(青春出版社)など。東京大学教養学部卒。

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