こんにちは、島本美由紀です。連載28回目のテーマは「菜の花」。最近は春先だけでなく、一年中手に入るようになりましたが、やはり旬の今の時期に春を感じながら食べたい野菜です。すぐに葉がクタっとしてしまいがちなので、鮮度をしっかりキープできるよう上手に保存をしていきましょう。
美味しい菜の花の選び方
null旬の美味しさをしっかりと楽しむためにも、新鮮で美味しい菜の花の選び方を押さえておきましょう。
・花が開いていないものを選ぶ
菜の花はつぼみがギュッとしまっていて、花が開いていないものを選びましょう。葉や茎など全体が青々として、張りのあるものが新鮮です。
・クタっとしているものはNG
全体的に黄色味がかっているものやクタっと元気がないもの、また切り口が乾燥したり変色しているものは、すでに鮮度が落ちてきているので避けましょう。
菜の花の冷蔵保存の仕方
null菜の花は冷蔵庫で上手に保存をすることにより、鮮度をしっかりキープして美味しくいただくことができます。
・濡らした新聞紙やキッチンペーペーで包む
菜の花は濡らした新聞紙で全体を包む、もしくは濡らしたキッチンペーパーで根元を包んでからポリ袋に入れます。半分に切ったペットボトルなどに立てた状態で、野菜室で保存しましょう。
・水を入れたグラスなどに挿して保存
グラスなどに3cmほどの水を入れて菜の花を挿し、上からポリ袋をかぶせて輪ゴムで留めてから、冷蔵室もしくは野菜室で保存するのもOKです。そのまま室内に置くと温度が高く、水を吸って花が咲きやすくなるので、長持ちさせたい場合は必ず冷蔵室や野菜室に入れて保存するようにしましょう。
菜の花の冷凍保存の仕方
null菜の花は生のままや塩漬けしてから、もしくは塩茹でしてから冷凍保存することが可能です。
・生のまま冷凍する場合
菜の花はそのまま向きをそろえて冷凍用保存袋に入れて冷凍します。向きをそろえておくと、使う際に取り出しやすく、茹でるときも根元からそろえて入れられるので茹でムラがありません。
食べるときは、凍ったまま熱湯に根元から入れて茹で、水にさらせばおひたしになります。また、凍ったまま炒め物などに使うこともできます。
・塩漬けして冷凍する場合
菜の花は塩漬けしたものを冷凍することもできます。まずは漬物と同じように、切って塩漬けした菜の花を一晩おきます。軽く水けを切ってから小分けにしてラップで包み、冷凍用保存袋に入れて冷凍しましょう。
使用する際は、自然解凍して軽く塩抜きすれば、そのまま漬物として食べることができます。また、凍ったまま炒め物などに入れて使うこともできますが、すでに塩漬けされているので、その際は塩加減などの調味に注意が必要です。
・茹でてから冷凍する場合
菜の花は軽く塩茹でをして水けを絞り、使いやすい量ごとにラップで包んでから、まとめて冷凍用保存袋に入れて保存することもできます。茹でる際は、塩をひとつまみ入れた熱湯に、先に茎の部分を入れて30秒、その後葉のほうまで入れて30秒というように、硬めに茹で上げるのがポイントです。
使用する際は、自然解凍をして水けを絞り、おひたしや和え物などにするといいでしょう。
菜の花の保存期間の目安
nullご紹介した方法で上手に保存をすると、クタっとなりがちな菜の花もきちんと長持ちさせることができます。
・冷蔵保存の場合の目安
濡らした新聞紙で全体を包む、もしくは濡らしたキッチンペーパーで根元を包んで保存した場合は、4~5日程度日持ちします。菜の花をグラスなどに挿して保存した場合も同様です。
・冷凍保存の場合の目安
生からでも、塩漬けしてからでも、また茹でてからでも、冷凍した場合は大体1カ月保存することが可能です。
ラクワザ!観賞用&食用と菜の花を2度楽しむ方法
null菜の花は、黄色い花が咲いてしまうと食べられないと思っている人も多いようですが、実は花が咲いても食べられます。次の方法だと、観賞用と食用として2度菜の花を楽しむことができますよ。
・花瓶に飾った後に食べる
菜の花を2度楽しみたい場合は、買ってきた菜の花を花瓶に挿してキッチンなどに置いておきましょう。しばらくすると、黄色い花が咲き始めますが、花も食用なので、その状態でも食べることができます。茹でておひたしにすれば、花の黄色がアクセントになって見た目もきれいな一品に。
ただし、花が咲くということは収穫から日が経ち、茎が少し硬くなってきているので、調理する際には、硬い根元部分を切り落とす必要があります。
いかがでしたか? 菜の花は冷蔵庫ではそれほど長持ちさせることができませんが、さまざまな方法で冷凍することが可能です。使い切れない場合などは、ぜひ冷凍保存をしてみてください。旬が短い菜の花を存分に味わって、春を楽しみましょう。
構成・文/土田奈々子