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どうしても「無垢材の床」「塗りの壁」にしたかった私、家族会議で決定へ【1LDKを1Rにフルリノベ】

2008年に購入した自宅をリノベーションするとなったとき、部材選びや色決めなど、ある程度の采配は私が握らせてもらいました。

ただ、一緒に住むわけですから(そしてお金も出すのだから)、最初に家族で話して譲れないポイントを擦り合わせることは大事です。実際、工務店さんとの打ち合わせで家族が想定外のことや私の意見を否定するような物言いをして、空気がピリついたこともありました(笑)。

今回は、家族で話して決めた譲れなかったポイントを2つ紹介します。

天然素材ならではの気持ちよさ「無垢材の床」

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無垢材の見本。これらが一面に敷かれたときを想像して決めるわけですが、正直イメージできませんでした。色が濃い、薄い、木目が個性的など、いろいろあります。重いのに、たくさん用意してくださった工務店さんには感謝しかありません。

一つが「無垢材の床」です。

近年、木材が値上がりしていること、職人さんの手で張ることなども相まって、やはりどうしても合板のフローリングより値段は高くなることがほとんど。でも、夫婦そろって「経年変化もたのしめる無垢材にしたい」という思いが譲れませんでした。

今回お願いした太郎工務店さんによると、無垢材に使える木材そのものも貴重になっているとかで、確保も大変。だから家の全体像が決まる前の、いちばん最初(施工の4カ月前)に床材をどうするか決めることに。

ただ、当時はまだイメージが漠としているときです。画像共有SNS『Pinterest』を夜な夜なパトロールしては、気に入った画像を保存、夫婦で共有。その中からどんどん絞り込んでゆき、最終的に「これ」と思った色味に近い無垢材を工務店さんに選んでもらい、白樺に決まりました。

実際に敷く無垢材が現場に届いた日。すべすべと滑らかで美しくて、感激しました。
木目の個性を見極めながら、一枚一枚敷いていきます。職人さんが2〜3日かけてキレイに敷いてくださいました。

ちなみに無垢材は、そのままではトゲが出たり水染みに弱いので、天然素材の塗料でクリア仕上げにしてもらいました。この塗料を何にするかも印象が変わるポイントの一つ。どう仕上げるかも工務店さんからさまざまな選択肢を提示してもらいましたが、安心安全な塗料かつ、無垢材の魅力が活きるものを選びました。

そうそう、こういう「一つ決まったら、また次を決める」は、完成までエンドレスで続きます。これは家をを建てたりリノベしたりする方には「あるある」ですよね。

住んで感じた「無垢材の床」のデメリット

家をリフォームしてからキレイ好きに拍車がかかりました。

すべすべと滑らかな無垢材の床は、素足で歩くととっても気持ちいい!

一方で、明るい色味なので娘が落とした色鉛筆の跡がめちゃくちゃ目立ちます(笑)。いまは毎日頑張って、消しゴムをかけたり拭き掃除したりしていますが、はてさていつまで続くでしょうか?

また、木は呼吸しているので、季節や気候によって伸びたり縮んだりするそうです。だからぴっちり敷いてあっても隙間ができ、そこにゴミが入る場合もあるとのこと。伸び縮みはまだ未経験ですが、汚れが詰まらないようこまめに掃除する日々です。

職人技が光る「塗りの壁」

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わが家を担当してくださった職人さん。

もう一つが「塗りの壁」です。

貼って仕上げる壁紙と比べると高くつくので、人気がある一方で、工務店さんによると年々希望する人は減っているそう。自分で塗る人やキットも増えましたよね。筆者も当初、節約も兼ねて自分で塗る?と頭をよぎりましたが、ムラなく美しく仕上げるのはまさに職人技!

わが家を担当してくださった職人さんは腕の立つ方で、黙々と塗る姿に惚れ惚れ。塗装の工程を少し覗かせていただきましたが、

  1. 壁の表面を滑らかにするための下地を塗る
  2. 一度目の塗装
  3. 二度目の塗装(家の施工がほぼ済んでからの仕上げ)

と、三度塗りで丁寧に仕上げていただきましたよ。

「天然素材の塗料で」という希望を出したわが家に、工務店さんが貸してくださった色見本。200色くらいある中から選びます。

大変だったのは、壁の色を決めるまででした。

当初から「白の壁」一択でしたが、白にもいろいろ……! 青っぽい白、黄みがかった白、ツヤツヤ、マットなど。陽光や蛍光灯など、どんな光に照らされるかでも印象が変わります。

壁を塗り始める1週間ほど前までに決めればよかったこともあり、筆者は2カ月ほど色見本を持ち歩きました。そして、おしゃれな家にお邪魔したときや、インテリアショップで色見本を取り出し、壁の色と見比べさせていただいたことも(その節はありがとうございました)。

ギリギリまで悩みましたが、最終的には「マットなオフホワイト」に決定。これが大正解! やさしい明るさで、幅広いインテリアとなじみそうです。

住んで感じた「塗りの壁」のデメリット

角はどうしても削れやすいですが、あまり細かなことを気にしていては暮らせないので、今はスルー(笑)。

白ということもあり、無垢材の床と同様に汚れが目立ちます。また、壁紙とは違い削れることも。

暮らし始めて約2カ月、人がよく通る場所の壁には、すでに削れた形跡が……。また黒っぽい洋服などで擦ったときに跡が残る場合もありますが、そういうときは消しゴムの出番! 暮らしていれば仕方ないですね。

わが家は引き渡しのときに余った塗料をいただいたので、ホームセンター『コーナン』で買った缶に入れて保管。消しゴムではとれない小さな汚れや削れは、自分たちでメンテナンスする予定です。

経年変化をたのしむ「おおらかな心」が必要

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フローリングの見本。辞書より分厚い!
無垢材の床とのバランスも考えて選びます。
出来上がった洗面所の床。

今回ご紹介した2つは、いずれも住む中で加わるキズ・汚れは避けられない素材です。「せっかくキレイにしたのだから、なるべく汚したくない」という気持ちがある一方で、「ま、いっか!」とおおらかに受け止める心も必要だなと感じています。そうじゃないと疲れてしまいますよね。

また、こうした汚れを見越して工夫した場所もあります。それが台所・洗面所・トイレの床。どうしても濡れたり油汚れなどがついたりするので、掃除しやすい「モルタル風のフロアタイル」にしましたが、かなり汚れが目立ちにくく、無垢材の床とのバランスも花丸! とっても気に入っています。

あとは、塗りの壁はいずれ塗り直すという選択肢も。そのときの気分や部屋ごとに色を変えてもいいですよね。

キズも汚れも受け入れながら、暮らしを重ねていきたいと思います。

ニイミユカ
ニイミユカ

朝ランが日課の編集者・ライター、女児の母。目標は「走れるおばあちゃん」。料理・暮らし・アウトドアなどの企画を編集・執筆しています。インスタグラム→@yuknote

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