子育て世代の「暮らしのくふう」を支えるWEBメディア

リノベーションで理想が叶うはずだったのに…経験者の失敗・後悔を聞きました

近年リノベーションという形で、新生活を楽しむ人たちがいます。リフォームは古くなった家や設備を新築時のように“戻す”改修ですが、リノベーションはその家の性能や価値を高めることを目的とした改修です。

理想の生活を思い描いてリノベーションをし、より良い住まいを手に入れられるなんて素敵ですよね。しかし失敗や後悔の声があるのも、また事実。

そこで今回『kufura』ではリノベーションをしたことがある男女94名を対象に、リノベーションによって後悔していることを伺いました。この先リノベーションを考えている人は必見です。

使い勝手が悪くなった

null

「浴室のレイアウトを変えたが、以前のほうが脱衣所が使いやすかった」(30歳男性/企画・マーケティング)

「水回りの動線を整理したらお風呂とトイレが離れてしまった」(67歳女性/その他)

「リビングとキッチンをつなげたのですが、人が通るスペースが狭くなった」(68歳男性/営業・販売)

「部屋の壁を取り払って開閉式にしたら、開閉式の間仕切りのレールに埃がたまる」(69歳男性/会社経営・役員)

間取りを変更した結果、不便になったという後悔の声が聞こえてきました。それまではなんとも思わなかったレイアウトも、しっかりと考えて作られたもの。レイアウトをかえることによって過ごしやすい空間を作ることができた一方で、当たり前にできていたことができなくなる弊害を生み出してしまったという声もありました。

寒くなった・暑くなった

null

「玄関を、吹き抜けにしました。明るくなりましたが、冬は2階まで寒いです」(55歳女性/主婦)

「リビングを吹き抜けにしたら寒くなった」(45歳男性/その他)

「廊下からキッチンへ行けるように壁を無くしたら寒い」(27歳女性/その他)

「廊下が開放的になり冬になると寒さが増します」(49歳男性/コンサルタント)

吹き抜けに憧れを抱く人は少なくありません。光が入って明るくなったり開放的になったりする反面、エアコンが効きにくくなったり玄関からの風が入りやすく冷えるという意見が多数。壁を取っ払うことについても、同じような意見が聞かれました。逆に暑い空間ができたという話も。

「屋根裏収納を作ってもらったのですが、夏は暑くなりすぎて大変です」(69歳男性/その他)

「いつでも洗濯物が干せるように、サンルームを作った。夏場は恐ろしいくらい暑くなるのは盲点だった」(59歳男性/その他)

太陽の光を取り込みやすい場所は、夏場に相当な温度になります。心地いい空間も、季節によっては使いにくくなることは覚えておきたいところです。

使わなくなった

null

「2階を増築したが、いらなかった。歳をとると、階段の上り下りが大変だから、使いにくい」(61歳女性/その他)

「屋根裏部屋を改装したが結局あまり使わずに物置になっています」(44歳男性/その他)

「部屋数を増やしたがすぐ必要がなくなった」(67歳男性/その他)

「部屋を増築し、台所に外階段をつけたけど、まったく利用していない。工事費は高かったのに」(68歳男性/その他)

今後を想定して考えたはずなのに、いざ住んでみると使わない空間ができてしまうことも。そこで過ごさなくても他の用途として活用できればいいのですが、なかなかそうもいかないようです。

見栄えが悪くなった

null

「壁紙が実際には部屋の雰囲気と合わなかった」(45歳女性/デザイン関係)

「壁紙を張り替えたけれども、張り替える前に比べて見栄えが悪くなってしまった」(53歳男性/総務・人事・事務)

「想像していた壁紙のイメージと完成した雰囲気が少し異なっていた」(40歳男性/その他)

「壁紙を紙製のものに張り替えたのですが、雨が降ると湿気てブヨブヨになるので見栄えが悪いです。何とかしたいです」(58歳男性/学生・フリーター)

イメージと合わなかった、ということもよくあるようです。リノベーションにより壁紙を変えたけど、いざ完成したものを見てみるとイマイチ。壁紙となると大きな面積を占めるため、手元で見る小さなサンプルとのギャップは大きいのかもしれません。

光熱費が高くなった

null

「間取り変更をして、光熱費がよりかかるようになった」(47歳男性/研究・開発)

「子どもが結婚して家を出て行ったので子ども部屋をなくしてリビングを広くするリノベーションをしましたが、元の子ども部屋まで日が当たらず昼間でも電気をつけることになり電気代がかかりすぎて失敗したと後悔しました」(76歳男性/その他)

「窓を増やしたら夏に直射日光が入ってエアコンの電気代がかかるようになった」(60歳男性/営業・販売)

リノベーションによって光熱費がよりかかるようになり、後悔したという人もいました。レイアウトを考えている段階ではなかなか光熱費まで考えが及ばないかもしれませんが、日当たりやエアコン・電気の設置場所など、できるだけ具体的に落とし込む方が良さそうです。

音、臭い…想定外の事態に困った!その他の回答

null

「ベランダを作ったが風で共鳴音が出るようになって、残念」(75歳男性/その他)

「室内に洗濯物干し場を作ったが、臭う」(81歳男性/その他)

「パソコンやテレビのインターネット接続のため、子ども部屋にはルーターからランケーブルを天井や壁の内側を通して配線しましたが、居間やキッチン、寝室兼書斎には配線しませんでした。Wi-Fiは対応していますが、データ送信の安定性に不安があるため、すべての部屋にランケーブルで配線すればよかったと悔やんでいます」(71歳男性/その他)

実際に住んでみると、予想だにしなかった事態に陥ることも。施工業者と相談しながら、慎重に進めていかなければならないことを思い知らされます。

 

素敵な住まいを夢見てリノベーションをするのですから、後悔のないようにしたいもの。今後リノベーションをお考えの方は、経験者の失敗談を参考にしてみてください。あなたの住まいがより良いものとなりますように。

沖田かへ
沖田かへ

2級建築士、照明コンサルタント、FP、心理カウンセラー資格など所持。2人目出産後、大好きな子どもたちと少しでも長く時間を過ごせるよう、フルタイム勤務からライターに転身。夏はキャンプ、冬はスキーと、家族でアウトドアなライフスタイルを送る。取材記事を中心に、日常生活を今より快適に過ごすためのコラムを発信していきます。

pin はてなブックマーク facebook Twitter LINE
大特集・連載
大特集・連載