カリカリの秘密は…卵の殻でした
null沼津さんが開催する「梅干し作り」の教室は毎年大盛況! kufuraではこれまで、沼津さんの梅干しづくりを「漬け方編/干し方編」として公開してきましたが、今年は……カリカリ梅!
「なによりも、小梅のカリッとした食感がたまりません。それに、天日干しもせずに短期間で仕上がるところもいいですよね」(以下「」内、沼津さん)
ぜひ動画を見ながら、季節の手仕事に挑戦してみてくださいね。
【カリカリ梅の作り方】
【材料】(作りやすい分量)
青梅(小梅)・・・500g
ホワイトリカー(35度以上)・・・大さじ2
粗塩・・・50g(梅の重量の10%)
卵の殻・・・1個分(前日に煮沸し、乾燥させておくとよい)
※消毒用のホワイトリカー(35度以上)・・・適量
【赤しそ梅にする場合、上記に加え】
赤しそ・・・75~100g(梅500gあたり。※梅重量の15%~20%)
粗塩・・・小さじ1(小さじ1/2ずつ使用)
小梅は傷のない、青いものを選びましょう。
塩は粗塩を使用します。しっとりとしている粗塩は、梅酢の上がりが早く、味もまろやかになります。
【用意するもの】
1Lの保存瓶・・・1個
お茶のパックなど不織布の袋・・・1枚
1Lで500gの梅を漬けることができます。沼津さんのおすすめは、今回使用している『セラーメイト』の密封できる保存瓶。透明ガラスで梅の状態が見やすく、口が広いので出し入れがとってもラク。金具部分はステンレス製でサビに強く、ガラス容器なので匂い残りも気になりません。
【作り方】
(1)小梅をボウルに入れ、汚れを落とす。きれいな水にかえて、2〜3回洗う。
「青梅は固さがあるので、あまり気にせずジャバジャバ洗って大丈夫です」
(2)梅が隠れるほどの水に浸け、そのまま1時間置いてアクを抜く。
(3)キッチンペーパーなどで1つずつ丁寧に拭き、竹串でヘタを取る
「水分が残っているとカビの原因にもなりやすいので、ここはしっかりと丁寧に拭いてください。傷のある梅はカビの原因となったり、梅酢(梅を塩漬けしたときに出てくる汁)が濁ったりするので、外しておきましょう」
(4)よく洗った卵の殻から薄皮を取り除き、2分ほど煮沸する
梅がカリカリになる秘密は……卵の殻のカルシウムでした。
「卵の殻と一緒に梅をつけ込むことでカリカリになるんです! 薄皮は必要がないので、よく洗った卵の殻の薄皮を取り除き、熱湯の中で2分ほど煮沸消毒します」
今回は500gの梅を使うので卵の殻は1個分、1kgの梅を使う場合は卵の殻2個分が必要です。
(5)ざるにあげて、最低1日天日干しにする
「ざるのまま干してもいいのですが、私はこんな風にネットに入れて風通しのよいところに干しています」
(6)保存瓶を消毒する。35度以上のホワイトリカーをスプレー容器に入れ、まんべんなく噴きかける。
「35度以上のホワイトリカーをスプレー容器に入れ、まんべんなく瓶に噴きかけます。蓋の周りを拭いて、中はそのままでも大丈夫ですよ」
(7)ボウルに3分の1量の小梅、粗塩、ホワイトリカーを順に入れてなじませる。もう一度同じことを繰り返す。
(8)卵の殻を不織布のパックに入れて粉々にし、瓶に入れる
「よく乾いた卵の殻を、不織布のお茶パックに入れます。そして、カルシウムが出やすいように粉々にしましょう!」
(9)保存瓶に残りの梅と塩、最後に残りのホワイトリカーを入れてよくなじませる
「ここで大事なのが、塩と梅を“仲良くさせる”こと。青梅はかたいので梅酢が出るのに時間がかかる可能性があります。なので、塩と梅がよくなじむように、瓶をコロコロと動かして、全体がしっとりするまでなじませることが、おいしいカリカリ梅を作るポイントになります」
(10)冷蔵庫に入れ、毎日瓶を動かしながら2~3日様子を見る。2週間ほどで食べられるように!
「必ず1日に1、2回は、梅酢が全体にかかるように瓶を振ったり、コロコロと動かしてくださいね」
3日くらいで梅酢が上がってきたら、このまま冷蔵庫で保存します。毎日様子を見ながら2週間くらいで食べられるようになります。
沼津さんの“カリカリッ”の音、とってもおいしそうです!
「2、3カ月くらいが一番おいしいかな、と思います。カリカリ梅は、通常の梅干しより塩分が少ないので、冷蔵庫に保存して半年をめどに食べ切ってください」
【赤しそのカリカリ梅にする場合】
(1)洗って水気を拭いた赤しそに塩小さじ2分の1を振ってよく揉む
今回、「赤しそのカリカリ梅」の作り方も教えてもらいました。まずは、赤しそのアク抜きです。
「塩を振ってよく揉むと、だんだんしっとりして水分が出てきます。これがアクです」
(2)アクを捨てたら、再度塩を振ってよく揉む
「1回目よりアクが出にくくなりますが、しっかり揉んでいきましょう!」
(3)しそをカリカリ梅の上に置き、瓶を毎日揺らしながら赤く色がつくのを待つ
しそをほぐすようにしながら、カリカリ梅の上にのせます。
「しそのエキスがだんだんと下におりて、赤く染まっていきます。全体が真っ赤に染まるまで、毎日瓶を揺らしてあげましょう」
1週間くらいで染まり、2週間くらいからが食べごろです。染まり具合を毎日確認するのが楽しみになりそうですね。
「おいしくな~れ!」の気持ちでお世話をしながらのカリカリ梅づくり。ぜひ、挑戦してみてくださいね。
取材/岸綾香
【取材協力】
沼津りえ
料理研究家、管理栄養士、調理師。料理教室『cook会』主宰。バラエティー豊かなレッスン内容が好評で、東京・阿佐ヶ谷を中心に数多くの料理教室を開催。毎年、梅漬けの教室はリピーターが多く大人気に。手軽でシンプルなアイディア溢れるレシピに定評があり、雑誌などのメディアでも活躍。著書に『いろんな味で少しだけつくる ちょこっとだけ漬けもの』(学研プラス刊)、『55分焼きたてパン 粉100gの食べきりレシピ。手も道具も汚さずパパッとかんたん』(主婦の友社)、『米粉があれば!パンもおかずもおやつも極上』(主婦の友社)など多数。HPはこちら。Instagram@rienumadu YouTube 管理栄養士 沼津りえの「阿佐ヶ谷夫婦チャンネル」