余ったヨーグルトが本領発揮
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スーパーなどで気軽に手に入るパックタイプのプレーンヨーグルト。朝食やおやつにと常備している一方で、一度では食べきれず、余りがち。筆者はうっかり冷蔵庫の奥で眠らせてしまったこともあります……(お恥ずかしい)。

『明治』発酵マーケティング部ヨーグルトグループ・須川裕介さん。
SNSではとくに『明治』ブルガリアヨーグルトの「パックック」料理が話題のよう。そこで、『明治』のドアをノック。同社の発酵マーケティング部ヨーグルトグループ・須川裕介さんによると、「パックック」はこのように余ったヨーグルトが本領を発揮する使い方なのだとか。
「僕も『パックック』に助けられている一人です。ヨーグルトの場合、パックの中に食材を漬け込み、そのまま鍋やフライパンに入れて調理するだけ。パックも活用できる素晴らしい方法だと思います。漬け込んだヨーグルトもきちんと加熱すれば、余すことなくお召し上がりいただけますよ」(以下「」内、須川裕介さん)
須川さんによると、食材をヨーグルトに漬け込むことで、味わいが深くなったり、肉や魚の臭みが取れたりもするそう。ラクかつ一層おいしくなるとは、一石二鳥ですね。
「パックック」の注意点は?
nullカットトマトパックに温かいごはんを入れてリゾットにしたり、牛乳パックにレンジアップした冷凍うどんを入れてカルボナーラのようにしたり。SNSで見かけたパックックには、温かい食材を入れるレシピも。パックの素材を考えると、何に注意すればいいのでしょう?

筆者はマスキングテープで蓋をとめて「料理中!」とマジックで書いておいた。
「たとえば、パックに蓋をしたまま電子レンジに入れたり、冷凍したりするのは控えてください。基本的には、パッケージに記載された注意事項を抑えていただければ問題ありません。
また、加熱が必要な食材をヨーグルトに漬け込んだときに、ご家族が誤ってそのまま食べないようご注意くださいね」
確かに……。調理している本人は分かっていても、とくに子どもは、中身をあまり確認せずパクッと食べてしまいそう。パックック中のパックには印をつけておくなどするとよさそうです。
【レポート】パックックで夕飯をつくってみました
null須川さんから教えていただいたレシピと合わせて2品、パックックで調理。ある日の夕飯をつくりました。
【レシピ】ジャークチキン風
一品は、筆者が朝食で余ったヨーグルトの消費によく作る「ジャークチキン風」です。キャンプでは食品用ポリ袋に入れてつくったりもします。パックックならパックが食品用ポリ袋やボウルの代わりになるため、ゴミや洗い物が減りました。うん、これはいい!

「ジャークチキン風」の材料。鶏肉はもも肉や肩肉などでも美味しい。
[材料:作りやすい量(1〜2人分)]
- プレーンヨーグルト 200g(朝食で半分食べた残り)
- 鶏むね肉 1枚(200g程度)
- カレー粉(ターメリック・クミン・コリアンダーでも可) 大さじ1/2(好みで増減)
- 塩 ひとつまみ
- 米油(サラダ油でも可) 小さじ1
[作り方]
- ヨーグルトにカレー粉(もしくはターメリック・クミン・コリアンダー)、塩を入れて混ぜる。
- 鶏肉を厚さ1cmくらいに切り、(1)の中に入れ、冷蔵庫で1時間くらい漬け込む。
- フライパンに油をひき、中火で温めたら(2)の肉を入れて両面を焼く。火が通ったら、パックの中に残ったヨーグルトをフライパンに入れてひと煮立ちさせたら完成。




白っぽかったヨーグルトソースが黄色くなるまで煮詰めます。
加熱するとヨーグルトが水っぽくなってきますが、そのまま焼き続けるとソースがとろっとしてきます。このソースもごはんやパンによく合いますよ。
鶏肉を焼くときに、スライスした玉ねぎやにんじん、なすなど、お好みの野菜を入れても美味しいです。
【レシピ】ダルカレー
もう一品は、須川さん一押しの「ダルカレー」。筆者はインドカレーのお店や『無印良品』のレトルトでは食べたことがあるけれど、初めて作ります。
今回は、スーパーで気軽に手に入るひよこ豆を使用しましたが、乾燥タイプのレンズ豆もおすすめとのこと。
「レンズ豆はお好みで、70〜100gほどを入れてください。漬け込み時間は8時間ほどかかりますが、たとえば朝の出勤前などに仕込んでおけば、手軽に本格的なカレーが楽しめますよ」

「ダルカレー」の材料。全て最寄りのスーパーで手に入りました。
[材料:2〜3人分]
- プレーンヨーグルト 300g
- ひよこ豆(水煮) 100〜200g(今回はドライ缶100g入りを2缶使用)
- 合いびき肉 150g
- 玉ねぎ 1個(みじん切り)
- にんにく 1かけ(皮を剥きみじん切り)
- しょうが 1かけ(皮のままみじん切り)
- カレー粉 大さじ1
- トマトケチャップ 大さじ1
- ウスターソース 大さじ1
- 塩 小さじ1
- 水 200ml
- 米油(サラダ油でも可) 大さじ1
[作り方]
- ヨーグルトに、豆、カレー粉、塩を入れてよく混ぜる。蓋をして冷蔵庫で1時間ほどおく。
- フライパンに油をひき、にんにく、しょうがを入れて弱火で熱する。香りが立ってきたら中火にし、玉ねぎを加えて炒める。
- 玉ねぎが色づいてきたらひき肉を加えて炒め、肉の色が変わったら(1)を加えて混ぜ炒める。
- 水、ケチャップ、ウスターソースを加えて弱火~中火で5分ほど煮込む。
- 塩、こしょう(分量外)で味をととのえて完成。







炒めたり煮込んだりする時間が短くてすむのも魅力です。
材料をみじん切りにしたり、ひき肉を使ったり、豆は水煮のものを使うことで、加熱は短時間でOK。初めてのダルカレー作りは想像以上に簡単で、驚きました。
さあ、お味はいかに?
カレーづくしのパックック料理をいただきます
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余談ですが、この日の筆者は予定がパツパツ。身も心も余裕がなかったので、夕方の子どもを迎えに行く前に食材の漬け込みを済ませておきました。この漬け込み時間さえ確保できればOKなので、たとえば他のおかずを作っている間とか、ごはんを炊飯している間とか、それぞれでタイミングを見つけてみてくださいね。
なお、漬け込み時間を除くと、2品は約30分で完成しましたよ。

加熱するときにヨーグルトが少しモロモロになってしまいましたが、味わいには問題ナシ。
まずは「ジャークチキン風」からいただきます。
ヨーグルトに漬け込むことで、しっかり火は通っていますが食感はしっとり。最後に余すことなく入れたヨーグルトソースの酸味がいきている! それに乳製品ならではのコクも相まって、ごはんがすすみます。
食パンやピタパンなどに野菜と挟めば、サンドイッチでも楽しめるんじゃないでしょうか。

ちなみに、わが家の6歳にはちょっと刺激が強かったもよう。カレー粉の量で辛みを調整するとよさそうです。
続いて「ダルカレー」もぱくり。ごろごろと入ったひよこ豆の食感が楽しく、よいアクセント。豆好きな方は多めに入れることをおすすめします。
味わいは、『S&B』の赤缶が効いて、けっこうスパイシーです。また、ほんのりとヨーグルトの酸味とコクも感じられます。油分は炒め油とひき肉だけ。小麦粉も使わないので、いわゆるスパイスカレーのようにサラサラ。軽い食べ心地なのもよかった!
今回はごはんにしましたが、ナンとも相性がよさそうです。
【結論】時間がないときも美味しさを諦めたくない人におすすめ
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実は「パックック」がバズってるけど、本当に便利なの?という気持ちがなかったかといえば嘘になります。ところが実際に作って食べて、そのラクさと味わいに納得。準備から調理、後片付けまでがぐんと簡単になった上に、家族も喜び、自己肯定感も上がり、一石二鳥どころか三方よし。
具材や調味料を変えれば「パックック」はほかにもいろんなレシピができそう。これはまた作りたい! ご自宅にパックヨーグルトのある方は、どうぞ一度試してみてください。
【取材協力】
株式会社明治

朝ランが日課の編集者・ライター、女児の母。目標は「走れるおばあちゃん」。料理・暮らし・アウトドアなどの企画を編集・執筆しています。インスタグラム→@yuknote