こんにちは、島本美由紀です。連載69回目は「サンマ」。秋の味覚の代表でもある旬のサンマは、安くて美味しく、栄養も満点で言うことなし。鮮魚は買った当日に食べるのがいちばんですが、上手に保存をすれば冷蔵でも冷凍でも鮮度と美味しさをしっかり保って長持ちさせることができます。
美味しいサンマの選び方
nullサンマは目が透明で澄んでいて、皮にハリとつやのあるものを選びましょう。頭から背中にかけて体が盛り上がり、厚みがあるもののほうが脂が乗っていて美味です。
昔から口と尾が黄色いものは脂が乗っていると言われていますが、これは鮮度とは関係がないため、鮮度の見極めには注意が必要です。尾を持ったときに刀のように一直線になり、おなかの部分が硬めのサンマが新鮮です。
サンマの冷蔵保存の仕方
nullサンマのような一尾魚は、購入当日に食べる場合はそのままチルド室で保存しますが、それ以外については下処理をしてから保存をするのが鉄則です。
乾燥や酸化を防ぎ、鮮度を保つためにはラップと保存袋で二重に“密閉”するのがポイント。しっかり密閉することで、冷蔵庫内の他の食品へのにおい移りを防ぐこともできます
・下処理をしてしっかり密閉
まずはおなかを切り裂き、内臓を取り除きます。流水でよく洗ってから、おなかの中までキッチンペーパーでていねいに水けを拭き取りましょう。1尾ずつラップでぴったりと包んでから保存袋に入れ、空気を抜いてチルド室で保存します。
サンマの冷凍保存の仕方
nullサンマは近海でとれるため基本的に生のまま売られていますが、市販の魚の多くは店頭に並べる前に解凍したものです。「生」の表示があるもの以外は、家で冷凍すると再冷凍になり、味も栄養価も落ちてしまうので注意してください。
・そのまま冷凍する場合
そのまま冷凍する場合は、冷蔵保存と同じ要領で内臓を取り除き、頭も切り落とします。流水でしっかり洗ったら、おなかの中までしっかり水けを拭き取りましょう。一尾ずつラップで包んでから、金属トレイにのせて冷凍し、凍結したら冷凍用保存袋に入れて冷凍します。食べる際は自然解凍してから、もしくは凍ったまま調理してください。
・調理しやすく切ってから冷凍する場合
そのまま冷凍する場合と同じように下処理をしたあと、調理しやすい大きさに切り分けます。一切れずつラップでぴったり包んでから、冷凍用保存袋に入れて冷凍しましょう。こちらも自然解凍してから、もしくは凍ったまま調理をします。
サンマの保存期間の目安
nullサンマは先にご紹介した方法で冷蔵保存をすることができますが、鮮魚は鮮度が命ですので、購入当日に食べる予定がない場合はすぐに冷凍するのがおすすめです。
・冷蔵保存の場合の目安
下処理をして密閉してからチルド室に入れた場合は、2日間保存が可能です。下処理をせずにチルド室に入れた場合は、必ずその日のうちに食べるようにしてください。
・冷凍保存の場合の目安
頭を切り落とし、内臓を取り除いてそのまま冷凍した場合、もしくはさらに切ってから冷凍した場合は、約3週間保存することができます。
ラクワザ!サンマをワンランク美味しく焼く方法
nullサンマの定番の食べ方といえば「塩焼き」。外はカリカリ、中は脂がたっぷりジューシーで、香ばしい香りもたまりませんよね。普通に焼いても美味しくいただけますが、ほんの少しの手間を加えるだけで、いつもよりもグンと美味しくサンマを焼くことができますよ。
・焼く直前に酒を振りかける
サンマは頭を左にして焼くのが作法。頭を左にして置いたら、上になる身の部分に斜めに3~4カ所切り込みを入れましょう。切り込みを入れることで余計な脂が落ち、サンマの塩焼きがヘルシーに仕上がります。
塩を振るのは焼く10分前。そして、焼く直前に全体に酒を振りかけると、生臭みがなくなり身もふっくらと仕上がります。100円ショップなどで売っているスプレーボトルを使うと、サンマ全体に酒をムラなくかけることができるのでおすすめ。これだけで、サンマの塩焼きがお店でいただくようなワンランク上の味わいになるので、ぜひお試しくださいね。
いかがでしたか? 旬のサンマは鮮度がよく、安く売られていることも多いため、まとめて買って美味しさをしっかりキープしながら冷凍するのがおすすめです。塩焼きにする際は、ぜひラクワザでご紹介した方法で酒を全体に振ってから焼いてみてください。いつも以上に美味しいサンマをいただくことができますよ。
構成・文/土田奈々子