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大事な衣類を縮ませない!洗濯機でニットを上手に洗う方法【プロが教える洗濯講座】

家事にも仕事にも忙しい女性のために、知って得する洗濯のコツを、この道20年の専門家であるライオンのお洗濯マイスター・大貫和泉さんに教えてもらう連載企画。

第5回目は、いよいよ冬物洗いについて。今回は、「ニット」を洗濯機で縮ませたり、傷めたりすることなく、上手に洗う方法を教えてもらいました。クリーニングに出している人は必見! ぜひ、おうち洗いしてみませんか?

おうちで洗えるか「洗濯表示」をチェックしてみよう!

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まず、家庭で洗う際に大事なのが「洗濯表示」。洗い始める前に、必ず洋服のタグに描かれている洗濯表示をチェックしましょう。

以下にある桶に水を張ったようなマークが付いている衣類は、洗濯機、または手洗いすることができます。桶の下の棒線の数が多いほど、弱い水流で洗う必要があり、桶の中に書いてある数字は上限温度を表しています。

ニットの場合は、標準コースで洗えるマークがあっても、弱水流コース、または手洗いで優しく洗うのが、衣類を傷めないポイントです。

水温30℃を限度に、洗濯機の標準コースで普通に洗えます。一般衣料用洗剤でOK。
水温30℃を限度に、洗濯機の標準コースで弱い洗濯ができます。一般衣料用洗剤でOK。
水温30℃を限度に、洗濯機の弱水流コースで非常に弱い洗濯ができます。おしゃれ着用洗剤がおすすめ。

ちなみに手洗い&洗えないマークはこちら。もし、手洗いマークの衣類を洗濯機で洗う場合は、洗濯機で洗えるかどうか洗濯機メーカーの情報を確認してください。

手洗いができます。おしゃれ着用洗剤がおすすめ。
このマークがある場合は、家庭では洗えません。

以上の洗濯表示をチェックして、まずは家庭で洗うことができるかどうか確認してみましょう。

洗濯機で洗ってもニットが縮まない洗い方

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(1)洗濯表示を確認して、家庭で洗えるかどうかチェックする。

上記を参考に、家庭で洗えるかどうか、洗濯表示を確認します。

(2)汚れが気になる場所には、おしゃれ着用洗剤を付ける。キャップの底で軽く叩いて、浸透させる。

襟、袖など、特に汚れが気になる部分には、おしゃれ着用洗剤の原液をそのまま塗布します。キャップの底でトントン叩くと、繊維の奥まで洗剤液が浸透させることができます。

(3)汚れやすい襟、袖、裾が表になるように畳む。

ニットを縦半分に折って、袖を反対側に折り、身頃を上に向かって畳みます。さらにその上に袖を折り返したら完成です。この畳み方だと、汚れやすい襟、袖、裾が表に出るので、きれいに洗うことができます。ぜひ、動画を見ながら試してみてくださいね。

(4)ジャストサイズの洗濯ネットに入れる。

ニットは必ず洗濯ニットに入れましょう。この時に、ニットにぴったりのサイズの洗濯ネットを選ぶと、洗っている時によれたりすることがなくきれいに洗えます。洗濯ネットに関しては、こちらの記事もぜひ参考に!

→シャツを洗う時は、大・中・小どれがいい?洗濯ネットの適切な選び方【プロが教える洗濯講座】

(5)弱水流コースを選び、おしゃれ着用洗剤で洗う。

洗濯機のコースは弱水流コースを選びます。「手洗いコース」「ドライコース」「おうちクリーニングコース」など、メーカーや機種によってコースの名前は異なるので、説明書で確認してください。洗剤は普段の一般衣料用洗剤ではなく、型崩れを防ぎ素材を傷めにくい「おしゃれ着用洗剤」を使用しましょう。

(6)洗い上がったらOK!

洗濯機のサインが鳴り、洗い上がったら終了です。

ちなみに、まったく同じニットを「標準コース・一般衣類用洗剤」で洗った場合と、「弱水流コース・おしゃれ着用洗剤」で洗った場合を比較してみました(ライオン提供)。

比べてみると、ニットの縮み方が全然違うのが一目瞭然! 洗濯コースや洗剤が違うだけで、こんなにも変わるなんて驚きました。ぜひ、おうちで洗う時はコースと洗剤選びを間違えないようにしてくださいね。

(右写真)標準コース・一般衣類用洗剤で洗った場合、ニットが縮んでしまう。(左写真)弱水流コース・おしゃれ着用洗剤で洗った場合、ニットの大きさはそのまま!

ニットを伸ばさない3つの干し方

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また、ニットを伸びさない干し方についても、一緒に教えてもらいました。せっかく上手に洗えたので、干す時も生地を伸ばさないように気をつけてくださいね。

テク1:ハンガーの下部分に身頃をかけ、肩部分に袖をかける。

この方法だと、ハンガーでも肩が伸びたりすることなく、きれいに干すことができます。

テク2:ネットに置いて、平干しする。

ネットを吊るして、その上に平らに置いて干します。平干しネットは100円ショップなどで購入できますよ。

テク3:物干し竿にかけて干す。

物干し竿に干す場合は、物干し竿に身頃をかけてから、袖をかけます。この方法もきれいに干せるのでお試しあれ。

以上、ニットの洗濯機を使った洗い方でした。コースと洗剤を上手に選べば、おうちでも失敗なく洗えます。クリーニングに出すのは行く時間もお金もかかるので、ぜひおうち洗いも試してくださいね!

 次回は、大事なニットを「手洗い」する方法をご紹介します。

【取材協力】

大貫和泉

約20年、洗濯用洗剤などの製品開発、調査に携わり、そこで得た豊富な経験や知識を生かし、ライオン株式会社のお洗濯マイスターとして各メディアなどで活躍。主婦や母親の立場から、女性ならではの目線で日々の洗濯に役立つ情報を伝えている。

 

取材・文/岸綾香

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