ちょっと珍しいビタミンも!キャベツの栄養情報
nullビタミンK&Uって?おなじみビタミンCも豊富です
生、炒める、煮る等、様々な調理方法を楽しめるキャベツはビタミンC、ビタミンK、ビタミンUを含んでいます。
ビタミンCは抗酸化ビタミンとして体を酸化から守る働きをもつほか、コラーゲン生成に必要な栄養素です。水に溶ける性質があるため、加熱して使う場合は、茹でるよりも、煮汁ごと食べられるスープがおすすめです。
ビタミンUはあまり聞き慣れない名称ですね。正式にはビタミンとは認められていませんが、ビタミンと同じように働く栄養素なんです。別名「キャベジン」とも呼ばれ、胃腸の粘膜を丈夫にする働きがあるといわれていることから胃腸薬にも使われている成分です。
ビタミンKは止血ビタミンとも呼ばれ、血液凝固に関係するビタミン。また、骨形成にも関係しており、カルシウムを骨に沈着させて骨の形成を促す働きもあるので、成長期のお子さんは積極的に摂りたい栄養素です。
食物繊維もしっかり摂れます!
キャベツ100gあたり、食物繊維は1.8g含まれています。キャベツ1/4カットで300g程度なので、煮たり、炒めたりしてカサを減らすと意外とたくさん食べられますよね!
食物繊維は第六の栄養素といわれるほど体にとって有効な働きがある栄養素です。食物繊維は消化吸収できず、小腸を通って大腸まで到達します。水に溶ける水溶性食物繊維と水に溶けない不溶性食物繊維があり、キャベツには水溶性と不溶性の両方の食物繊維が含まれています。
水溶性食物繊維は糖質の吸収を穏やかにして、血糖値の急上昇を防いだり、過剰なコレステロールを排出したり、腸内の善玉菌のエサとなり、腸内環境を整える働きがあります。一方、
不溶性食物繊維は胃や腸で水分を吸収してふくらみ、満腹感を刺激したり、便のカサとなり、便通をよくする働きがあります。
食物繊維は日本人は不足する傾向がある栄養素なので、1日3~4gプラスを目標に、しっかり摂取できるようにしましょう。
気になるキャベツのカロリーや糖質は?
「キャベツダイエット」というダイエット方法が流行ったことがありますが、キャベツはダイエット中でも安心して食べられるカロリーが低い野菜。キャベツは加熱すると甘味が出ますが、100g当たりに含まれるエネルギーは23kcal、糖質は3.4gとカロリーも糖質も低め。(参考までに、ごはん100gにはエネルギー168kcal、糖質30.3gを含みます。)
そして、不溶性食物繊維を含むキャベツを生で食べると満腹感を感じやすいという特徴もあります。これらの理由から、生でキャベツを食べると、
ただし、体にとって糖質は使いやすいエネルギー源であり、必ず必要な栄養素です。ダイエット中もバランスよく炭水化物、野菜、タンパク質とバランスを考えて食事をしてくださいね。
切り方・加熱方法などキャベツ調理の基本を確認!
null上手なキャベツの「千切り」の方法
揚げ物などに添えられているキャベツの千切り。細く切るのはなかなか難しいものですが、実は切り方のポイントをおさえるととっても切りやすくなるのです。
丸のままのキャベツと、すでにカットされたキャベツを千切りにする2通りの方法をご紹介します。
大きな葉を丸めて千切りに
- 一玉をそのまま使う場合はキャベツの根元に切り込みを入れて、外側から1枚ずつ葉をはがします。葉の中央にある太い芯は切り外します。
- 葉を半分に切ります。
- 葉を重ねて手前からしっかり巻いていきます。
- 丸めたものを端から切っていきます。
1/4カットにしたものを千切りに
- 芯の部分を取り除いて、底を平らにします。
- キャベツを手で押しつぶすようにして、平らにして、端から千切りしてください。
いずれの切り方でも、繊維を断ち切るように繊維に垂直に切ると、口当たりがやわらかくなり、また甘みを感じやすくなります。
※図の矢印が繊維の方向です。この線を断ち切るように切ります。
さらに千切りにしたキャベツを冷水に浸けるとパリッとした歯ごたえに。長時間浸けてしまうと水溶性のビタミンであるビタミンCが流れ出てしまうので気を付けてください。
茹でる場合は電子レンジなら栄養が逃げにくい!
キャベツに含まれるビタミンCは水溶性ビタミンのため、お湯で茹でるとビタミンCが大幅に流れ出てしまいます。もし茹でるのであれば、茹で汁をスープなどに活用するのがよいでしょう。茹で汁を使わない場合は電子レンジで加熱するほうが栄養素を逃さずに摂取することができます。
また、油で炒める方法もおすすめ! 脂溶性ビタミンであるビタミンKの吸収率がアップします。
キャベツの上手な保存方法
null丸ごとキャベツは葉をはがしながら使う?2つに切る?
1玉で買ったキャベツはなかなか一度では使い切れません。そのとき、1枚ずつはがしていくか、真ん中からざっくり切るか迷うことはありませんか?
鮮度を守るためにおすすめなのは1枚ずつはがして使う方法です。カットしたものは乾燥しやすく、また切り口が変色しやすくなります。
丸ごとのキャベツの保存方法
丸ごとの場合は、涼しい季節は新聞紙に包み室温での保存でも可能です。
それ以外の時期は、ビニール袋などに入れて乾燥を防いでから、野菜室で保管します。
すぐに使い切れない場合は、芯を包丁でくり抜いてから、濡らしたキッチンペーパーを詰めて野菜室に入れておくと1週間ほど保存が可能です。
カットしたキャベツの保存方法
切った面が茶色くなるのを防ぐには、切り口を空気に触れないようにすることです。カットしたものは切り口が乾燥しないようにラップで包んで野菜室へ。
一番おすすめの方法は少し手間がかかりますが、濡らしたキッチンペーパーで全体を覆ってからラップで包む方法です。乾燥しにくくなり、変色予防に効果が期待できます。キッチンペーパーはこまめに交換するようにしてくださいね。
撮影/田中 麻以(小学館)
【参考】
・文部科学省「日本食品標準成分表2015年版(七訂)」
・JA筑前あさくら「農産物」キャベツ
http://www.asakura-fk-ja.or.jp/product/vegetable/kyabetsu/post_20.php
・厚生労働省「e-ヘルスネット」食物繊維の必要性と健康
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/food/e-05-001.html
・厚生労働省「e-ヘルスネット」食物繊維
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/food/ye-016.html
・農林水産省「政策情報」今月の園芸特産作物:4月 キャベツ
https://www.maff.go.jp/hokuriku/seisan/engei/tokusan201804.html
・小島 彩子他、食品中ビタミンの調理損耗に関するレビュー、2017、国立健康・栄養研究所 情報センター
https://www.jstage.jst.go.jp/article/vso/91/2/91_87/_pdf/-char/ja
・「新・野菜の便利帳」板木利隆監修 高橋書店
(すべて最終参照日 2020/09/04)