包丁の方が楽?素早く野菜を切れる「スライサー」
null一番多く挙がっていたのは、包丁がなくても野菜の千切りや薄切りが素早く正確にできる「スライサー」でした。使いこなせば料理の時短にもつながりそうですが、なぜ使わなくなってしまった人が多いのでしょうか?
「千切りが面倒で5種類くらいの機能が付いたスライサーを購入したけど、普通に包丁で切る方が楽だった」(50歳/金融関係)
「色々なスライスができるとのことだったが、結局決まったものしか使わない」(35歳/主婦)
「手を怪我したのでそれ以来使っていない」(51歳/主婦)
「スライサーを使うことで、余計な洗い物が増えてしまう」(56歳/主婦)
回答を分析すると、スライサーを使わなくなってしまった主な理由は上記の4つのコメントに集約されていました。通常、野菜の千切りは包丁とまな板があればできますが、千切りをするためにわざわざスライサーを出してセットし、それを洗う手間をどう考えるか……?という点で意見が分かれるようです。
もちろんその手間があってもスライサーがあったほうが楽と考える人もたくさんいるでしょう。また、使い慣れていないと「手を怪我しやすい」というデメリットもあるようです。
意外と飛び散る?「キャベツの千切り用ツール」
nullお店で出てくるような薄くて細かいキャベツの千切りを自宅で再現するのは、かなり手間がかかります。それが簡単にできるという触れ込みで人気を博しているのが、キャベツ専用のピーラーやスライサー。しかしいざ使ってみると、そう簡単にはいかないケースも多いようです。
「キャベツを千切りできる道具。 毎度上手くできず、結局包丁で切ったほうが早いと思いお蔵入りです」(45歳/主婦)
「キャベツ千切り用のピーラーは大きいキャベツの時だと使いやすい。しかしキャベツがだんだん小さくなるとうまくできず、包丁で切った方が早い」(40歳/公務員)
「キャベツが散らかってストレスだった」(49歳/主婦)
「千切りキャベツを作るスライサーを使ったけど思うように切れない。既に切れているのを買ってくるか、自分で切っている」(36歳/営業・販売)
キャベツ専用ピーラーを使うとキャベツが飛び散るのは、どうやら“あるある”な模様。もちろんすべてのピーラーでそうなるのではなく、使い方の問題やメーカーごとの良し悪しもあるでしょう。購入する際は口コミなどを参考にして、どれがいいかをよく見極めたほうが良さそうです。
そんなに頻繁に食べないと気づいた…「ゆで卵メーカー」
null「ゆで卵メーカー」は主に、電子レンジを使って調理するタイプとコンセントを使うタイプの2種類があります。いずれも本体に水を入れて加熱し、水蒸気によって卵に熱を伝える仕組みで、火の管理を気にしなくていいのがメリット。でも、なぜ「必要なかった」と感じるのでしょう?
「毎日健康のために、みんなにゆで卵を食べて欲しくて購入しました。しかし1週間ほどで“ゆで卵に飽きた”と家族から言われ、ほとんど使わなくなりました」(43歳/主婦)
「ゆで卵をレンジで作る器具。普通のやり方のほうがやりやすかった」(44歳/主婦)
「ゆで卵をそもそも食べることが少なく、ゆで卵メーカーで作っても味も手間もあまり変わらない」(22歳/学生・フリーター)
ゆで卵は鍋で調理してもしばらくゆでれば完成するので、手間自体はそれほどかかりません。“仕上がりのばらつきが減る”という以外に、わざわざ専用機器で調理するメリットがどれだけあるのか?
ゆで卵を頻繁に食べる家庭だと便利さを享受できるような気がしますが、それほど食べない場合は「だったら鍋でいいや」となるのも分かります。
洗う手間を考えると…?「みじん切りチョッパー」
null容器に野菜などを入れ、紐をひっぱるだけであっという間にみじん切りができる「みじん切りチョッパー」。テレビの通信販売番組でも見かけることが多く、思わず欲しくなってしまいます。しかしこのツールにも「洗うのが面倒」などの問題があるようです。
「みじん切りチョッパー。音がうるさくて手動だから意外と面倒くさい」(36歳/その他)
「細かくする野菜もそんなにないし、洗う手間を考えるとだんだん使わなくなった。たまにコールスローを作りたい時に使う程度で、ほぼ使ってない」(38歳/主婦)
「みじん切り器。後片付けが面倒で結局包丁でやってしまう」(55歳/その他)
こちらもスライサー同様に、通常なら包丁とまな板があればできる作業なのに、わざわざこれを出して使って洗うという手間を面倒に感じるかどうかという問題があるようです。
ザルで十分という意見も「サラダスピナー」
null「サラダスピナー」は洗った野菜を入れてハンドルを回すと、遠心力によって余分な水分をきることができるキッチンツールです。構造はザルと容器とハンドルつきのフタだけでそれほど複雑ではないのですが、欠点は大きくてかさばることでしょうか?
「サラダのグルグル回して水切りするやつ。とにかく場所をとるので邪魔でしょうがない。ザルでも水はきれるので仕舞いこんで使わなくなった」(57歳/主婦)
「サラダスピナー。洗い物が増えるのが面倒であまり使いません」(38歳/その他)
「サラダの水切りする道具。面倒くさくて使わなくなった」(42歳/主婦)
「サラダの水切り道具。洗うのが面倒」(38歳/その他)
まず、正確なツール名を覚えていない人が多数! 確かに、普段あまりツール名まで意識しないかもしれませんね。
やはりかさばることと余分な洗い物が増えることで、キッチンの肥やしになってしまうようです。
うまくゆでるのが難しい?「電子レンジパスタ調理器」
nullパスタを作る際、大きめの鍋にたっぷりのお湯を入れて沸騰させることが必要となります。さらにもう1つのフライパンでパスタに入れる具材やソースを作るとなると、鍋の洗い物が増えてしまいますよね。そんな時に重宝するのが電子レンジでパスタをゆでられる調理器。しかし実際に使ってみるとうまくいかないことも多いようです。
「手軽にパスタを作れる点は良いが、出来上がりがべちゃべちゃでおいしくない」(27歳/総務・人事・事務)
「パスタをレンジでゆでられるタッパー。時間が思ったよりかかった」(30歳/営業・販売)
「あまり上手にできなくてイライラするので、結局鍋で作った方が早い」(52歳/コンピュータ関連)
「鍋の方が早いことに気づいた」(32歳/学生・フリーター)
電子レンジで調理する際、機種やワット数、性能によって微妙に加熱の度合いが異なることがよくあります。そのため説明書通りにやってもうまくいかないケースがあるのはある程度仕方がないのでしょうか。
何度もチャレンジして自分のレンジにピッタリな加熱時間を研究するのもアリですが、それなら確かに鍋の方が早いかもしれません。
洗うのが大変すぎて…!「ミキサー&ジューサー」
null10年くらい前から、健康やダイエットのために手作りのスムージーを飲むブームが定期的にありますが、そのたびに注目されるのがミキサーやジューサーといった調理機器。しかし手作りのスムージーやジュースを継続して作るのがそもそも難しいようです。
「ミキサーです。洗う手間が面倒すぎて使わなくなった」(32歳/研究・開発)
「ミキサー類は結局使わない。刃の部分を洗うのが大変なので」(42歳/主婦)
「ジューサー。スムージーを作っていたが野菜が高いし面倒で使わなくなった」(49歳/主婦)
「ジューサー。買った時は色々な果物を購入してジュースを作っていたが、結局面倒になってしまった」(40歳/総務・人事・事務)
ミキサーを使わなくなる最大の理由は「洗うのが面倒くさい」でした。
難点は、ミキサーの底にある刃の部分にカクハンした野菜や果物などのカスが溜まりやすいこと。ですが、最近のミキサーは刃の部分が取り外しできる機種がほとんどです。また使い終わったミキサーに水と洗剤を入れてカクハンすることで汚れを落とす方法もあります。
重くて使いこなせない?「圧力鍋」
nullこちらもミキサーと同様、長年にわたって「使わなくなったキッチン雑貨」として定番となっているツール。最近はル・クルーゼやストウブなどのオシャレな鋳物ホーロー鍋を使う人も増えているので、圧力鍋を必要としない人も増えている印象があります。
「圧力鍋。重くて洗うのが面倒になり、使う頻度が減った」(37歳/公務員)
「仕上がりが好みの固さや食感ではなく、時短になると言われても冷めるまで開けられないので時短を感じられない」(39歳/主婦)
「圧力鍋。買ってからまったく使っていない」(32歳/その他)
圧力鍋のメリットは通常よりも短時間で煮物などの調理ができることにありますが、多くの人が使いこなせないと感じているよう。また近年はボタンを押すだけで自動調理が可能な電気圧力鍋も登場しているので、今後ますます使う人が減る予感も……。
今回、全体的に多かった意見は「洗い物が増える」という問題。キッチン雑貨で賄える調理等の工程が複雑になればなるほど部品も細かくなり、結果洗う手間が増えるというジレンマはどの雑貨にも共通であるようです。
また同様に、物が増えることはそれを収納するスペースも必要となるので、あまり使わないものは結局“捨てる”という選択をするのも仕方がないところ。
とはいえどのキッチン雑貨もうまく使いこなせれば、家事の手間が省けて楽になることもまた事実。結局、そのキッチン雑貨によって家事の手間が省けることと、その分洗い物が増える手間と、どちらがより自分にとってストレスなのか? その選択によって購入するかどうかを決めるのがベストなのではないでしょうか。
東京都出身、千葉県在住。短大の春休みより某編集部のライター見習いになり、気が付いたら2022年にフリーライター歴25年を迎えていた。現在は雑誌『DIME』(小学館)、『LDK』(晋遊舎)などで取材・執筆を行うほか、『kufura』などWEB媒体にも携わる。
執筆ジャンルは、アウトドアや子育てなどさまざま。フードコーディネーターの資格も持つ。