黄ばみの原因は、収納前の衣類に残っていた皮脂汚れ
nullお気に入りの白いTシャツやブラウスなど、久しぶりに出したら、収納した時にはなかった黄ばみが! 私も悲しい経験をしたことがあります。これって一体、なぜなのでしょう……。
「収納後の衣類の黄ばみの原因のひとつは、収納前の洗濯で落としきれなかった皮脂汚れなんです。キレイに洗ったように見えても、普段の洗濯ではごくわずかな汚れが衣類に残ってしまうことがあります。この汚れが保管中に変質し、黄ばみとなって現れるんです」(以下「」内、大貫さん)。
そう、原因は収納前の皮脂汚れ。そのままタンスの中で冬を越え……うーん、これは頑固そうです。
「でも、もう着られない!と諦めてしまうのはちょっと待って。『出し洗い』をすれば、こうした黄ばみをケアできるかもしれませんよ」
それ、ぜひ知りたいです! 早速、「出し洗い」の方法を教えてもらいました。
「出し洗い」で頑固な黄ばみをケア!
null◆まずは洗濯表示を必ずチェック!
◆部分的な黄ばみなら「塗布放置洗浄」を
「標準コースで洗えて、部分的な黄ばみやシミが気になる時には“塗布放置洗浄”が効果的。黄ばんだ部分に濃縮タイプの液体洗剤を塗布して一晩置き、翌日いつも通りに洗濯しましょう」
一晩置く場合は、衣類の下にタオルを敷いて洗濯桶に入れるなど洗剤の原液や汚れがテーブルなどに付かないように注意してくださいね。
◆全体的に黄ばんでいる場合は「つけおき洗い」を
「衣類全体が黄ばんでしまっている場合は、濃いめの洗濯液につける「つけおき洗い」がおすすめです。
洗濯桶に衣類が浸かるくらいのぬるま湯(約40℃、約5Lが目安)を入れ、洗剤(洗濯機で水量30Lの時の使用量)と液体酸素系漂白剤を適量加え、濃いめの洗濯液を作ります。ここに黄ばんだ衣類を浸けて30分〜2時間置き、洗濯機に洗剤液ごと入れ、他の衣類と一緒に洗濯してください。その際、新たに洗剤は足さなくてOKですよ」
事前に洗濯表示をチェックし、酸素系漂白剤の使用ができるかどうか必ず確認してくださいね。
◆大事なおしゃれ着には、「液体酸素系漂白剤」を塗布
おしゃれ着用洗剤を使用する繊細な生地の衣類やニットには、上記の方法は向かないそう。洗濯表示を見て、洗濯機の弱水流コースや手洗いを推奨している衣類の黄ばみが気になる時は「液体酸素系漂白剤」を塗布しましょう。
「こちらの黄ばみケアは、実はとっても簡単! 黄ばんでいる部分に液体酸素系漂白剤を直接塗り、洗濯機に入れておしゃれ着用洗剤を使って洗濯するだけでOKです。
必ず洗濯表示を見て、液体酸素系漂白剤が使用できるかどうかを確認してくださいね」
左記のマークがある場合は、液体酸素系漂白剤が使用できないので、その代わりにおしゃれ着用洗剤を直接塗布してから洗濯しましょう。
とはいえ、黄ばみはできてからだと落としにくいので、予防するためにも、衣替えの時に衣類を収納する前に、キレイに洗濯してしっかり皮脂汚れを落としておくのがおすすめだそうです。
「出し洗い」を行えば黄ばみを気にせず、久々に出番を迎えたお気に入りの衣類を気持ちよく着られますね。おうち時間が長い今、衣類のケアをして、さっぱりした気持ちで夏を迎えましょう!
【取材協力】
大貫和泉
約20年、洗濯用洗剤などの製品開発、調査に携わり、そこで得た豊富な経験や知識を生かし、ライオン株式会社のお洗濯マイスターとして各メディアなどで活躍。主婦や母親の立場から、女性ならではの目線で日々の洗濯に役立つ情報を伝えている。
構成・文/岸綾香