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子どもが巣立ったあと、親が「もっと〇〇すればよかった」と思うことは?後悔しない子育てのヒント

現在、子育てで大変な思いをしている人は多いと思いますが、子どもが大きくなるのはあっという間。気がついたら反抗期が始まり、それが終わった頃には大人となって親の元から巣立ってしまいます。子どもと同じ時間を一緒に過ごせる時間は案外短く、ふと振り返って「これをしておけばよかった」と思うこともあるかもしれません。

そこで今回『kufura』では、「子どもが既に巣立って親とは別の家に住んでいる」という男女 127 人にアンケート調査を実施。「子どもと一緒に住んでいる時に、これをしておけばよかった」と思うことを聞きました。

気がつくともう話してくれない…「もっと会話をすればよかった」

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今回、特に多かった回答はこちら。小さい頃はうるさいくらい子どもに「ママ、ママ!」「パパ、パパ!」と話しかけられ、むしろちょっと辟易するくらいですが、子どもがある程度成長すると話したくてもじっくり話してくれなくなるものです。

「もっと会話をしておけばよかったと思います」49歳男性/その他)※他多数

「子どもがどんな将来の夢を持っているか、それに関して不安なことはあるかなどもっと聞いて、話し合っておけばよかった」67歳男性/その他)

「もっと話をしておけばよかったと思う。日々の時間に追われ話をよく聞いてやれていなかった」70歳女性/その他)

子どもは思春期以降になると、親になかなか心を開いてくれなくなります。「どうしたの?」と無理に会話しようと思っても、鬱陶しがられるもの。現在はSNSなどもあるので、直接対話できなくてもうまくコミュニケーションをとりたいものです。

想い出が共有できる時間は短い「もっと遊べばよかった」

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平日働いている大人からすると休みの日は、できれば家でゆっくりしたいもの。しかし小さい子どもにとっては「パパとママが遊んでくれる日」でもあるので、ゆっくりしてばかりもいられません。

時にはしんどいしお金もかかりますが、振り返ってみるとかけがえのない想い出に。子どもが親に「どこか連れて行って!」と言ってくれる時期は、案外短いのです。

「もっと一緒に遊んだり無理してでも旅行したりすべきだった」45歳女性/営業・販売)

「小さい頃にもっと公園に遊びに行けばよかった」54歳男性/研究・開発)

「子どもが小さい時には一緒に遊びに行っていたが、ある程度大きくなってからは出来ていなかったので、子どもの記憶にあまり残っていないことが残念です」60歳男性/その他)

「部活のない小学生の頃に、もっと遊びや旅行に行っておけばよかった」63歳男性/総務・人事・事務)

子どもならいつでも時間がある……というわけではなく、習い事や部活などを始めてしまうと土日も忙しくて遊ぶ暇がない。これは最近の子ども事情としては“あるある”です。かといって幼すぎても記憶に残らない。子どもと遊べて、その想い出が共有できる時間は案外短いのです。

当時は仕事も休みづらくて…「忙しくて遊べなかった」

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働き方改革もなければテレワークもなく、多少の体調不良でも休めない。つい最近まで日本のビジネスマンはこんな過酷な状況で働くのが当たり前でした。そんな状況では子どもとの時間は二の次……。仕方がないとはいえ、振り返るとやはり後悔につながるケースが多いようです。

「小学生くらいまでの小さい時期に、もっと仕事をセーブして子どもと家にいる時間をつくればよかったと思う」49歳女性/主婦)

「子どもが小さい時に、自分も仕事が忙しくてあんまり遊んでやれなかった。もっといっぱい遊んであげればよかった」60歳男性/その他)

「単身赴任が長く、いつの間にか社会人。もっと遊ぶ時間を持てばよかった」72歳男性/その他)

週休二日制が本格的に導入されるようになったのは1980~90年代。現在60歳以上の世代が働き始めたころは、日曜祝日しか休みがないのが当たり前で、今よりずっと休めない時代でした。一方40代の世代は夫婦共働きも多く、休日はとれてもこの時代ならではの大変さがあります。

実現できたかはさておき「もっと旅行しておけばよかった」

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子どもにとって家族旅行は、非日常が味わえる一大イベント。とはいっても親の立場になれば休みの確保や旅費の捻出も大変で、しょっちゅう行けるものではありません。それでも子どもが巣立ってしまうと、もっと旅行へ行きたかったと思う人が多いようです。

「家族旅行をもっとしておけばよかった」60歳男性/会社経営・役員)※他多数

「旅行に国内外問わず行けばよかった」57歳男性/営業・販売)

「家族でキャンプをしたかった」75歳男性/その他)

週休二日制もハッピーマンデー制もない時代は、2日続けて休むことがなかなかできず、旅行へ行ける機会も限られていました。現在は当時と比べると比較的休みがとりやすくなっていますが、予算的な悩みはいつの時代も同じです。

思うようにはいかない「〇〇な育て方をすればよかった」

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一昔前は悪いことをしたら厳しく叱る教育が当たり前でしたが、昨今は「褒める教育」が主流とされています。とはいえ叱る教育で育った親が子どもに褒める教育をするのは、なかなか難しいのかもしれませんよね。また褒める教育が正しいという常識も、時代が変われば違ってくるかもしれません。

「あの時にあんな叱り方しなかったらよかったかな、こんな風に言ってあげればよかったかなと思うことがあります」67歳男性/広報・宣伝)

「やる気を伸ばしていく教育をしたのですが、叱ったり、信念を育てるタイミングが掴めていなかった」68歳男性/営業・販売)

「型にはめず、もっと自由にのびのびと育ててやりたかった」75歳男性/その他)

いつの時代も子育てに正解はありません。親は常に試行錯誤の連続で、逆に子どもに教えられることも限りなくあるものです。

自分の育児に後悔はナシ?「特にない」と断言する人も

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今回、案外少なくなかったのが「特にありません」と言い切る回答。その理由については大きく分けて2つあり、1つは「現在でもいつでも会えるから」という意見。そしてもう1つは「できることを精いっぱいしたから」といったものでした。

「一緒に住んでいる時には何も思わなかった。今でも月に数回会っているので特にない」66歳男性/公務員)

「会いたくなったら会えるので特にない」71歳男性/その他)

「色々あるが、当時としては精いっぱいだったと思う」66歳男性/営業・販売)

「全部親がやるべき事はしたので後悔はしていない」51歳女性/主婦)

巣立った子どもに対しての後悔が「特にない」とはっきり言えるのは、ある意味幸せなことかもしれません。とはいえしつこいようですが子育てには正解がなく、後悔があることがダメとも限らない。子どもが巣立って立派に頑張っているのであれば、後悔があってもなくても問題ないのではないでしょうか?

 

現在子育て中の人にとっては、今やっている育児が今後後悔するものなのか、それともしないのかが気になるかもしれません。でも精いっぱい子育てをしているのなら、きっとそれで大丈夫。振り返るとけっこう短い子育て期間、ぜひ満喫してくださいね。

高山恵
高山恵

東京都出身、千葉県在住。短大の春休みより某編集部のライター見習いになり、気が付いたら2022年にフリーライター歴25年を迎えていた。現在は雑誌『DIME』(小学館)、『LDK』(晋遊舎)などで取材・執筆を行うほか、『kufura』などWEB媒体にも携わる。

執筆ジャンルは、アウトドアや子育てなどさまざま。フードコーディネーターの資格も持つ。

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