流しも壁も床も、総入れ替え
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筆者の家族が2008年に購入したわが家は、築浅の中古住宅です。リノベーションをするとなった2024年秋で、築20年以上。キッチンの設備はそれなりに傷んでいました。
そこで、シンクやガスコンロ、換気扇、棚などを総入れ替えすることに。また、壁も床も全部キレイにしました。ですから、リノベーションにかけた予算の中で、キッチンの比重はいちばん重かったです。
とはいえ、湯水のようにお金を使えるわけではありません。リノベーションをお願いした太郎工務店さんに、懐事情と理想を伝えるところからスタート。予算を取るところ、抑えるところにメリハリをつけ、心地よいキッチンに仕上げてもらいました。
ベースはシンプルな「toolbox」の「ミニマルキッチン」
nullリノベーションをしよう!と動き始めた当初、キッチンはおろか、家全体の理想もぼんやり。そこで画像共有SNS「Pinterest」で画像を集める中で、自分の理想に近いと感じたのは「ミニマルなキッチン」です。
使う色は、白色・灰色(シルバー)・黒色。そこに、木目やカゴなどの自然素材とステンレス素材が組み合わさった、シンプルなキッチン。手をちょっと伸ばせば調理道具や調味料が取れるよう、使いやすくコンパクトにまとまった、どこか基地のような空間にも惹かれました。

水道の蛇口以外は完成したときの様子。わが家が選んだのは「ミニマルキッチン 壁付け W1200×D600」10万9,000円(税込)。※ 水栓・コンロを含まないキッチン本体のみの価格です。
こんな感じにしたいと画像を見せたところ、いちばんに薦めてもらったのが『toolbox(ツールボックス)』の「ミニマルキッチン」です。
『toolbox』は内装建材や住宅設備メーカー。その「ミニマルキッチン」は、工務店さん曰く、賃貸物件やシンプルなキッチンにしたいおうちのリフォームによく使われている設備なのだとか。ステンレス素材の作業台に、シンクとガスコンロがキュッとまとまったつくりが格好いい! しかも値段が10万円台と、思っていたよりも低予算ですみそう。
そこで筆者は、「ミニマルキッチン」をベースに希望を固めていくことにしました。
壁の一部は、汚れにくく掃除しやすい「タイルの壁」に
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作業台の真ん中あたりに、コンセントをつけて欲しいともリクエスト。コーヒーメーカーやハンドミキサーなど、コードが短い調理家電を使うときに便利だと思ったからです。
壁は塗ると決めていたので、キッチンも他の空間と同じく白にすることに。ただ、そのままでは水や油ですぐに汚れてしまうはず。そこで、シンクやコンロがある作業台の周囲はタイルを貼ってもらうことにしました。
ただ、「タイル」といっても、いろんなメーカーや素材があります。本来は複数ショールームを巡るなどしたほうがいいのですが、筆者はあいにく時間が取れず……。
あらゆる部材がそろうショールームで一気に決定


そこで、「ミニマルキッチン」の現物を見がてら、東京・目白にある『toolbox』のショールームへ。なぜなら『toolbox』には、タイルやスイッチ、電球など、あらゆる部材がそろうからです。
「ミニマルキッチン」を見たときから、『toolbox』の世界観に惹かれていた筆者。結果的に、他と見比べることなく、さまざまな部材をここで決めました。
家づくりは納期も考えながらの、判断の連続です。優柔不断な性格でもあるので、かえってこれでよかったのかもしれない、と今になって思います。
手貼りのタイルは「目地の色」も決めなければならない!

コンセントプレートやスイッチプレートも『toolbox』で揃えました。
地味に迷ったのは、タイル目地の色です。
選んだタイルは、一枚一枚、手で貼るもの。職人さんが丁寧に作業してくださっていたのですが、ある朝、工務店さんから「タイル目地の色はどれがタイプですか?」と連絡がきたんです。
タイル目地とは、タイルの隙間を充填する素材のこと。工務店さんによると、白色・灰白色・灰色・濃灰色・特濃灰色・黒色から選べる上に、灰色のトーンも墨を加えてアレンジできると……! 細部までこだわることができるのは嬉しいけれど、どうしよう?

タイルは床まで貼ってもらいました。見えないところまで美しい!
ここでも活躍したのが、「Pinterest」で集めた画像です。
中でも気に入っているものを送り、百戦錬磨の工務店さんに「どの色がいいと思います?」と相談しました。白色もいいな〜と思ったのですが、白色の目地は時間の経過とともに黄味がかることもあるとのアドバイス。灰色の目地に決定!
結果的に、白色のタイルに灰色のタイル目地で仕上げてもらった壁は、シルバー系のキッチンと相性抜群。汚れたり濡れたりしても拭けばいいので、お手入れもラク。とっても満足しています。
水栓は「タカギ」の「蛇口一体型浄水器」一択
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リノベーションするにあたり、最初から決めていたのが、水栓は『タカギ』の「蛇口一体型浄水器 LS」にすることです。以前、取材したルームスタイリストのひでまる(安藤秀通)さんのお宅で見てから「コレにしたい!」と思っていました。
ですが導入するにあたり、デザイン性のみならずサービスもしっかり調べました。その上で、筆者がなぜ『タカギ』にしたかといえば……
- 業界初の「蛇口一体型浄水器」をつくった会社であること
- 手術室と同レベルの環境で浄水カートリッジを製造していること
- 浄水カートリッジを交換時期に送ってもらえること
- 無料のメンバー登録で10年間保証してもらえること
などといった理由があります。もし浄水器を検討している方がいたら、参考にしてみてください。
何事も、早め早めに決めるべし

「ミニマルキッチン」への取り付け口の穴あけは、発注時のオプションで選択。これは工務店さんがしてくださりました。
今回、水栓を取り付けてもらうにあたり、筆者が大反省していることが1つ。それは、『タカギ』への発注がギリギリになったことです。
というのも、他の部材は工務店さんが発注・取り付けしてくださっていたので、入居に間に合うよう工期も調整してもらっていました。しかし水栓は、工務店さんで『タカギ』の取り扱いがなかったため筆者が発注し、業者さんとの調整もしなければならなかったのです。
筆者が蛇口一体型浄水器を最終的に決めたのは、入居する2週間ほど前。取り付けてくださる業者さんのスケジュールと擦り合わせたところ、入居2日後なら対応できるとのお返事! が〜ん、キッチンが使えない……。
無理を承知で相談した結果、入居前夜に作業していただけました。その節は、本当にすみませんでした。おかげさまで美味しいお水が日々飲めています。
蛇口をひねるだけで美味しいお水が出るって素晴らしい

「蛇口一体型浄水器 LS」は、先端を左右にまわすことで、浄水と原水が切り替わります。
子どもが生まれたタイミングで、ウォーターサーバーの導入を検討したものの、置き場所がないため断念。ペットボトルのお水を買っていた時期もありますが、大量にストックするスペースはなく、都度買いに行くのも重いし、ごみも出る……。
いつからか、水道水で料理も洗い物もするようになっていました。そして、それも美味しいと感じていたのですが。

一日の終わりに、布巾で拭きあげるのがルーティンに。
「蛇口一体型浄水器 LS」を導入して驚きました。浄水の、なんとクリアでまろやかなことよ。以来、料理は浄水で。洗い物は原水でと切り替えて使っています。初期投資はかかりますが、心から導入してよかった!
さらに、筆者が選んだ「ブラックマット」というカラーは、お手入れもしやすいです。
使い始めて3カ月ほど。今はだいたい毎日、一日の終わりに布巾で蛇口〜シンクの中を吹き上げています。これだけで、水垢や汚れも目立たず、キレイを保てていますよ。
自然素材との相性もばっちり
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理想を詰め込んだミニマルなキッチンは、もともと好きな自然素材との相性もばっちり。これらが、シンプルな空間をほどよく和らげる役目もかってくれているような?
悩んで、迷って、いろいろあったけれど、大好きな空間になったキッチン。これからもここで、家族や自分に毎日のごはんを楽しみながらつくりたいと思います。

朝ランが日課の編集者・ライター、女児の母。目標は「走れるおばあちゃん」。料理・暮らし・アウトドアなどの企画を編集・執筆しています。インスタグラム→@yuknote