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「オーストラリア教育移住」から半年。物価の高さや住宅事情に驚きも!メリット&デメリット【シドニー教育移住レポート#5】

今年1月に一家でオーストラリア・シドニーに教育移住をしたkufuraライターの橋浦多美です。

こちらに来て、早いもので間もなく半年。到着した1月は、北半球の日本とは真逆でこちらは真夏、毎日うだるような暑さと強い日差しを感じていましたが、今はちょうど真冬になりました。

日差しがあれば暖かさが感じられるものの、朝晩はとても寒く、先日ヒーターを買い足した程です。南半球で暮らすのは初めてなので、7月にダウンコートを着ているなんて、なんだかとても不思議な感じがします。

さて、オーストラリア移住連載5回目になる今回は、「オーストラリア教育移住から半年、感じているメリットとデメリット」についてレポートします。

シドニー生活半年経過。これは素晴らしい!

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1.きれいな英語と伸び伸びとした教育

今回の移住は、子どもの英語を目的に移住をした「教育移住」なので、国の候補として「英語がきれいなところ」という点にはこだわりました。

アメリカやイギリスに比べれば、“オージーイングリッシュ”といわれることもありますが、紛れもなく英語の国です。生きた英語を学ぶということが一番の目的だったので、現地校に通ってオーストラリアをはじめ、様々な国の子どもたちと一緒に学べる環境にはとても満足しています。

また、オーストラリアの教育は伸び伸びとしていて、特に小学生のうちは机に向かって勉強するよりも、いろいろなものを見て、聞いて、触って、感じて覚えることを重視しています。さらに、色々な国の人と一緒に学ぶことで、言葉だけではなく様々な文化を学べるというメリットもあると感じています。

我が家の双子たちの英語の進捗ですが、まだスラスラと会話できるような状況ではありません。しかし短い会話やタブレット上でのチャットができるようになりました。時折スペルを間違えることがありますが、ネイティブの子と頑張ってやりとりし、トライ&エラーの繰り返しで日々上達しているのがわかります。半年経ち、学校生活はとても充実していて、楽しんでいる様子が伝わってきます。

2.スポーツが盛んで、子どもは満足!

青空の下、広〜い公園でキャッチボール。開放感があってとても気持ちいいです!

きれいな英語以外で気に入っている点は、オーストラリアではスポーツがとても盛んなことです。街のあちこちに広い公園があり、子どもだけでなく大人も運動をしている人が多いです。

また、学校の行事でも毎学期スポーツイベントがあります。2月にはスイミングカーニバル、5月にはクロスカントリー、8月には陸上大会と、体を動かすことを大切にしています。

我が家の双子たちはスポーツが大好き。スポーツを通すと英語も馴染みやすく、友達を作るにもいい機会になるようです。スポーツの習い事も盛んですし、健康的な生活を送れることに満足しています。

3.自然たっぷり。スケールの大きさに感謝!

世界遺産の「ブルー・マウンテンズ」。先住民アボリジニ伝説に由来する「スリーシスターズ」は、3人の美しい姉妹が魔法によって岩にされたといわれています。訪れた日は快晴で綺麗に見えました!

先日は、シドニーから西に100キロほど離れたところにある世界遺産、「ブルー・マウンテンズ」に行ってきました。

オーストラリアに住むメリットとしては、とにかく土地が広く、自然が多いことが挙げられます。自然の雄大さを身近に感じられるのは子どもにとってとてもいいことだと思います。ここにいる間に色々な自然や景色に触れさせたいと思っています。

今回は初めて訪れたので、あまりたくさんをまわれなかったのですが、次回は、オーストラリアでは盛んなブッシュウォーク(未開発の森林ハイキング)などにも挑戦してみたいと思っています。

4.移民が多く、日本のものも手に入る!日本とは時差が少ない

日本のものは、日本のグロッサリーショップやアジア系のグロッサリーショップで手に入ります。値段は2〜3倍とかなりお高めですが、賞味期限が近いなどセールのものを狙って買っています。

オーストラリアはもともと移民が多く、日本人以外にも、様々な国から移住をしてきている人がたくさんいます。

生まれ育った国以外で生活するにはビザが必要ですが、オーストラリアはそのビザシステムの種類が豊富です。またこちらに移住してきて、永住権や市民権を取る人も珍しくありません。

若い人にはワーキングホリデービザが人気ですし、オーストラリア人で不足している職種や賄えない状況によってはビザが取りやすいという事情もあるようで、年齢も国籍もじつに様々です。そういった事情から移民に関してとても寛容です。

値段は安くはないですが、日本のグロッサリーショップもたくさんあり、日本のものもほぼ手に入るといってもいいと思います。また、日本とのやりとりをしようと思ったときには、日本とは時差が1〜2時間程度というのも助かるポイントです。

これはちょっと辛い…残念なところも

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いいところがあれば嫌なところもあるわけで、来る前に考えていたのとは違ったことや、思ってもみなかったことも色々あります。時にはストレスに感じることも……。

1.ありとあらゆるものの物価が高い…

外で食べたり買ったりするとかなりの出費になるので、外出するときにはお菓子やフルーツを持ち歩きます。常に荷物が多いのも悩みのひとつ……です。

今やオーストラリアだけではないでしょうが、とにかく物価が高いです。食費でいえば、日本の感覚でスーパーで買い物をしても、大体1.5〜2倍くらいの価格設定だと思います。

特に外食は高く、ラーメン一杯2025ドル、ハンバーガーやパスタは一皿2030ドル程度、ファストフードでも110ドルはかかります。(20246月現在、1オーストラリアドル=約106円)。

日本円がここ数カ月でもどんどん値下がりしていて、換算すると辛くなるので、換算はしないでおこうと思っています。

ちょっと小腹が減ったのでパンでも買おうかなと思っても、1つ5ドル程度はするので、そこはグッと我慢をすることが多くなりました。子どもと出かけるときには、必ずお菓子や飲み物、おにぎりなどを持って行くようにしています。

数百円でお腹いっぱい食べられる日本のファストフードやコンビニのおにぎりやパンは、なんてありがたい存在なんだ……と思います。

また物価の高さを感じるのは買い物だけではありません。病院のシステムが複雑なうえ、こちらに来て間もない私たちのビザでは医療費が高いため、受診をするのに躊躇してしまうこともあります。

移住をする1週間前に双子の弟が指を骨折し、こちらで“GP”と呼ばれる総合医に診てもらい、そこから専門医に診てもらう必要あるかという受診をしただけで100ドル(20246月現在、1オーストラリアドル=約106円)近く支払いました。東京では子どもの医療費が無料だったことを考えると本当にありがたかったと思うばかりです。

今は冬でとても寒いのですが、体調を崩さないように万全の管理に努めるようにしています。また、歯医者はさらに高いので、とにかく歯を磨くようにしています。寝る前の10分磨きを徹底しています。

2.子どもの送り迎えをはじめ、移動が大変…

オーストラリアは国土がとても広いので、学校の範囲も日本よりは広いです。片道30分くらいの距離であれば、歩くという人も珍しくありません。

子どもが通う学校はYear4 (小学4年生)からは子どもだけでの通学がOKですが、我が家の場合はまだ英語がそこまで喋れないので、スクールバスを利用し、バス停までの送り迎えをしています。学校だけでなく習い事や友達との集まりの送り迎えをしていると、もう一日中歩いているような感覚になります。

また、街中でタクシーを見かけることもほぼありません。車の購入も考えていますが、とにかく車が高い! また車検や保険のシステムが複雑で、すぐに購入したいという気持ちにもなれません。車=生活の足という側面が多いので、いずれは中古車を購入しようと思っていますが、まだ公共交通機関やレンタカーで凌いでいる状況です。

3.住宅事情が良くない…

こちらで家を決める時には先に来た夫が内見し、動画などをみながら決めたのですが、コロナが終わって移住して来る人が増えたシドニーでは、そもそも賃貸住宅の供給が足りていません。

日本とは違い、募集している賃貸物件を内見するには、主に土曜日などのあらかじめ決められている日時に見たい人が来て申し込みをするというシステムですが、1つの物件に対して多いと30人ほどの希望者が殺到するので、その中から希望の物件に入るということがとても難しいです。

我が家も見に行っては断られ……が続き、ようやく決めた家のはずですが、自然が多いシドニーでは虫や小動物、鳥などの被害もあり、さらに天気の悪い日が続くとカビで悩まされることもあります。日本の家と比べると、住宅の造りや事情そのものがあまり良くないのかもしれません。

また賃料がとても高く、この広さでこの値段?と思うこともしばしばです。国土が広いはずなのに、がっかりな点です。

さらに1年契約ということがほとんどですが、日本と違って大家さんの立場が断然強い上にインフレなので、契約更新時に値上げを要求されることが多いようです。だからといって家を購入しようと思っても、こちらはローンの金利がものすごく高いですし、我々が持つビザではいろいろなことに制約があるので、そうもいきません。家の問題はきっとしばらくの間、ついて回ることとなるのだろうと感じています。

 

このように、予想していた通りに良かったことがある反面、ちょっとストレスになりそうと思うこともありますが、海外で暮らすには家族が一丸となる必要があるということは強く感じていて、家族の絆は深まっていきそうです。次回の連載は、8月15日にお届けします!

橋浦多美
橋浦多美

大学卒業後OLから25歳でアナウンサーへ転職。テレビ、ラジオ、司会等を中心に現在はフリーのアナウンサーとして活動中。得意分野は家計経済で、暮らしがよくなるお金との付き合い方を日々考えています。FP、宅建士、ビジネスマナー検定、食生活アドバイザーなどの資格を保有。双子男児の母。

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