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意外と知らない「アルミホイル」のNG・OKな使い方!電子レンジ・魚焼きグリルで使うと火事の危険が…!?

“食品を電子レンジで温める際、アルミホイルは使わない方がいい”という話を聞いたことはありませんか? それは一体なぜなのでしょうか。

全5回でお届けする「アルミホイルの徹底活用法」。第2回は、意外と知らない「アルミホイルの正しい使い方」について。どんな使い方が向いているのか、そして、あまりおすすめできない使い方とは? 今回も、『サンホイル』を製造販売する東洋アルミエコープロダクツ株式会社 広報担当の和田美香さんに教えてもらいました。

アルミホイルのNGな使い方とは?

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危ないっ、火花が!なぜアルミホイルは電子レンジNGなの?

食品などを温めるときに便利なのが電子レンジ。その際に活用するものとして、「耐熱温度140℃以上の食品用ラップフィルム」が適していると、一般的な電子レンジの取扱説明書には書かれています。一方で、アルミホイルは「取り扱い注意」と記載されているものが多い。これは一体なぜなのでしょうか。

「電子レンジは、食品の中に含まれる水分子とマイクロウェーブが共鳴して振動し、その摩擦熱で食品を温める仕組みになっています。

ところが、アルミホイルの原材料はアルミニウム。つまり金属なので、電子レンジのマイクロウエーブを反射してしまうのです。ですから、アルミホイルにくるまれた内容物は加熱されません。そのため、電子レンジでの加熱には向いていないんです。

また、アルミホイルが電子レンジ加熱室壁面などに触れるとスパークを起こす(火花が出る)場合がありますので、取り扱いには注意が必要となります」(以下「」内、和田さん)

一部の電子レンジの取扱説明書には、『アルミホイルの電波を反射する性質を利用し、加熱しすぎる部分は覆うなど、部分的に使えます』などとしているものもありますが、うっかり加熱室壁面やドアファインダー、テーブルプレートに触れると火花が出て破損や故障の恐れがあるようなので、使用は控えた方がよさそうですね。

いずれにせよ、お手持ちの電子レンジの取り扱い説明書は、事前にしっかり確認しておくのがおすすめです。

“水なし”の魚焼きグリルでは使用しないで。直火も危険!

電子レンジ以外にも、使用の際は注意した方がいい調理器具があるといいます。それは、魚焼きグリル。

「魚焼きグリルの網の上にアルミホイルを敷いて使う人もいるようですが、これは危険です。特に、魚や鶏肉の皮といった肉をおいて焼く場合、食材に含まれる脂がアルミホイルの上に溜まり、引火する可能性があるからです。

食材の脂が流れ出ない包み焼きにアルミホイルを使うのはおすすめですが、魚や肉を包まずに焼く場合、アルミホイルは使用せず、直接網に乗せ、受け皿に水を入れて、脂が受け皿に落ちるようにして使ってください

“掃除が楽になる方法”などとして、魚焼きグリルの上にアルミホイルを敷いて調理するようにすすめられることもあるかと思いますが、火事の原因になると、製品評価技術基盤機構(NITE)も注意喚起をしています。

ガスコンロによる火事がこの5年間で148件報告されていることもあり、コンロは正しい使い方をして、こまめに掃除することが大切です。

また、アルミホイルの耐火温度は約660℃なので、コンロの直火(一般的なガスコンロの火は約1700℃前後)に触れさせると溶ける可能性があるそう。コンロの上に直接アルミホイルを置くなど、直火にかけるのもおすすめできないといいます。

バーベキューで使う炭火にも要注意! 木材によっても異なりますが、木炭の炭化温度は約400~800℃、燃焼温度は約800~1200℃とされていますから、一般的な家庭用アルミホイルで焼き芋などの食材を包んで、大量の木炭で火を起こした中に長時間入れておくと、溶ける可能性があります。そうなると、中の食材も真っ黒こげに。

直火だけでなく、炭にも直接当たらないように気をつけて使いましょう。

うめぼしなどの「酸」、しょうゆなどの「塩」にも弱い!

アルミホイルを使用する際、気をつけないといけないものとしては、“酸”と“塩”もあります。アルミホイルが塩や酸に直接、長時間触れると、腐食という酸化現象を起こし、黒くなって、溶けてしまう可能性があるのだとか。

「とはいえ、梅干しおにぎりや焼きおにぎり、つくだ煮や漬物などをお昼に食べるお弁当用にアルミホイルで包んで使用する程度なら問題ありません。

状況にもよるかと思いますが、私が実際にやってみて、5~6時間たっても変化は見られませんでした。

また、煮物などの落し蓋にもアルミホイルは使えますが、長時間煮込み続けたり、鍋に入れたままにしておくと、塩分によって腐食し、黒くなることも……。

そうなっても、味に影響はありませんし、黒くなったことさえ気にならなければ、アルミホイル自体の成分は変化していませんので、そのまま使っても問題ありませんが、気になるようなら、煮込み終えたらすぐ捨ててしまいましょう」

ちなみに、一度使ったアルミホイルを、見た目がきれいだからなどと、洗剤などで洗って繰り返し使用するのは、衛生的な面からおすすめできないといいます。

漂白剤を使って殺菌すればよいのでは、と思う人もいるかもしれませんが、そういった薬剤を使えば、それこそ酸化して溶けてしまうので、基本的に“再利用”はしない方が無難とのこと。

「ただし、使用済みのアルミホイルを丸めて、たわし代わりにするなど、掃除用に再利用をするのは問題ありません」

湿気のない場所に、“横置き”で保管を!

アルミホイルは保管法でも気をつけた方がいい点があります。それは湿気。

「金属なので湿気に弱い。ですから保管するなら湿気のない場所がおすすめです」

そして、意外とやってしまいがちなのが、冷蔵庫などにつけるサイドラックに、縦置きにして保管するケース。

縦置きにして保管し続けたり、縦方向に落としてしまうと、その衝撃で、箱の中でアルミホイルの端がつぶれてくっつき、きれいに引きだせなくなります。アルミホイル自体の機能や性質は変わりませんが、引き出せない部分が無駄になってしまうので、横置きで保管するのがおすすめです」

気づいたら何故か、アルミホイルをきれいに引き出せなくなったという場合は、端がつぶれている可能性が……!

アルミホイルを収納する市販のラックには、縦置きで入れるようなものも多いですが、それは、縦置きの弊害が知られていないから。縦置きで保管している人はこの機会に改めましょう。

アルミホイルのOKな使い方とは?

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オーブン、オーブントースター、冷凍保存に最適

これまで、アルミホイルのNGな使い方、扱い方を紹介してきましたが、では逆に、どんなことに向いているのでしょうか。

「もともと、オーブンの中に敷くために開発・発売されたのが家庭用アルミホイルですから、オーブンやオーブントースター、フライパンで使うのが最もおすすめです。

耐熱性・熱伝導性がありますから、温めるときはもちろん、食材を包んで口を折って閉じ、包み焼きにするのにも最適です。

熱伝導性が高いので、冷凍にも重宝します。食品用ラップフィルムよりも早く凍るので、比較的鮮度を保ったまま食材を保存できます。酸素や水蒸気、ガスなどを通しにくい遮蔽性も高いので、保存に向いている、というわけです。

私は肉や魚はもちろん、食パンなどを冷凍するときも、アルミホイルで包んでいます。パンなら1~2週間は、味を損なわずに保存できますよ」

まだまだ、アルミホイルのおすすめな使い方はたくさんあります。第3回~第5回では、「キッチン」「掃除」「防災・その他」と、ジャンルごとに具体的な活用方法を紹介します。ぜひ参考にしてみてください。

 

【取材協力】

東洋アルミエコープロダクツ株式会社

【参考】

製品評価技術基盤機構
時短“家事”で“火事”にならないために ~「汚れ」や「誤った掃除の時短術」によるガスこんろの事故に注意~

嶋田久美子
嶋田久美子

エディター/ライター。大学卒業後、出版社に勤務し、その後、フリーの記者として主に週刊誌の編集・執筆に携わる。歴史や美術をはじめ、マネー・車・健康・ペット・スピリチュアル・夫婦関係・シニアライフスタイルといった多岐にわたる女性向け実用情報を手掛ける。1児を持つシングルマザーで、趣味は漫画・アニメ鑑賞、神社巡り。

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